2017年新年となりましたが、昨年末の「このイラストレーターがすごい 2016」の続き、いってみましょう。
※その1はこちら

丹地陽子編
 2016年に小林泰三さんの大ヒット作『アリス殺し』に続く第二作『クララ殺し』、久住四季さんの『星読島に星は流れて』、ミステリーズ!新人賞受賞作集『砂漠を走る船の道』『監獄舎の殺人』と四冊のカバーイラストを手掛けていただきました。ロバート・シェクリー『残酷な方程式』(2007年復刊フェア)が弊社の最初のお仕事でしょうか。複数のタッチをお持ちの丹地さん、「たんち」だと思っていたら「たんじ」なんだそうですね。大崎梢さんの人気シリーズ〈成風堂書店事件メモ〉シリーズの『配達赤ずきん』『晩夏に捧ぐ』『サイン会はいかが』のカバーイラストがありますが、2017年は『ようこそ書店大賞の夕べに』の文庫刊行が間近です。どんなカバーになるのか楽しみですね。


田中寛崇編
 2012年の鮎川哲也賞受賞作、青崎有吾さんの『体育館の殺人』からのお付き合いです。児童書をはじめとした書籍カバーから、小説誌の挿絵、弊社でもお付き合いのある朗読アプリ「kikubon」さんのイメージイラスト(http://kikubon.jp/guide.php)まで、幅広く活躍してます。2015年~2016年のミステリーズ!のカバーイラスト、青崎さんの第三長編『図書館の殺人』、第二長編『水族館の殺人』(文庫版)と大忙しでした。2016年に一番弊社でカバーを手掛けたイラストレーターさんです。2016年2月10日には青崎さんとのコンビで、ジュンク堂書店池袋本店にてイベントも実施し、大好評でした。


スカイエマ編
 毎月、書店新刊棚でスカイエマさんのカバーイラストを見ない時はないといってよいでしょう。弊社では、2005年の永嶋恵美さんの『一週間のしごと』からのお付き合い。その後に市井豊さんの『聴き屋の芸術学部祭』『人魚と金魚鉢』など、さらに2015年~2016年にはバリー・ライガの『さよなら、シリアルキラー』『殺人者たちの王』『ラスト・ウインター・マーダー』『運のいい日』が反響を呼びました。2017年には単行本時(2014年)にも書店の雰囲気が話題となったロビン・スローン『ペナンブラ氏の24時間書店』がひかえています。


ワカマツカオリ編
 加藤実秋さんのデビュー作『インディゴの夜』ではじめてお会いしてから、もう10年も経ってしまったのかと、驚愕しています。七尾与史さんの〈ドS刑事〉シリーズ(幻冬舎)など人気シリーズを手掛け、現在は各方面で大活躍のイラストレーターさんですね。2016年にはアメリカでの「J-POP SUMMIT」というイベントにも参加されたとのことで、世界進出も果たしています。昨年弊社では、ケルスティン・ギア〈時間旅行者の系譜〉シリーズの『青玉は光り輝く』『比類なき翠玉 上下』のカバーでお仕事いただきました。


Minoru編
廣島玲子さんの『妖怪の子預かります』『うそつきの娘』『妖たちの四季』のシリーズ三作が好調のMinoruさん。昨夏の8月19日には『妖怪の子預かります』のオリジナル妖怪募集の審査員としてもご活躍いただきました。ポップなキャラクターを得意とされていますが、夢野久作『少女地獄』のようなシックな雰囲気も素敵です。実は大の猫好きでして、2月刊行の松尾由美さんの最新作『ニャン氏の事件簿』でその猫愛を発揮していただきました。ご期待下さいませ。


以上駆け足でお贈りいたしました。
あくまでも、編集部Kが独断と偏見でご紹介してきましたが、2017年もすばらしいイラストレーターさんたちとお仕事できますように。
(2017年1月16日)




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