ジャズが目を覚ますと、あいかわらずそこはトランクルームのユニット。外に出ることはできず、そばにはふたつの死体が……。これではジャズが殺したと疑われることは必至だ。
 一方、コニーは、脱獄してニューヨークに潜伏しているビリーの手に落ちていた……。執拗にジャズとの関係を問い質すビリー。
 故郷ロボズノッドに残ったハウィーは病院に収容されていた。最後の記憶は、ジャズの叔母サマンサにショットガンを取り上げられたこと。ジャズの祖母は無事なのだろうか?

 ジャズの、コニーの、そしてハゥイーの運命は? ハット・ドッグ・キラーの黒幕は? みにくいJの正体は? 祖父の墓に納められていたビリーの本にある謎の言葉〈カラスの王〉とは何を意味するのか。ジャズはビリーの跡継ぎとなってしまうのか? 

 そして驚愕の結末へと物語は……。驚異の青春ミステリ三部作ついに完結!

ゲラ版読者モニターの感想を掲載!――ぼくには連続殺人犯の血が流れている、 ぼくには殺人者の心がわかる。バリー・ライガ『さよなら、シリアルキラー』
ゲラ版読者モニターの感想を掲載!――怪物の息子として生きる苦悩。恐るべき連続殺人の行方は? バリー・ライガ『殺人者たちの王』

読者モニターの皆様の声


◎女性、30代
「さよなら、シリアルキラー」3部作の3作目。
 3作目といっても、2作目の「殺人者たちの王」と本作「ラスト・ウィンター・マーダー」はつながっていて、上下巻のような形だった。
 ミステリーが好きで、それなりの読んできた中で思うのは、3作通してあまりミステリー要素は強くなかった、ということ。
 タイトルにもあるとおり、シリアルキラーがあちこちに出てくるから、展開に驚くことはあっても、凝ったトリックを読み手が解いていくといった形ではなかったように思う。

 シリアルキラーを父に持ち、ずっと「英才教育」を受けてきたジャスパーは、いつか自分も父と同じ道に進んでしまうのではないかと恐れている。
 父の行いを否定する一方で、その父から教わった“教養”を使って事件を解決していく…わけだけれど、私はミステリーというより、ジャスパーや恋人のコニー、親友であるハウイーの成長物語として読んだ。

「自分は父と違う」と思いながらも、“血”におびえるばかりだった序盤から、様々な経験をすることによって本作ではいよいよその“血”に決着をつけようとする。
 めまぐるしく変化する展開の中で、ジャズの葛藤が痛々しくてならなかった。

 フィクションだとわかっていても、ジャズには幸せであって欲しい。
 そう思いながらこの本を読み終えた。

◎男性、30代
 前作『殺人者たちの王』の「ここで終わるのかよっ!」と思わず声が出たエンディングから始まる本作は、完結編を待ち望んでいた我々読者の期待を裏切らず、さらに衝撃的な展開が繰り広げられます。

 正直、私はあまり欧米の現代ミステリの良い読者ではなく、クラシックミステリを好むのですが、そのような私にも本三部作は非常にスピーディーかつサスペンスフルな展開で一気に読み通してしまいました。この本こそ、まさに「ページ・ターナー」と呼ぶにふさわしい作品です。

 前作までの読者はもちろん、まだこの三部作を手に取っていない方も、ぜひ読んでこのジェットコースターに酔いしれてもらいたいです。

 バリー・ライガの次作以降にも期待します。

◎男性、40代
「さよなら、シリアルキラー」「殺人者たちの王」のジャズが帰ってきた!

 ニューヨークの連続殺人鬼の捜査に踏み込み、連続殺人鬼である父ビリーを追いかけたジャズ。最終ページで「まさか、こんな!」との悲鳴を読者に上げさせた前作から、数ヶ月後の、第三作の刊行。作中では第二作の終わりのシーンから数時間後のジャズの姿で、物語は再開する。

 死体二つを横に大怪我を負い、窮地に追い詰められたジャズは、まるで「逃亡者」さながらの逃走を開始。追いかける警察、暗躍するビリー。コミカルな友ハウイーとスペシャルな彼女コニーも大活躍の物語は、二転三転繰り返し、ついについに………またしても「こんなことが!」と驚愕の結末を迎える。その衝撃は、三部作をかけて積み上げられた世界がひっくり返るほど。ぜひ自身で読んで、体験してもらいたい。

 読み終えてやはり思うのは、この作品はジャズの成長物語だ、ということ。乗り越えるべき父への対抗心と母への慕情。頼れる友と愛する彼女、支えてくれる大人も居る。確かに「連続殺人鬼」の父は乗り越えるには高い壁だが、まっすぐに立ち向かうジャズの姿は、まさに青春物語の王道。

 終盤の、「人は本物で、人は大事です。ぼくたちひとりひとりが大事なんです。共通する部分以上に、それぞれ違う部分が」というジャズの言葉。

 これが最後とは思いたくない。親と子の物語としてのこの三部作は縦軸として、横軸となっていた友と彼女との物語をもっと読みたいと思う。ハウイーの笑えないジョークや、コニーとの恋の駆け引きなど、もっともっと彼らを見たい。

◎女性、30代
 待っていました、とページを読み進めたい気持ちと、ジャズ、コニー、ハウイーの3人が冒頭から大ピンチの状態なので、これ以上読むのがおそろしい、という気持ちを抱えて「王」に挑みました。

 不利な状況。頭脳と戦術。圧倒的な力。
 3人がそれぞれの立場で苦しんで悲痛な叫びをあげるたびに、恐怖に彩られたパズルのピースが少しずつ集まってくるのです。
 それは、エッジが鋭かったり、棘まみれだったり、凍りすぎていたり、顔をしかめたくなるほど汚れていたり。
 触れたら痛みや激しい感情が沸き上がるパーツです。
 それらがじわじわと物語を構築していく。恐怖のゲームに立ち向かいながら。
 最後に何が完成するのか?
 とにかく知りたいと思い一気に読み進めてしまいました。
 巧みな場面転換は魅了されるほどです。
(もちろん、緊張感ばかりでなくゲームでいうセーブポイントのような「ほっとする」場面もあるのですが、心で悪態つきながら必殺スマイルするジャズだったり、レッドブルを主食とする人物の焦りといらだちだったり、やはり皆すごく切羽詰っています)

 ジャズに染み付いているぬくもりの記憶や、血液の生温かさなど、体温の描写がすごく印象的でした。触れたその人だけにしかわからない感覚なので、一度感じてしまうと記憶から消すことは難しい。そのの正体が明らかになったとき衝撃を受けました。

◎女性
 冒頭から読み手を飽きさせることのない展開。
 囚われたコニーが無事に脱出できたかと思えば、閉じ込められたジャズは撃たれ、その間にハウイーは失恋し……と、(ジャズたちはたまったものではないだろうけど)ドキドキハラハラ、そしてワクワク。ページをめくる手がなかなか止まらない!!

 めまぐるしく視点が変わるのにまったく混乱もなく、するりと頭の中に入ってくるほど読みやすい。登場人物と一体化するような感覚に溺れ、時には頭の中に映像として浮かび上がることもある。実在するシリアルキラーの名が挙げられるし、作中の大人たちの「リアル感」(とくにコニーのパパ。一貫した姿勢でジャズやコニーにむかう姿に好感が持てた)「もしかしてジャズたちは、この世界のどこかにあるロボズ・ノットで今も暮らしているのかも!?」なんて思ってしまう。

 とても魅力的な登場人物たち(とシリアルキラーたち)。もっともっと、ジャズやコニー、ハウイーたちと一緒にいたい。(そして、ハウイーにもガールフレンドを作ってあげて!!!!!)そう思わせてくれる作品だった。

追伸……映像化もひそかに期待している……。

◎女性、50代
 血みどろなのに青春小説(笑)
 シリアルキラーの血に悩むジャズ、全力で支えるコニーとハウイー。どんな状況も笑いに変えてくれるハウイーには和ませてもらった~ありがとう!
 3巻はどんでん返しの連続!ジャズの凄絶な状況ったら! ジャズの葛藤に胸えぐられる……
 保安官やコニー父の視点こそが父の愛情で、自分の生育環境が虐待だったと3巻でようやく気付くジャズが哀しい

◎女性、50代
 あー面白かった
 〆切があって早く読まなくてはならないのに
 逆になかなか手が伸びなかったんですが
 読み始めたら一気読みでした!

 1部は青春ミステリだったので、コニーやハウイーとのやりとりもただ面白かったんですが、2部ではちょっと足手まとい感が出て来て読了時点では、コニーに対して「量産型コージーかよ!」くらいいらついてました。
 3部ではあまり行動を共にしないのもあってか、展開がわりと速くてその辺りは気にならなかったというか1番弱点になりそうなコニーが既に捕まってる所から3部が始まるので、そのあたりの心配をまったくしなくていいって点が楽だった。

 1部を読んだ時には、たった3部で終わるなんて勿体ないと思ってました。
 1部のあらすじだけ読んだのとはだいぶ違っていてそれがよかった。シリアルキラーに英才教育を施された少年がシリアルキラーの思考の先を読んで真相に近づいて行くみたいな単純な話じゃなかった。
 シリアルキラーものなのに、全体を通してのトーンに1部の青春ミステリものの感じが出ていて、えぐく無い 。
 ビリーのやってる事はかなりえぐいんですが。
 3人のキャラもだけれど、シリアルキラー達以外の登場人物に嫌なやつがでばってこないのが良かった(バカな警官とか記者はいたけど大した事無い)。
 読みやすいし万人に勧められる話だと思う。翻訳物苦手な人や、サイコパスとかえぐいから嫌という人も1部だけでも読んで欲しいものです。

◎女性、40代
 最初から生々しく痛そうで、読んでいてつらくなりましたが、話の展開が早く、引き込まれていきました。自分の子供の年齢の主人公達ですが、アラフィフでも楽しく読ませていただきました。翻訳が上手ですね。自分で原文を読んだら、これほど臨場感を味わえなかったと思います。

◎女性、20代
 まるで映画を見ているかのような迫力やスリルがあった。徐々に明かされていく“カラスの王”や“みにくいJ”、ジャスパーの記憶に残る謎について。予想外の展開と真相に、最後の1ページまで目が離せなかった。ベストセラーになるのは、成る程と頷けるミステリー。

◎女性、40代
 1作目からずっとそうでしたが特に本作の中盤以降、ただただジャズに幸せになってほしいと願いながら読んでいました。

 殺人や死体などについて詳細に書かれているシーンもあって、グロ描写にあまり耐性のない自分には正直なところ刺激が強すぎると感じる部分もありました。
 でも、最も重要なのは成長していくジャズの姿であってセンセーショナルな興味だけで引っ張っていく物語ではないと思えたので、とてもおもしろく読み終えることができました。

 うちの息子のひとりもまさに17歳で(ジャズと違って日々のほほんと生活していますけれど)、本作を読んで親と子の関係というものについて考えさせられました。
 ビリーが引き起こした事件の数々は何の言い訳もできないひどいものですが(親としての振る舞いも含めて。いくら彼なりにジャズを愛していたといっても、言語道断の行いだと思います)、コニーやハウイーの両親たちのような愛情深く常識的な保護者の言葉であっても、子どもたちには届かないこともあるのがつらいなと思いました。
 とはいえ、ほぼ完全に親世代の視点で読んでいても、ジャズたちのまっすぐさや友情の厚さが愛おしくもあるのですが。
 たしなめるべきところは厳しく、しかし子どもには子どもの言い分があるということを忘れずに、これからも息子たちと向き合っていかなければと肝に銘じました。

 あともうひとつぜひ申し上げたいのは、スカイエマさんのイラストについてです。
 書店で見かけない日はないといっても過言ではないくらい売れっ子でいらっしゃいますが、中でもこのシリーズの表紙絵は素晴らしいと思います。
 もうジャズはこの姿形しかあり得ない!

◎女性、30代
 三部作の完結編として、ずっと楽しみに待っていました。特に前巻はこの待ち遠しさを倍増させる終わり方だったので、冒頭から貪るようにページをめくった私です。

 一作目からずっと、自らの身体を流れている「シリアルキラーの血」とのジャズ自身の戦いが書かれてきた訳ですが、この三作目では、恋人コニーと親友ハウイーの助けを得られない。本当の自分自身のすべてで戦わなければならなくなり、読んでいる私も本当につらかったです。ジャズのその柔らかな心が血を流しながらもがきます。

 ジャズの心は闇の世界に連れ去られてしまうのか、それとも光にしがみつき守りたい世界を守りきることができるのか。彼は何度でも心に唱える。
「人は大事だ、人は本物だ」

 カラスとは、カラスの王とは何なのか?そして夢に現れる記憶は本物か、植えつけられた幻なのか?
 ここまでにたくさんちりばめられてきた謎が解け、すべての真実が明らかになったときにジャズがその手に掴むのものは……

 読みごたえも大満足の最高の完結編を楽しみました。

◎男性、30代
 読了直後の感想は「すごく面白かった!」の一言でした。
 シリーズの完結編として上手くまとまっていたし、見事な着地だったと思います。

 ジャスパーの心理描写が詳細かつ秀逸で、内面の葛藤が理解しやすく、ジャスパーの気持ちを追体験する事が出来ました。
 この心理描写が物語に深みを奥行きを与えていたと思います。

 ジャスパーの逃走劇が手に汗握る展開でハラハラしました。
 テンポも良く、飽きる事無く楽しめました。

 コニーとの愛情、ハウイーとの友情、そして3人の絆が深まっていく様子が凄く良いですね。
 それとタナー保安官、ヒューズ刑事、コニーの父親の立ち位置が良い。
 それぞれの立場で心配しつつ、見守っている様子が微笑ましい。

 スピーディーな展開で一気読み必至の傑作かと。
 濃密な読書体験になるのは確実です。
 読了後は良い意味でグッタリします。心地良い疲れでした。
 2作目を未読の方は3作目と合わせて読むのがオススメです。

 ぜひ多くの方に読んで頂きたいです!

◎男性、30代
 最後まで異色ではあったが、新たな青春ミステリの傑作シリーズに間違いなし!

 今シーズンの魅力は主要人物達のキャラが立っている点。
「さよなら、シリアルキラー」を読んだ時点でジャズ達の行く末が気になって仕方ありませんでしたが、過酷な運命や境遇に晒されても歩みを止めない姿には心打たれるものがあります。勿論、ビリーの悪の魅力も最後まで色褪せず、緊張感を保ってくれました。この最高の敵役がいたからこそ、ここまで惹きつけられたのかなと思います。

 三部作を通しての周到な伏線も綺麗に回収され、思いもよらぬ全貌が現れた時は驚愕しましたし、1作目から読み直したい気持ちになりました。
これから、この三部作を読み始める読者は幸せだと思います。

 あと、1作目刊行から僅か1年間で三部作の結末まで読みたのは本当に嬉しかったです。翻訳も一貫して読み易く、安心して楽しめました。

◎女性、50代
 いったいどうなるんだ!という2巻の続きが気になってお願いしたゲラ版でしたが、相変わらずのジェットコースター展開と3人のシンクロぶりに思わず笑ってしまったり、唸ったりの連続でした。

◎女性、30代
 時間がとれずに、前作『殺人者たちの王』を購入していたもののなかなか読めずにいたのですが、今となってはその方が良かった、あのままずっと置かれたままとはどんな拷問だっただろうと思います。連続で読めたことに心から感謝です。
 少し毛色の変わった部分はありますがこれは本当にヤングアダルト小説なのだなと感じました。親への思い、異性への思い、親友への思い、どれもこれもかつて自分が通ってきたものであり、だからこそそれらに共感できて、折々にはさまれる狂気に満ちているものの蟲惑的な論に驚かされ納得させられかけ、いかに自分の考えなどくるりとひっくり返ってしまうのかと実感したほどです。
 少年少女たちがそれぞれ魅力なのもそうですけれど、やっぱり脇を締めるのは前向きな大人たちなのもすごく好きでした。作者さんの次回作にもとても期待します。

◎男性、30代
 あのもどかしいラストからやっと、読めるだけで気持ちいい。
 謎は解かれて、残された物語が収束していく様子がサスペンスたっぷりで、ジャズに、コニーに、ハウイーに、別れを惜しむ間もなく読み終えてしまいました。
 5年後からの続編やスピンオフ(若い頃のビリー)が、予定されていてもいいのに。
 それぐらい魅力的なキャラクターの数々、青春ミステリーで終わらすにはもったいない過激なストーリーで、読んでいる間はあっという間でした。

◎男性、40代
 ジャズ、コニー、そしてハウイーの3人が3人とも窮地に陥り、一体どうなるのかとやきもきしながら待ちに待っていた完結編!
 コニーのジャズへの想いや、ハウイーの見せる友情には胸が熱くなり思わず涙が。うん、大切で大事な人達がジャズの周りにはいつでも存在していたのだから、きっとジャズは大丈夫だと言い聞かせるように読み進めていても、その、緊迫感とスリリングな展開にページを捲る手が止まらなかったのは、果たしてジャズは父親であるビリーとの対決を前に、ジャズ自身の内なる声に耳を傾けて、ダークサイドへと本当に身を投じるのではないかとの恐れが高まるから。
 そしてどこかでそれを期待してしまっている読者である自分の内なる声に身ぶるいが止まらなくなりそうでした。
 しかしながらそれでも、心身共に傷ついたジャズが、あの瞬間に感じた人生最高の感触を思い出しても、その時にハウイーやコニーのような大事な人がジャズのそばにいてあげて欲しいなと願わずにいられませんでした。

◎女性、40代
 前作『殺人者たちの王』で窮地に陥ったジャズ。
 彼(と友人たち)の無謀さにはハラハラさせられるけれど、同時にその勇気に感嘆もさせられます。
 自分の中の怪物の血を恐れ、しかしそこから逃げ出さずに向きあおうとするジャズは本当にかっこいい!
 とはいえ、ビリーは、やはりビリー。
 この作品の魅力の一端を担うのは、ビリーというキャラクターの存在だと思います。
ジャズの頭の中で囁く彼の言葉に興奮させられてしまうのも、シリアルキラー・ビリーの怪物性があまりに魅力的だから。

『カラスの王』にまつわる大きな秘密はジャズを打ちのめしますが、そこからの展開が素晴らしかった!

 また、ストーリーの重さを感じさせない軽妙な語り口は、カーソン・ライダーシリーズを思い起こさせますね。
 YA作品と敬遠している人にも、ぜひ読んでもらいたい作品だと思います。

◎?
 三部作を締めくくるにふさわしい「濃い」内容でした。二作目のラストも充分悲鳴ものでしたが、今回味わったスリルはその比ではありません。二転、三転どころか二十転も三十転もする展開は、ミステリを読む楽しさを再認識させてくれました。
 ジャズの孤独な闘いには読んでいて胸が痛くなりましたが、守り支えてくれる大人(G・ウィリアムやコニーの父)の存在に救われます。なにが本当に正しいかなんてわからないけれど、結末にたどりついたときには、無性にジャズを抱きしめたくなりました。
 三部作の中でいちばん痛くて、いちばんジャズを近くに感じられる一冊です。

◎女性、10代
 前作の衝撃的なラストからの、待望の続編です。
 臨場感溢れる描写、スリリングな展開に、ついつい読む手が止まりませんでした。約500ページ、あっという間です。
 そして、ジャズ、ガールフレンドのコニー、親友のハウイーとの友情、愛には心を打たれずにはいられません。
 危険な状態にあるからこそのより深まった絆に、安心感と、心温かさが感じられ、感動しました。
 心理描写等もとても詳しく書かれていて、自分も頭が良くなったような気がしてきます。思いもよらない展開に、興味深いラスト。是非多くの方々に読んで貰いたいと思いました。

◎女性、20代
 三部作の完結編として、今まで以上の読みごたえを約束してくれる作品であり、読者の心を擦り切らせながらも一気に読ませる作品だった。彼らの行く末を結末まで見届けることができたのは幸福でしかない。予想を裏切り期待を裏切らない快作だった。
 500pに近い大ボリュームを1日で読みきってしまうほど読ませる力が強くてぐんぐん引き込まれた。
 サイコものとして犯人がひたひたと迫ってくる恐怖もあってミステリとしても重厚感があり、最後には一つがつながる爽快さも堪能できて、三作すべて追うことができたことが嬉しかった。
 できることならこの後の三人の話が読めたらいいなぁと遠き国の片隅で祈ってます。

◎女性、40代
 前作の息詰まるラストから続きが気になって仕方なかっただけに、最終巻はほぼ一気読みでした。
 1作目から続くジャズの苦悩やあらゆる謎、魅力的な仲間たちと寄り添っておっかない事態を見守っていましたがまさかこんなに胸が苦しくなるとは…最後まで読んでも良かったです。怖かったけれど面白かったし、ビックリするくらい後味がいい。どうもありがとうございました。

◎男性、40代
 ようやく読み終えました。
 まずはバリー・ライガさんに謝りたい。すっかり侮っていたことを。
『さよなら、シリアルキラー』を読んでいた時には、終盤にこんな展開が待っているなど予想だにしていませんでした。少なく見積もっても『殺人者たちの王』の時には、このラストに向けて動き出していたわけですから、大胆さと用意周到さに驚かされました。僕が鈍いだけかもしれませんが、途中で気がついていたって、「え、マジか!」となっていたでしょう。
 ニューヨーク・タイムズ・ベストセラーという謳い文句は伊達じゃなかった。

◎女性、20代
 21世紀最悪の殺人鬼であり、作中で圧倒的なカリスマ性を放つジャズの父、“ビリー“
そして、その父から連続殺人の英才教育を受けた主人公ジャスパーこと”ジャズ”
 彼らの物語がようやくフィナーレを迎えました。

 前作まではジャズ、恋人のコニー、親友のハウィーがそれぞれに絶望的な状況で終わりを迎えましたが、最終章『ラスト・ウィンター・ダーマー』では更に加速しながら物語が進展します。

 今まではハウィーやコニーとの関係性や思春期の少年らしいセンシティブな悩みにスポットが当てられていましたが、今回はとうとう孤独と闘いながら父と向き合う姿が見られ、映画を見ているようでハラハラします。
 更に引き続き「カラスの王」「みにくいJ」などのキーワードや新しい伏線、謎が次々と回収されていき、ページをめくる手が止まりません!

 今作を読み終えた今、声を大にして言い切れます!
「さよなら、シリアルキラー」「殺人者たちの王」は“序章”に過ぎません!ここからが本番ですよ!!

 興奮とときめきが止まらない疾走感に溢れた最終章、私費で即買いでございます。

◎女性、30代
 前巻の終わり方が終わり方だっただけに、気になってすぐに読み始めて…読み止まらず、ほぼ一気読み。時間のある時で良かった。ジャズ、コニー、ハウイーそれぞれの視点から語られる前半がもどかしくはらはらしていたら、後半、ジャズが追い込まれている状態がいよいよ尋常じゃなかったことに、何を選ぶのかにひやひやして。それでも、それなりに丸く収まったとほっとしたと思ったら…最後の最後でがんとやられた…。

◎女性、30代
 文字を読んでいるはずなのに、ずっと映像が目に浮かびました。詳細な描写が魅力的だし、少年少女の心理描写も巧み。辛いシーンはあったたものの、前作前々作を読んで作者への信頼があったので読み進められました。三部作の最後にふさわしい終結。主人公を取り巻くさまざまな大人たちを見て、私も大人のひとりとして自分がよりよい人間であるかと考えさせられました。この話と出会えてよかったと、本当に思っています。

読者モニターの皆様、ご協力ありがとうございました。

(2016年5月9日)



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