2018年の第49回星雲賞が決定し、海外長編部門をシルヴァン・ヌーヴェル/佐田千織訳『巨神計画』(創元SF文庫)が受賞しました。
著者シルヴァン・ヌーヴェル氏の受賞コメント(動画あり)と、佐田千織氏の受賞コメントを下記に掲載いたしますので、ご覧ください。
『巨神計画』の続編『巨神覚醒』も好評発売中。完結編となる第3部『巨神降臨』(仮題。原題Only Human)は、2019年春に刊行予定です。ご期待ください。
星雲賞は、日本のSF及び周辺ジャンルのアワードとしては最も長い歴史を誇るSF賞です。星雲賞は、前年度に発表された作品および活動の中から、日本SF大会参加者のファン投票により決まります。
第49回星雲賞は、4月15日から5月13日にかけて「第57回日本SF大会 ジュラコン」参加者による投票が行われました。
結果発表と授与式は、2018年7月21日に「第57回日本SF大会 ジュラコン」で行われました。
他部門の結果など詳細は、「日本SFファングループ連合会議」公式サイト内の結果発表ページをご覧ください。
こんにちは! 興奮でなかなか言葉が出てきません……星雲賞にノミネートされるだけでも信じられないほど光栄なのに、受賞するなんて。
『巨神計画』を着想したのは、息子と一緒に日本のロボットアニメを観ていたときのことでした。『UFOロボ グレンダイザー』や『マジンガーZ』を観て育った私にとって、日本で自分の作品が刊行され、認めてもらえるのは夢のようです。
夢を実現してくれた東京創元社と、翻訳者の佐田千織氏に感謝を。そして何よりも、日本の《巨神計画》ファンの皆様に感謝を。巨大ロボットたちの生まれ故郷で、私の巨大ロボット小説が出版されるとは、とてつもなく素晴らしいことです。
6月邦訳刊行の『巨神覚醒』も、楽しんでもらえると幸いです。もう一度感謝を、「どうもありがとう」!
Hello everyone! I am so excited I can't barely speak. It's an incredible honor to be nominated for the Seiun Award, let alone to win one.
I was watching a Japanese mecha anime with my son when I got the idea for Sleeping Giants. I grew up watching Goldorake and Mazinger Z, so to have my work published and recognized in Japan is a dream come true.
I want to thank my publisher, Tokyo Sogensha, and my translator, Chiori Sada, for making this possible. Thank you so much. More than anything, I want to thank all the Japanese fans of the Themis Files. To have my giant robot story published in the birthplace of giant robots is absolutely amazing.
I hope you enjoy Waking Gods, which came out in June. So, I thank you all again, thank you so much. Domo arigato!
本格的なエンタメSFの仕事は今回がほぼ初めてだったのですが、いまこの挨拶を代読していただいている担当編集者の石亀様から依頼を受けた際に伺った、「異星人が遺したロボットのパーツを掘り出す、『イデオン』みたいな話なんですよ」という説明に、「それは面白そうですね」と二つ返事で飛びついて、大正解でした。実はわたしは中学高校とアニメ漬けで、「イデオン」もリアルタイムで見ていたために自然とこういう反応になったわけですが、その一方で「こういうやりとりが当たり前のように成立するなんて、やっぱりふつうじゃないよね」と思ったことを、いまでもはっきりと覚えております(笑)。
さて、今回の受賞作『巨神計画』は三部作の一作目にあたり、二作目の『巨神覚醒』もおかげさまで絶賛発売中です。目下、三作目の翻訳に取り組んでいるところですので、シリーズの最後までおつきあいいただければ幸いです。あとは映画化の話が順調に進んでくれればいうことなし。もし映画化された暁には、ひょっとして役得で日本語吹き替え版のアフレコの見学をさせていただけないかなあ、などと妄想する今日この頃です。改めまして、本日はどうもありがとうございました。
担当編集者としても幅広い読者に熱いご支持をいただき、大変うれしく思っています。感想を拝読するに、連想するロボットアニメを挙げていらっしゃる方が多いのですが、おもしろいのは人によって挙がる作品名がみごとにバラバラであること。きっとみなさん、それぞれ自分が子供のころに見たアニメと重ねて楽しんでおられるのですね。本作そのものにそれだけ多面的な魅力があるということなのかな、と思います。
ちなみに担当編集者は実は『伝説巨神イデオン』を見たことがなく、思い出のロボットアニメは『鉄甲巨兵 SOME-LINE』です。
ミステリ・SF・ファンタジイ・ホラーの専門出版社|東京創元社
著者シルヴァン・ヌーヴェル氏の受賞コメント(動画あり)と、佐田千織氏の受賞コメントを下記に掲載いたしますので、ご覧ください。
『巨神計画』の続編『巨神覚醒』も好評発売中。完結編となる第3部『巨神降臨』(仮題。原題Only Human)は、2019年春に刊行予定です。ご期待ください。
星雲賞は、日本のSF及び周辺ジャンルのアワードとしては最も長い歴史を誇るSF賞です。星雲賞は、前年度に発表された作品および活動の中から、日本SF大会参加者のファン投票により決まります。
第49回星雲賞は、4月15日から5月13日にかけて「第57回日本SF大会 ジュラコン」参加者による投票が行われました。
結果発表と授与式は、2018年7月21日に「第57回日本SF大会 ジュラコン」で行われました。
他部門の結果など詳細は、「日本SFファングループ連合会議」公式サイト内の結果発表ページをご覧ください。
■ 著者シルヴァン・ヌーヴェル氏のコメント
こんにちは! 興奮でなかなか言葉が出てきません……星雲賞にノミネートされるだけでも信じられないほど光栄なのに、受賞するなんて。
『巨神計画』を着想したのは、息子と一緒に日本のロボットアニメを観ていたときのことでした。『UFOロボ グレンダイザー』や『マジンガーZ』を観て育った私にとって、日本で自分の作品が刊行され、認めてもらえるのは夢のようです。
夢を実現してくれた東京創元社と、翻訳者の佐田千織氏に感謝を。そして何よりも、日本の《巨神計画》ファンの皆様に感謝を。巨大ロボットたちの生まれ故郷で、私の巨大ロボット小説が出版されるとは、とてつもなく素晴らしいことです。
6月邦訳刊行の『巨神覚醒』も、楽しんでもらえると幸いです。もう一度感謝を、「どうもありがとう」!
Hello everyone! I am so excited I can't barely speak. It's an incredible honor to be nominated for the Seiun Award, let alone to win one.
I was watching a Japanese mecha anime with my son when I got the idea for Sleeping Giants. I grew up watching Goldorake and Mazinger Z, so to have my work published and recognized in Japan is a dream come true.
I want to thank my publisher, Tokyo Sogensha, and my translator, Chiori Sada, for making this possible. Thank you so much. More than anything, I want to thank all the Japanese fans of the Themis Files. To have my giant robot story published in the birthplace of giant robots is absolutely amazing.
I hope you enjoy Waking Gods, which came out in June. So, I thank you all again, thank you so much. Domo arigato!
■ 訳者、佐田千織氏のコメント
このたびは思いがけず星雲賞という栄えある賞に、拙訳書『巨神計画』を選んでいただき、誠にありがとうございました。まさかこのわたしが星雲賞訳者の仲間入りをする日がこようとは、夢にも思いませんでした。たまたま翻訳者という立場で関わったために、こうしてわたしが賞を頂戴することになりましたが、原書のSleeping Giantsが『巨神計画』として世に出るまでには、いうまでもなく編集や校正、装幀をはじめ、各方面で数多くの方々が携わっておられます。原著者のシルヴァン・ヌーヴェル氏はもちろん、そうした関係者の方々に、そしてなによりもこの作品を読み、こうして支持してくださった読者の皆様に、この場をお借りして心より御礼申し上げます。本格的なエンタメSFの仕事は今回がほぼ初めてだったのですが、いまこの挨拶を代読していただいている担当編集者の石亀様から依頼を受けた際に伺った、「異星人が遺したロボットのパーツを掘り出す、『イデオン』みたいな話なんですよ」という説明に、「それは面白そうですね」と二つ返事で飛びついて、大正解でした。実はわたしは中学高校とアニメ漬けで、「イデオン」もリアルタイムで見ていたために自然とこういう反応になったわけですが、その一方で「こういうやりとりが当たり前のように成立するなんて、やっぱりふつうじゃないよね」と思ったことを、いまでもはっきりと覚えております(笑)。
さて、今回の受賞作『巨神計画』は三部作の一作目にあたり、二作目の『巨神覚醒』もおかげさまで絶賛発売中です。目下、三作目の翻訳に取り組んでいるところですので、シリーズの最後までおつきあいいただければ幸いです。あとは映画化の話が順調に進んでくれればいうことなし。もし映画化された暁には、ひょっとして役得で日本語吹き替え版のアフレコの見学をさせていただけないかなあ、などと妄想する今日この頃です。改めまして、本日はどうもありがとうございました。
担当編集者としても幅広い読者に熱いご支持をいただき、大変うれしく思っています。感想を拝読するに、連想するロボットアニメを挙げていらっしゃる方が多いのですが、おもしろいのは人によって挙がる作品名がみごとにバラバラであること。きっとみなさん、それぞれ自分が子供のころに見たアニメと重ねて楽しんでおられるのですね。本作そのものにそれだけ多面的な魅力があるということなのかな、と思います。
ちなみに担当編集者は実は『伝説巨神イデオン』を見たことがなく、思い出のロボットアニメは『鉄甲巨兵 SOME-LINE』です。
(2018年7月21日)
ミステリ・SF・ファンタジイ・ホラーの専門出版社|東京創元社