ついに4月21日に発売となった、キム・スタンリー・ロビンスン『ブルー・マーズ』(創元SF文庫)。《火星三部作》の完結編となる本書ですが、もうお読みになられましたでしょうか。なお、『レッド・マーズ』『グリーン・マーズ』の内容は渡邊利道氏の解説にまとまっておりますので、読んだけど忘れてしまった、という方もこちらをお読みいただければ大丈夫です。

 さて、既にお読みの方はお気づきのとおり、今回の巻頭地図は既刊『レッド・マーズ』『グリーン・マーズ』のものとは異なり、作中の火星に生まれた海岸線を再現した新バージョンとなっています。
神北恵太氏の制作によるこの地図は、NASAの最新観測データに作中の描写を反映して作られているのですが、実は等高線を入れたバージョンも作成していただいておりました。印刷寸法などの制約のため、書籍に収録することは叶わなかったのですが、今回はご許諾をいただいて、さらにカラーリングも施したバージョンを本誌〈Webミステリーズ!〉に特別掲載させていただきます。

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いかがでしょうか? 作中での200年におよぶテラフォーミングの結果として、これだけの海や街が誕生するわけですが、ぜひお手元において青い火星に思いを馳せつつ、『ブルー・マーズ』をお楽しみいただければと思います。

 ちなみに、同じ著者の『2312 太陽系動乱』(創元SF文庫)は独立した長編ですが、《火星三部作》のテーマを引き継いだ事実上の続編といっても過言ではない内容ですので、『ブルー・マーズ』読了後はぜひこちらもお読みいただければと思います。ちなみに、『2312』には《火星三部作》での出来事を踏まえた、ちょっとしたお遊びも仕込まれていますので(例:『2312』下巻p301の歌は『レッド・マーズ』と関係が……?)、ぜひお確かめくださいませ。