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8月某日 怒ってほしいわけじゃない。ただ、傷つけてほしい。 私がシュンちゃんを傷つけるのは、私のこともうんと傷つけてほしいからだ。嫌いになってほしい。脅かしてほしい。わたしにとってのあなたがなんなのか、教えてほしい。 私は、この気持ちをなんて呼ぶのか、知らない。 ――『好きと嫌いのあいだにシャンプーを置く』 実話を語ることは、ある意味で、もう一度それを体験することだから。 無傷の人などいない。 ――『ペーパーボーイ』 さらに、世界の定番サンドイッチをこの“提供シーン”と“パン”からポジショニングし、表1.(23頁)で挙げた「パンと食材のバランス」と組み合わせてみる(右頁表2.を参照)。 定番サンドイッチとは何か? なぜそれを知る必要があるのか? ――『サンドイッチの発想と組み立て』 | |
飲み会の前に、都庁まで運転免許の更新にやってきた。 どうして飲み会の前なのかというと、人に会うから珍しく化粧をしてるので、ククク。ついでに免許の写真もこの顔で、と思ったからである。ペーパードライバーで、最後にハンドルに触ったのは百年前とかだから(って『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』 さすがにそのコースの人は真面目な人が多いのか、開始時間より三分ぐらい早く入ったのに、最後の一人で、講師に「どうしたの?」と不思議そうに聞かれる。ど、どうしたって、どうしたんだろう……? 講習はつつがなく終わり、講師に「みなさん古い免許証も捨てないでください。見比べると、五年で白髪が増えたなぁとか、よい思い出になります。アルバムに貼ってはいかがでしょう?」とアドバイスされながら退室。 時間が余ったので、セブンイレブンの百円のコーヒーを飲みながら、読みかけの『ペーパーボーイ』 1969年フロリダ。地方新聞社の父親のもとに、マイアミの大手新聞社に勤める長男がもどってくる。地元で起こった殺人事件の記事を書くために……。地方特有のこの陰鬱な空気、不幸が日常であるような時間、そして当然の如く起こる、悲劇と喪失の予兆……。 映画が面白ケッチャム風だとすると、こっちはハイセンスに暗い。好みだけど、わたしは原作が好きかも……。 時間になったので、飲み屋に顔を出す。作家、編集者、ライター、書店員。本と食べ物の話をしつつ、とにかく食べる。 本の話もしたけど(『『好きと嫌いのあいだにシャンプーを置く』 書店員さん「俺、売り場の若い子から、桜庭さんたちと飲んでてなにを話すんですか、やはり文学の話題ですか、とキラキラした目で聞かれて、うなずいちゃったんだけどさ……」 反省しながら帰ってきた。 しかし、帰りに自分のあいふぉんのメモ帳を見ると、作家さんお勧めの映画『ペチコート作戦』 帰宅。小説を読むには酔いすぎているので、不気味なレシピ本『サンドイッチの発想と組み立て』 そうか、昔からレシピを読むのが好きなのは、きっと食を通じて他者の奇妙な性的志向ならぬ「食的志向」を追体験したいからなんだな……自分は本当に心の底から変態が好きなんだ……と思いつつ、酔いが回って、メンチカツパンの辺りで気絶するように寝た。 |
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