![]() |
二〇〇六年二月。 読書にまつわるすごいこと(たぶん)を発見する。 |
![]() |
![]() |
二月某日 「わたしはゆめをみました。 二月某日 「いっしょに、“死んじゃえ”と唱えながら読んでいました」 二月某日 「あんた、ブルーベリーのパイ、好き?」 読書に関するありふれた失態、つまり、読みかけの本を持たずに遠出をしてしまったことを、しぶしぶ、ようやく認める。買いなおすのも悔しいし、悶々としながら、そういうわけでいまこの読書日記の最後の辺りを鳥取で書いている。あぁ、悔しや。女が男の髪をいじりながらブルーベリーパイの話をした後、二人でユーカリの森に車を突っ込んで、女のギリシャ人の亭主の悪口を言っていたが、そのあとはなんの話になったんだ(事件の概要は映画で知ってるけど、原作の“情事な会話”がめっぽうおもしろいのだ)。口惜しや。口惜しや。しかしそろそろK島氏にこの日記の原稿を送らなくては。二月はやっぱり、月末がくるのがはやいなぁ。 というわけで、読書日記の鳥取編はまた来月に書きます。ここまで長いのを読んでくださって、ありがとうございました。来月もよろしかったら、このページをお訪ねいただけたら光栄です。それでは……。 (2006年3月) |
![]() |
■ 桜庭一樹(さくらば・かずき) 1999年「夜空に、満天の星」(『AD2015隔離都市 ロンリネス・ガーディアン』と改題して刊行)で第1回ファミ通えんため大賞に佳作入選。以降、ゲームなどのノベライズと並行してオリジナル小説を発表。2003年開始の〈GOSICK〉シリーズで多くの読者を獲得し、さらに04年に発表した『推定少女』『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』が高く評価される。作風は多彩で、とりわけ閉塞状況におかれた少女たちの衝動や友情を描いた作品に独自の境地を見せている。東京創元社から05年に刊行した『少女には向かない職業』は、著者が満を持して放つ初の一般向け作品として注目を集めた。著作は他に『君の歌は僕の歌』『赤×ピンク』『荒野の恋』など多数。 |
ミステリ、SF、ファンタジー、ホラーの月刊Webマガジン|Webミステリーズ!