お久しぶりです、校正課Hです。
先日、市井豊先生の『人魚と金魚鉢』文庫版のゲラを見ていたところ(もちろん単行本の刊行時にも校正は行われているのですが、文庫化の際に字詰行数などが変わることもあり、改めて校正するのです)、気になる文章がありました。
第4話「愚者は春に隠れる」で、聴き屋であり芸術学部生の柏木くんが、ひょんなことからサークルの先輩と手錠でつながれ(柏木くんの右手と先輩の左手にそれぞれ手錠がかかっています)、外すことのできない状況に陥ってしまった場面。
そして、ある理由により、柏木くんが先輩を肩車することになるのですが……、
この動き方だと、よほど身体が軟らかい人でなければ、しゃがむところまで行けないような……?
先述のように、単行本刊行時に確認は取れているということでしたが、自分でも確認したくなり、実地で試してみることにしました。
まずは必要なアイテムを探しましょう。
困ったときはなんでも売ってるドン・キホーテ! と思い、店内を捜索してみたところ……ありましたー!
じゃん!
プラスチック製のおもちゃですが再現確認には十分です。ちなみに300円くらいでした。 この手錠で……、
編集部Z嬢に先輩役をお願いし、僭越ながら私Hが柏木くん役を務めさせていただきました。わかりやすくするため&ちょっと恥ずかしいので顔を隠しております。
まずは、横に並んでいる状態から、向き合う形になって……、
右側から後ろに回り込み……、
背後から抱くような恰好になって、しゃがみます。
あ!
できた!
できましたー!!
どうやら私は回り込む際の腕の動きをうまくイメージできていなかったようです。
なるほど……!
というわけで、「手錠したまま肩車ができること」、確認できました!
なぜ柏木くんと先輩が手錠でつながれてしまったのか、なぜその状態で肩車をする必要に迫られたのか、そもそもどうしてその場に手錠があったのかについては、2018年2月21日発売予定の『人魚と金魚鉢』文庫版でぜひご確認ください。
2月が待ちきれないわ! という方は、シリーズ既刊の『聴き屋の芸術学部祭』をお先にどうぞー。私のおすすめは、柏木くんの後輩で強烈な存在感を放つ梅ちゃん初登場の「泥棒たちの挽歌」です。
ところで、今回の校正課だよりは〈Webミステリーズ!〉の2017年最後の更新です。 今年一年、〈Webミステリーズ!〉をご覧くださった皆さま、ありがとうございました! 少しでも記事を楽しんでいただけて、本選びの一助になれていましたら幸いです。
それでは、よいお年を!
ミステリ・SFのウェブマガジン|Webミステリーズ! 東京創元社
先日、市井豊先生の『人魚と金魚鉢』文庫版のゲラを見ていたところ(もちろん単行本の刊行時にも校正は行われているのですが、文庫化の際に字詰行数などが変わることもあり、改めて校正するのです)、気になる文章がありました。
第4話「愚者は春に隠れる」で、聴き屋であり芸術学部生の柏木くんが、ひょんなことからサークルの先輩と手錠でつながれ(柏木くんの右手と先輩の左手にそれぞれ手錠がかかっています)、外すことのできない状況に陥ってしまった場面。
そして、ある理由により、柏木くんが先輩を肩車することになるのですが……、
しかし手錠をかけられているのが右手と左手なので、 肩車するにも工夫が必要だった。 まずは横に並んでいる状態から、 互いに向き合う形になる。 そこからさらにぼくが先輩の右側からうしろに回り込み、 彼女を背後から抱くような恰好になる。 その位置でしゃがんだぼくの肩に、 先輩がワンピースの裾を気にしながらまたがった。
この動き方だと、よほど身体が軟らかい人でなければ、しゃがむところまで行けないような……?
先述のように、単行本刊行時に確認は取れているということでしたが、自分でも確認したくなり、実地で試してみることにしました。
まずは必要なアイテムを探しましょう。
困ったときはなんでも売ってるドン・キホーテ! と思い、店内を捜索してみたところ……ありましたー!
じゃん!
プラスチック製のおもちゃですが再現確認には十分です。ちなみに300円くらいでした。 この手錠で……、
編集部Z嬢に先輩役をお願いし、僭越ながら私Hが柏木くん役を務めさせていただきました。わかりやすくするため&ちょっと恥ずかしいので顔を隠しております。
まずは、横に並んでいる状態から、向き合う形になって……、
右側から後ろに回り込み……、
背後から抱くような恰好になって、しゃがみます。
あ!
できた!
できましたー!!
どうやら私は回り込む際の腕の動きをうまくイメージできていなかったようです。
なるほど……!
というわけで、「手錠したまま肩車ができること」、確認できました!
なぜ柏木くんと先輩が手錠でつながれてしまったのか、なぜその状態で肩車をする必要に迫られたのか、そもそもどうしてその場に手錠があったのかについては、2018年2月21日発売予定の『人魚と金魚鉢』文庫版でぜひご確認ください。
2月が待ちきれないわ! という方は、シリーズ既刊の『聴き屋の芸術学部祭』をお先にどうぞー。私のおすすめは、柏木くんの後輩で強烈な存在感を放つ梅ちゃん初登場の「泥棒たちの挽歌」です。
ところで、今回の校正課だよりは〈Webミステリーズ!〉の2017年最後の更新です。 今年一年、〈Webミステリーズ!〉をご覧くださった皆さま、ありがとうございました! 少しでも記事を楽しんでいただけて、本選びの一助になれていましたら幸いです。
それでは、よいお年を!
(2017年12月28日)
ミステリ・SFのウェブマガジン|Webミステリーズ! 東京創元社