2024年は東京創元社創立70周年という節目の年。また、昨年の創元SF60周年では、創元SF史上初の公式ガイドブック『創元SF文庫総解説』を12月に刊行いたしました。
これに伴い、〈Web東京創元社マガジン〉で2024年1月11日~2月12日に募集した「創元SFオールタイム・ベスト」投票の結果を、下記に掲載いたします。アンケートへのご協力、誠にありがとうございます。投票総数は200人480票でした。()内は得票数です。書き添えていただいたコメントも抜粋して紹介いたします。なお、同一シリーズ作品の票は合算いたしました。
§
1位 ジェイムズ・P・ホーガン《星を継ぐもの》シリーズ(59)
●読者コメント
「SFとミステリがここまで魅力的に融合した作品は他にはないと思う。個人的には創元SFだけでなく全てのSF小説の中でのベストワン。」
「初めて読んだ時の、衝撃は今まで経験したことがないものでした。読了後、思わず夜の月を見上げてしまいました。」
「読後、"読んでしまった、こんな面白いものを何も知らない状態でもう読めないなんて"と、読めた幸せ読んでしまった不幸せをかみしめる。これから読む人、羨ましい。」
「SFとミステリがここまで魅力的に融合した作品は他にはないと思う。個人的には創元SFだけでなく全てのSF小説の中でのベストワン。」
「初めて読んだ時の、衝撃は今まで経験したことがないものでした。読了後、思わず夜の月を見上げてしまいました。」
「読後、"読んでしまった、こんな面白いものを何も知らない状態でもう読めないなんて"と、読めた幸せ読んでしまった不幸せをかみしめる。これから読む人、羨ましい。」
2位 E・R・バローズ《火星シリーズ》(21)
●読者コメント
「バロウズの話の面白さ。武部本一郎画伯の挿絵。全てが本の魅力を教えてくれた。それ以来『活字中毒』」
「中学生の夏休みに夢中で読みました。スペース・オペラの元祖!」「子供の頃、祖母の本棚に並んでいた まだ、内容はわからないのだが とても不思議な表紙の絵とページを開くと やはり印象的なイラストが。私にとって一生に残る そしてその後の読書の傾向を決めた作品でした。」
3位 アン・マキャフリー《歌う船》シリーズ(13)
●読者コメント
「個人的には、A.マキャフリー氏の作品の中で最初に手に取った作品なのですが一番印象に残っている作品でもあります。世に主人公としてのサイボーグは数々おりますが、「歌う船」のようなタイプの主人公は彼女が最初だったのではないでしょうか。」
「境遇に負けず、「普通」に生きていく少女の姿に、力を貰える。」
「もう何度読んだか分かりません。ハンディを負いシェルパーソンとなったヘルヴァが出会う様々なパートナーと冒険、そして恋。生き生きとした描写がいつまでも色あせない最高のSF作品だと思います。」
「個人的には、A.マキャフリー氏の作品の中で最初に手に取った作品なのですが一番印象に残っている作品でもあります。世に主人公としてのサイボーグは数々おりますが、「歌う船」のようなタイプの主人公は彼女が最初だったのではないでしょうか。」
「境遇に負けず、「普通」に生きていく少女の姿に、力を貰える。」
「もう何度読んだか分かりません。ハンディを負いシェルパーソンとなったヘルヴァが出会う様々なパートナーと冒険、そして恋。生き生きとした描写がいつまでも色あせない最高のSF作品だと思います。」
4位 アイザック・アシモフ《銀河帝国の興亡》三部作(12)
●読者コメント
「子供の頃は本なんて一度読めばおしまい、同じ本を何度も読み直すなんてありえないと思っていた。後年気が付くと、このシリーズを何度も読み返していた。『愛読書』の意味がわかった。」
「これも夢中で読みました。壮大な歴史に圧倒され、何度も読み返した記憶があります。」
「銀河帝国ものの原典であり、アシモフが創作した心理歴史学に驚いた。」
4位 マーサ・ウェルズ《マーダーボット・ダイアリー》シリーズ(12)
「基本、いつも不愉快な、見た目ほぼ人間な“弊機”の八面六臂の大活躍が、ただただ楽しい。クスクスしながら読んでしまう。ハッキングを駆使した戦い方がスタイリッシュだから、日本でアニメ化したらいいのにと思ってしまう。」
「弊機のこと好きにならない人、います…? 正直言ってSFはそこまでのめり込む方じゃなかったんですが、この本に出会ってからどんどんSFを読むようになりました。この宇宙のどこかに弊機がいると考えるだけで頑張れますね。」
「小説を何度も読み返すことはあまりないのですが、このシリーズだけは何回読んでも面白くて、ついつい読み返してしまいます。」
4位 田中芳樹《銀河英雄伝説》全15巻(12)
●読者コメント
「弊機のこと好きにならない人、います…? 正直言ってSFはそこまでのめり込む方じゃなかったんですが、この本に出会ってからどんどんSFを読むようになりました。この宇宙のどこかに弊機がいると考えるだけで頑張れますね。」
「小説を何度も読み返すことはあまりないのですが、このシリーズだけは何回読んでも面白くて、ついつい読み返してしまいます。」
4位 田中芳樹《銀河英雄伝説》全15巻(12)
●読者コメント
「とにかく面白すぎる!壮大なスケール、魅力的な登場人物、読者を惹きつけてやまないストーリー。漫画やアニメもいいけど、ぜひ一度は原作小説を読んでいただきたい!」
「コロナ禍でステイホームを余儀なくされ、ちょっと小説でも読もうかと思って手にとったら、あっというまに遠い未来の宇宙戦争と魅力的な英雄たちに心をもっていかれました。すばらしい作品と出会えてほんとうにしあわせです。」
「SFは何となく難しいイメージで読んでなくて、大人になってからこの本を読みました。本当に面白くて夢中で読み、SFって楽しいなと思うきっかけになりました。」
「コロナ禍でステイホームを余儀なくされ、ちょっと小説でも読もうかと思って手にとったら、あっというまに遠い未来の宇宙戦争と魅力的な英雄たちに心をもっていかれました。すばらしい作品と出会えてほんとうにしあわせです。」
「SFは何となく難しいイメージで読んでなくて、大人になってからこの本を読みました。本当に面白くて夢中で読み、SFって楽しいなと思うきっかけになりました。」
7位 E・E・スミス《レンズマン》シリーズ(10)
●読者コメント
「一行目から突っ走る速度と一瞬たりとも飽きさせない密度。そしてキャラクターの存在感。」
「レンズマンはスペースオペラのなかでもっともスーパーヒーローしていると思う」
「壮大な宇宙を壮大に駆け回る。ついていけない部分もありますが、自分のものの見方が広がりました。」
「スペースオペラ万歳!」
「壮大な宇宙を壮大に駆け回る。ついていけない部分もありますが、自分のものの見方が広がりました。」
「スペースオペラ万歳!」
8位 アルフレッド・ベスター『分解された男』(8)
●読者コメント「一行目から突っ走る速度と一瞬たりとも飽きさせない密度。そしてキャラクターの存在感。」
「バカバカしくてカッコいい。」
「初心者だった自分にとっての『これがSFだ!』」
「初心者だった自分にとっての『これがSFだ!』」
9位 ロイス・マクマスター・ビジョルド《ヴォルコシガン》シリーズ(7)
●読者コメント
「ヴォルコシガン・サガの第一作。主人公マイルズの機転と活躍にワクワクしながら読んだ。シリーズが完結してしまったので、改めて読み返したい。」
「ヴォルコシガン・サーガ開幕の一本。肉体的なハンディキャップを知恵と決断で補うマイルズの魅力もさることながらこの最初の1作でしか冒険を共にできない仲間の存在が、ひとに失われた青春時代を懐古させるような働きを持つのかも知れません。」
10位 A・E・ヴァン・ヴォークト『宇宙船ビーグル号の冒険』(6)
●読者コメント「SFを読むようになった中高生のころ、ヴァン・ヴォークトの作品をあれこれ手を出していました。その中ではいちばん印象に残っています。登場する宇宙怪獣の恐ろしさ、それに対処する<総合科学>の聡明さ。」
「あたしはこれでSFにハマりました。冒頭の一文!」
「あたしはこれでSFにハマりました。冒頭の一文!」
10位 ロバート・A・ハインライン『異星の客』(6)
●読者コメント
「SFが新しい思想を語り社会に大きな影響を与えた時代を代表する作品であり、その余波はイーロン・マスクらを通じて現在にまで至る。ビートニクかぶれにも見えるし流行に敏感なハインラインらしくもあるがその根底にあるリバタリアン精神は変わらない。」
「ハインラインのベスト作」
「SFが新しい思想を語り社会に大きな影響を与えた時代を代表する作品であり、その余波はイーロン・マスクらを通じて現在にまで至る。ビートニクかぶれにも見えるし流行に敏感なハインラインらしくもあるがその根底にあるリバタリアン精神は変わらない。」
「ハインラインのベスト作」
10位 レイ・ブラッドベリ『ウは宇宙船のウ』(6)
●読者コメント
「萩尾望都のコミックで読んでから、小説を読みました。ブラッドベリならではの世界観、詩的な表現に夢中になりました。」
「タイトルから好きです。詩情に満ちて、口に出してみたくなります。幼年期の喜びともの悲しさ。そして夢。」
「イーガンを最初に読んだ時の、SFでしか味わえないワクワクした感じが忘れられません。」
「破滅テーマかと思いきやとんでもないところへ連れていかれてしまう」
●読者コメント
「物理学を学んだ自分にとって、統一場理論に真っ向から挑戦し、エンターテイメント性も忘れずに突っ走り尽くした本書は衝撃的でした。ハードSFの真髄を見た気がしています。」
13位 アーサー・C・クラーク『地球幼年期の終わり』(5)
13位 レイ・ブラッドベリ『何かが道をやってくる』(5)
●読者コメント
「最初に読んだのが創元版で“地球“がついた邦題が好み。70年代産まれの自分には『三島由紀夫が高く評価していた』というのも堂々とした古典ぶりに感じられる。」
13位 レイ・ブラッドベリ『何かが道をやってくる』(5)
●読者コメント
「10代の頃から何回も読んでいます。タイトルからしてワクワクします。大好き」
「びしょびしょの11月を魅力的な季節に変えた切ない傑作。」
13位 宮内悠介『盤上の夜』(5)
●読者コメント
「SFというジャンルが『宇宙』を描くのなら、盤上遊戯に臨むプレイヤーの精神や、求道者たちの精神に満ちる『内的宇宙』もまたSFであるのだ、と気付かされた一冊。もちろん、純粋なゲームプレイとしてのスリリングな楽しみも好きですが、それに向かわざるを得ない人間の歩みの情念が溜まらなく好きです。」
「盤上から広がる圧倒的な描写に感嘆しました。」