職業・作家。特徴・おしゃべり。
彼は『毒入りチョコレート事件』で知られる巨匠アントニイ・バークリーが生み出した“名”探偵であり、才気ほとばしる推理力からときに“迷”探偵とも称される、英国ミステリ界の人気キャラクターです。彼が探偵役を務めるのが〈ロジャー・シェリンガム〉シリーズ。ちりばめられた手がかりに基づく謎解きの面白さと、「古典ミステリ」とひとくくりにするにはあまりに独創的な発想とが掛け合わされた、ミステリ史に輝く作品群です。
たとえばシリーズ第1作『レイトン・コートの謎』では、田舎屋敷の書斎の密室で、額を撃ち抜かれた主人の死体が発見されます。自殺か、他殺か? このストレートな謎を発端とする事件に挑むことで、読者は「これぞミステリ!」という謎解きの楽しさを存分に味わえます。ひと筋縄でいかないのは、結末で示されるシェリンガムの探偵としての姿勢。思わずにやりとさせられる最後のセリフは、以降のシリーズ作品においてときにミステリの常識を揺るがすシェリンガムの行動の、布石ともいえるものです。きわめて純度の高い謎解きの魅力と、予想外の角度から切りかかる発想。その融合が〈ロジャー・シェリンガム〉シリーズを格別のミステリ群に仕上げています。
来たる2月29日に創元推理文庫から新訳刊行される『最上階の殺人』はシリーズ屈指の傑作と評され、同時にシリーズ内での「偏愛」度がとびきり高い作品です。本書の刊行告知に際しては、SNSなどで「じつはバークリーでこの作品がいちばん好き」という声もたくさんみられ、解説と帯文はそんな偏愛者のおひとり、阿津川辰海先生にお寄せいただきました。
物盗りの犯行を疑う警察と、住人による計画殺人を疑う名探偵の、火花散る推理合戦――その謎解きの面白さはやはり至上のものですが、本書の結末では、それこそ最上階から階段を踏み外すような衝撃を味わえます。「ミステリを読んでこんな気持ちになったのは初めてだ」とさえ思う名状しがたい感覚が待ち受ける本書、どうぞ刊行を楽しみにお待ちください。
さて、このたびは『最上階の殺人』の刊行にあわせて、シリーズ第1作『レイトン・コートの謎』を3名様にプレゼントいたします!
田舎屋敷レイトン・コートの書斎で、額を撃ち抜かれた主人の死体が発見された。現場は密室状態で遺書も残されており、警察の見解が自殺に傾くなか、死体の奇妙な点に注目した作家ロジャー・シェリンガムは殺人説を主張する。友人アレックを助手として、自信満々で調査に取りかかったが……。想像力溢れる推理とフェアプレイの実践。英国探偵小説黄金期の巨匠の記念すべき第一作。序文=アントニイ・バークリー/解説=羽柴壮一/巻末エッセイ=法月綸太郎
謎解きミステリがお好きな方、アントニイ・バークリーという作家の名前を知りつつも、どこから読み始めればよいかと困っていた方、ぜひお気軽にご応募いただければ幸いです。
【アントニイ・バークリー『最上階の殺人』(創元推理文庫)2月29日発売記念!】
— 東京創元社 (@tokyosogensha) February 2, 2024
シリーズ第1作『レイトン・コートの謎』を3名様にプレゼント!
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〆切:2月12日(月)23:59/詳細はこちらhttps://t.co/q6RdA1LpuC pic.twitter.com/1vdcut52pN