「著名な時代小説で描かれた、知られざる本格ミステリの傑作短編を紹介したい」というコンセプトから始まった、「時代小説のヒーロー×本格ミステリ」のシリーズ。
書評家の末國善己さんを編者としてお送りする本シリーズは、今まで柴田錬三郎『花嫁首 眠狂四郎ミステリ傑作選』、笹沢左保『流れ舟は帰らず 木枯し紋次郎ミステリ傑作選』、泡坂妻夫『夜光亭の一夜 宝引の辰捕者帳ミステリ傑作選』、岡本綺堂『半鐘の怪 半七捕物帳ミステリ傑作選』など、7作品をお届けしてきました。最新刊では、ミステリ界の巨匠・横溝正史が生んだ、金田一耕助に匹敵する名探偵・人形佐七に満を持して登場いただきました!
神田・お玉が池に住む岡っ引きの佐七親分。京人形のような色男ぶりから「人形左七」と呼ばれる彼は、明晰な頭脳で多くの事件を解決する名探偵でもあった!
羽子板のモデルになった娘が次々に殺される、佐七初登場作「羽子板娘」。
隠居した元大身の旗本が主催する、月見の宴で招待客が殺され、四つの証拠品がそれぞれ別の客が犯人だと示唆する「名月一夜狂言」。
恋女房のお粂、子分の辰五郎と豆六と共に活躍する、佐七の名推理を描いた17編を収録。ミステリ界の巨匠による人気捕物帳シリーズから、選りすぐりの本格ミステリを収録した決定版!
本書は捕物帳であるものの、見立て殺人、毒殺のハウダニット、雪の密室といったミステリファンにはたまらない要素が多く描かれています。末國さんが解説で、各短編について詳細に分析していますが、現代でしか成立しないトリックを江戸時代でも成立するようアレンジされていたり、海外ミステリのオマージュがあったりと、今読んでも楽しめる、本格ミステリとしての魅力がふんだんに描かれています。
中には、『獄門島』『悪魔の手毬唄』といった、〈金田一耕助〉シリーズに繋がる短編も収録されています。そのため、横溝ミステリの軌跡を辿る意味でも、とても読み応えのある一冊となっています。
〈人形佐七捕物帳〉シリーズの入門編としても最適な本書は、森美夏さんによる美麗なカバーイラストが目印です。どうぞお楽しみ下さい!










