
今年2023年も、年末ミステリランキング四つ(「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「本格ミステリ・ベスト10」「ミステリが読みたい!」)の結果がすべて出そろいました。
東京創元社の刊行物は、おかげさまで今年も四つのランキングすべてに多数の作品がランクインいたしました。
それら太鼓判が押された自信作のタイトルを一挙にご紹介いたします。
まだ読んでいない作品、気になった作品があれば、ぜひお手に取ってみてください。
※海外、国内ともいずれかのランキングで20位以内に入賞した作品を取り上げています。
■海外ミステリ
『卒業生には向かない真実』ホリー・ジャクソン/服部京子訳(創元推理文庫)
第1位 週刊文春2023ミステリーベスト10
第4位 ミステリが読みたい!2024年版
第5位 2024 本格ミステリ・ベスト10第6位 このミステリーがすごい!2024年版
大学入学直前のピップに、ストーカーの仕業と思われる出来事が起きていた。無言電話に匿名のメール。敷地内に置かれた、首を切られたハト……。それらの行為が、6年前の連続殺人の被害者に起きたことと似ていると気づいたピップは、調査に乗りだす。――この真実を、誰が予想できただろう? 『自由研究には向かない殺人』から始まる、ミステリ史上最も衝撃的な三部作完結編!解説=吉野仁
第2位 このミステリーがすごい!2024年版
第2位 週刊文春2023ミステリーベスト10
第2位 ミステリが読みたい!2024年版
第3位 2024 本格ミステリ・ベスト10「われわれの契約は、これで終わりだ」彼が主人公のミステリを書くことに耐えかねて、わたし、作家のホロヴィッツは探偵ホーソーンにこう告げた。翌週、わたしの戯曲を酷評した劇評家の死体が発見される。凶器はなんとわたしの短剣。かくして逮捕されたわたしにはわかっていた。自分を救ってくれるのは、あの男だけだと。〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズの新たな傑作!解説=三橋曉
『8つの完璧な殺人』ピーター・スワンソン/務台夏子訳(創元推理文庫)
第6位 週刊文春2023ミステリーベスト10
第8位 このミステリーがすごい!2024年版
第8位 このミステリーがすごい!2024年版
第8位 ミステリが読みたい!2024年版
『だからダスティンは死んだ』ピーター・スワンソン/務台夏子訳(創元推理文庫)
第9位 2024 本格ミステリ・ベスト10
ミステリー専門書店の店主マルコムのもとに、FBI捜査官が訪れる。マルコムは以前、“完璧な殺人”が登場する犯罪小説8作を選んで、ブログにリストを掲載していた。ミルン『赤い館の秘密』、クリスティ『ABC殺人事件』、ハイスミス『見知らぬ乗客』……。捜査官は、それら8つの作品の手口に似た殺人事件が続いているというが……。ミステリーを心から愛する著者が贈る傑作!解説=千街晶之
第13位 週刊文春2023ミステリーベスト10
第15位 ミステリが読みたい!2024年版
第19位 このミステリーがすごい!2024年版
ボストン郊外に越してきたヘンと夫のロイドは、隣の夫婦マシューとマイラの家に招待された。マシューの書斎に入ったとき、ヘンは二年半前に起きた殺人事件で、犯人が被害者宅から持ち去ったとされる置き物を目にする。マシューは殺人犯にちがいない。そう思ったヘンは彼について調べ、跡をつけるが。複数視点で進む物語は読者を幻惑し、衝撃の結末へなだれ込む。超絶サスペンス! 解説=村上貴史
『死の10パーセント フレドリック・ブラウン短編傑作選』
フレドリック・ブラウン/小森収編/越前敏弥、高山真由美他訳(創元推理文庫)
第20位 週刊文春2023ミステリーベスト10
“これから起こる殺人”を通報した男による不可能犯罪の真相「死の警告」。『シカゴ・ブルース』の探偵エドとアムおじの活躍譚「女が男を殺すとき」「消えた役者」。ある男に10パーセントの取り分でマネジメントを任せた俳優志望の青年の運命を描く表題作。謎解きミステリや〈奇妙な味〉等、本邦初訳3作を含む13編。『短編ミステリの二百年』編者の手による名作短編のフルコース! 編者解説=小森収
■国内ミステリ
『11文字の檻 青崎有吾短編集成』青崎有吾(創元推理文庫)
第9位 ミステリが読みたい!2024年版第12位 このミステリーがすごい!2024年版
第19位 週刊文春2023ミステリーベスト10第20位 2024 本格ミステリ・ベスト10
『体育館の殺人』をはじめとした論理的な謎解き長編に加え、短編の書き手としても人気を集めてきた青崎有吾。JR福知山線脱線事故を題材にした「加速してゆく」、全面ガラス張りの屋敷で起きた不可能殺人を描く本格推理「噤ヶ森(つぐみがもり)の硝子(ガラス)屋敷」、最強の姉妹を追うロードノベル「恋澤姉妹」、掌編、書き下ろしなど全8編。著者による各話解説も収録した、デビュー10周年記念作品集。著者あとがき=青崎有吾
『帆船軍艦の殺人』岡本好貴(東京創元社/単行本)
第33回鮎川哲也賞受賞作
第13位 2024 本格ミステリ・ベスト10
第17位 週刊文春2023ミステリーベスト10一七九五年、フランスとの長きにわたる戦いによって、イギリス海軍は慢性的な兵士不足に陥っていた。戦列艦ハルバート号は一般市民の強制徴募によって水兵を補充し、任務地である北海へ向けて出航する。ある新月の晩、衆人環視下で水兵が何者かに殺害されるが、犯人を目撃した者は皆無だった。逃げ場のない船の上で、誰が、なぜ、そしてどうやって殺したのか? フランス海軍との苛烈な戦闘を挟んで、さらに殺人は続く。水兵出身の海尉ヴァーノンは姿なき殺人者の正体に迫るべく調査を進めるが――海上の軍艦という巨大な密室で起きる不可能犯罪を真っ向から描いた、第三十三回鮎川哲也賞受賞作。
『金環日蝕』阿部暁子(東京創元社/単行本)
第18位 このミステリーがすごい!2024年版
知人の老女がひったくりに遭う瞬間を目にした大学生の春風は、その場に居合わせた高校生の錬とともに咄嗟に犯人を追ったが、間一髪で取り逃がす。犯人の落とし物に心当たりがあった春風は、ひとりで犯人探しをしようとするが、錬に押し切られて二日間だけの探偵コンビを組むことに。かくして大学で犯人の正体を突き止め、ここですべては終わるはずだった――。《本の雑誌》が選ぶ2020年度文庫ベスト10第1位『パラ・スター』の著者が、〈犯罪と私たち〉を真摯かつ巧緻に描いた壮大な力作。