ジュリー・ワスマーのミステリ小説〈シェフ探偵パールの事件簿〉シリーズ(創元推理文庫)を原作とするドラマ『港町のシェフ探偵パール』シーズン2(全6話)が2024年3月9日(土)20:00より、CS放送ミステリーチャンネルにて日本初放送されます。なんとシーズン2の全6話を一挙に放送するとのこと。

それに先駆けて、2月24日(土)からはシーズン1(全6話)の再放送がスタートします。まだご覧になっていない方は、是非この機会にチャンネル加入して、原作小説と合わせてお楽しみください!

※放送時間等についての詳細はミステリーチャンネルの公式ページでご確認ください



〈シェフ探偵パールの事件簿〉シリーズ
ジュリー・ワスマー/圷香織訳(創元推理文庫)既刊紹介】


 年に一度の大切なイベント、クリスマスを前にしてパールは大忙しだった。クリスマスの飾りつけはまだだし、家族へのプレゼントも買っていない。そんなとき、友人のネイサンから新聞の文字を切り取って貼った、彼を中傷する内容のクリスマスカードを受けとったと相談される。話を聞くと、どうやら同様のカードが他にも三人に届いているらしい。
 地元客にも人気のレストランのシェフであるパールは、クリスマス前に探偵業はなし、と決心しいていたにもかかわらず、気になって調べ始める。だが、そうこうするうちに教会のイベントで殺人がおきてしまう。被害者も中傷カードを受けとっていたのだ。クリスマスプディングにミンスパイ、ホットワインと、英国の伝統的なクリスマス情緒たっぷりの港町ウィスタブルを舞台にシェフ兼探偵のパールが活躍するシリーズ第二弾。


 犯罪の手がかりって、料理の材料に似ているとは思わない? どちらも正しい方法でまとめ上げれば、満足する結果が得られるんだから。
 違った素材からは、それぞれ違う味がするでしょ? 人だってそう。ある人は甘く、ある人は酸味がある……そしてある人は、とことん酸っぱかったりするのよ。そのほかにも何か、なんとも言い表しがたい風味を持っている人たちがいる。ちょっとウマミを思わせるようなね。

 年に一度のオイスター・フェスティバルを目前にした海辺のリゾート地ウィスタブル。そこでシーフードレストランを経営するシェフのパールは、かつて警察官になるという夢を抱いていたが、事情があって断念したという過去があった。
 いまやレストランは軌道にのり、再び夢を追いたくなったパールは、副業で探偵をはじめた。
そんな新米探偵パールのもとに、依頼人がやってきた。ある探偵に貸した金が返ってこないので、彼の経済状態を探ってほしいというのだ。
 だが、実はその漁師はパールの友人だった。依頼は断ったものの、気になって彼の釣り船に行ってみると、変わり果てた友人の姿を見つけてしまい……。
 海外ドラマ〈港町のシェフ探偵パール〉シリーズ原作。
 
 著者は実際に海辺の町ウィスタブル在住。作品の隅々まで著者の地元への愛が、そして読んでいるだけでもお腹が鳴りそうな美味しい料理への愛が詰まったミステリです。

(2023年11月20日/2024年1月25日)