長らく続いていた猛暑もやっと一段落着き、爽やかな秋晴れが続く今日この頃。正に読書の秋日和! そんな秋の日にぜひオススメしたい、現在好評発売中&今号で2周年を迎えました、『紙魚の手帖 vol.13 OCTOBER 2023』を紹介いたします。
今号は、毎年恒例の鮎川哲也賞選評と、ミステリーズ!新人賞から名称変更しました、創元ミステリ短編賞の選評&受賞作を掲載しています。
3年ぶりの受賞作となった第33回鮎川哲也賞受賞作、岡本好貴さん『帆船軍艦の殺人』は18世紀末、海上の軍艦で起こる殺人を描いた長編。「海上の軍艦」という巨大な密室で起こる不可能犯罪は、読み応え抜群の本格ミステリとなっております。選考委員の先生方からの選評を、作品とあわせてぜひご覧ください。
ちなみに、鮎川哲也賞優秀賞作、小松立人さん『そして誰もいなくなるのか』も、選考委員のアドバイスをもとに改稿、刊行に向けて準備中です。こちらも楽しみにしていただけますと幸いです。
また、第1回創元ミステリ短編賞受賞作は2作同時受賞となりました。小倉千明さん「噓つきたちへ」は20年以上ぶりの再会で判明する過去の事件の真相を描き、水見はがねさん「朝からブルマンの男」は喫茶店の奇妙な客をめぐる本格ミステリです。それぞれ、鮮やかな謎解きをご堪能ください。
加えて、新連載もスタート。本誌初登場の新野剛志さんが贈るのは、終戦まもない東京を活写する連作、『粒と棘』。戦後の混乱期を生き抜く人々の人間ドラマを、どうぞお楽しみください。
そして、読切では今村昌弘さんによる〈明智恭介〉シリーズ最新短編も登場します! 明智さんに電話で呼び出された葉村君が目撃したのは、なんと……? 明智さんの新たな魅力も楽しめる、「泥酔肌着切り裂き事件」をお見逃し無く!
3周年に向けて、今後とも本誌をどうぞよろしくお願いいたします!