ウンヶ月も更新をサボってしまいました。SF班(弟)です。
気がつけば昨年9月の入社から、まるまる一年が経ちました……!
今回は総集編として、これまでの12ヶ月を振り返っていきたいと思います。
***
【9月】 入社日の翌日からさっそく、埼玉県桶川市の出版流通センターでの研修がはじまりました。

社名の入ったフォークリフトと1F倉庫

帯交換を終えた『少女には向かない職業』100冊
この研修では二週間足らずの間に、出荷、改装、返本作業と、センターで行われるひととおりの業務を経験します。流通品目全点を扱う出荷作業では、売れ筋書目がダイレクトに感じられて勉強になりました(本を傷つけずにたくさん詰める梱包技術は、引っ越しの際にも役に立つかも……?)。
【10月】 センターでの研修を終えて、飯田橋の本社での日々がスタートしました。
錚々たる審査員の皆さまの姿もさることながら、中学生の頃からストイックに投稿を続け、大学在学中にミステリーズ!新人賞の受賞を果たされた真門浩平さんのスピーチが印象的でした。
【11月】 11月は神保町ブックフェスティバルの月。東京創元社ブースでは一般流通の難しい汚損本の廉価販売と、くらり関係のアイテムをはじめとしたグッズの販売が行われました。
寒空の下、待機列の最後尾で看板を抱えていると、ふらりと現れた池澤春菜さんが呼び込みをする一幕もあり、さすがの声の通りに感服したのを覚えています。

日が暮れても盛況な本の屋台。
夏のエピソードを中心に描かれるお話なのですが、「作中に登場するセミのなきがらをサムネイルにしては!」「虫のなきがらはちょっと……」というやりとりの末に、印象的なシーンのひとつである雪原と足跡の画像が採用されました。
すべての15歳に「自身の出生をキャンセルする権利」が与えられた社会で、壮年期にさしかかった主人公が過ぎ去りし夏の日の謎を追う傑作です。ぜひ読んでみてくださいね。
【1月】 1月といえばもちろん……創元SF短編賞の締め切りがある月です。それまでぽつぽつと送られてきていた応募作が、怒涛の勢いでフォームになだれ込んでくるのがこの時期なのです。
お正月気分の余韻が漂っていたSF班も、審査のためにシャッキリ動きはじめます。現在募集中の第15回創元SF短編賞の締め切りは、来年(2024年)の1月9日。今回も力作をお待ちしております。
【2月】 3月発売の高山羽根子さんの『暗闇にレンズ』(創元文芸文庫)が責了を迎えた月でした。
はじめての本文作業を終えて一安心……と思いきや、解説やカバーまわりで思わぬ延長戦が。関係者の皆様には大変お世話になりました。
【3月】 『暗闇にレンズ』(創元文芸文庫)の刊行月。映像が兵器としても用いられる世界で、何世代にもわたってレンズを覗きつづけてきた女性たちの一族の数奇な運命を辿った長編の文庫化です。
さまざまな形で描き出される、メディアの恐るべき本性に震えつつも、一族の女性たちの間にある、不思議な風通しの良さに惹かれもする。独特の重層的な魅力を持った小説です。芥川賞受賞第一作として発表され、日本SF大賞の候補ともなった本作、ぜひご一読ください。
【4月】 はるこん、SFカーニバル、SFセミナー(5月上旬)と、SF関連のイベントが続くのがこの時期。社内でも久しぶりのリアル開催となった新刊ラインナップ説明会があったりと、非常に盛りだくさんの1ヶ月でした。
特に思い出深かったことといえば、はるこんで動くクリストファー・プリーストさんを拝めたことでしょうか……。感激の一言です。
【5月】 第14回創元SF短編賞を受賞された阿部登龍さんと、受賞作「竜と沈黙する銀河」の『紙魚の手帖』掲載に向けた改稿作業がはじまります。おかげさまでこれからしばらくの間、私の頭の中までもが竜でいっぱいになってしまったのでした。
ある日給湯室でコーヒーを淹れていると、製作課のSさんから突発インタビューが。「実際に入社してみてどう?」「おおらかな社風だなと思います。こうやって急にインタビューがはじまるところとか……」と、困惑しつつも回答します。

力作です。
【7月】 『紙魚の手帖 vol.12』(夏のSF特集号)の編集作業が佳境を迎えました。
【8月】 個人的には米魂以来、8年ぶり2回目の参加になった日本SF大会があり、『紙魚の手帖 vol.12』がめでたく発売を迎え、まさにSFの夏という趣の8月でした。
SF大会でこっそり参加したクイズ企画では、圧倒的に我々挑戦者に有利なルールのもと、ライターの鈴木力さんとのタッグで大森望さんを倒してしまい、この業界での立ち回りに一抹の不安を覚えつつも商品のおまんじゅうを持ち帰りました。
【9月】 ギョルゲ・ササルマン/住谷春也訳『方形の円』(創元SF文庫)の刊行月。万事順調に進行していたはずが、水面下では権利まわりで、あわや刊行延期かというところまで追い込まれる事態が進行していたのでした。
ハラハラさせられた案件でしたが、すんでのところでOKが出て一命をとりとめ、無事予定通りに刊行ができて本当に良かったです。「編集はスリル・ショック・サスペンスだからね」という、ボスの一言が身にしみたことでした。
***
改めて振り返ってみると、思いの外いろいろあったような、やっぱりあっという間だったような。ともあれこうしてSF班(弟)は、ニ年目に突入しております。
そして……最終回が総集編という不思議な構成になってしまいましたが、8回にわたってお送りしてきたこの日誌も、今回で卒業とさせていただきます。
気がつけば昨年9月の入社から、まるまる一年が経ちました……!
今回は総集編として、これまでの12ヶ月を振り返っていきたいと思います。
***
【9月】 入社日の翌日からさっそく、埼玉県桶川市の出版流通センターでの研修がはじまりました。

社名の入ったフォークリフトと1F倉庫

帯交換を終えた『少女には向かない職業』100冊
この研修では二週間足らずの間に、出荷、改装、返本作業と、センターで行われるひととおりの業務を経験します。流通品目全点を扱う出荷作業では、売れ筋書目がダイレクトに感じられて勉強になりました(本を傷つけずにたくさん詰める梱包技術は、引っ越しの際にも役に立つかも……?)。
【10月】 センターでの研修を終えて、飯田橋の本社での日々がスタートしました。
イベントらしいイベントといえば、第32回鮎川哲也賞・第19回ミステリーズ!新人賞贈呈式が行われたのがこの月でした。実は私がWeb東京創元社マガジンにはじめて書いた記事も、この贈呈式のレポートだったのでした。
錚々たる審査員の皆さまの姿もさることながら、中学生の頃からストイックに投稿を続け、大学在学中にミステリーズ!新人賞の受賞を果たされた真門浩平さんのスピーチが印象的でした。
【11月】 11月は神保町ブックフェスティバルの月。東京創元社ブースでは一般流通の難しい汚損本の廉価販売と、くらり関係のアイテムをはじめとしたグッズの販売が行われました。
寒空の下、待機列の最後尾で看板を抱えていると、ふらりと現れた池澤春菜さんが呼び込みをする一幕もあり、さすがの声の通りに感服したのを覚えています。

日が暮れても盛況な本の屋台。
【12月】先輩と共同で担当しておりました、松樹凛さんの書き下ろし作品「十五までは神のうち」がWeb東京創元社マガジンで公開されました。
夏のエピソードを中心に描かれるお話なのですが、「作中に登場するセミのなきがらをサムネイルにしては!」「虫のなきがらはちょっと……」というやりとりの末に、印象的なシーンのひとつである雪原と足跡の画像が採用されました。
すべての15歳に「自身の出生をキャンセルする権利」が与えられた社会で、壮年期にさしかかった主人公が過ぎ去りし夏の日の謎を追う傑作です。ぜひ読んでみてくださいね。
【1月】 1月といえばもちろん……創元SF短編賞の締め切りがある月です。それまでぽつぽつと送られてきていた応募作が、怒涛の勢いでフォームになだれ込んでくるのがこの時期なのです。
お正月気分の余韻が漂っていたSF班も、審査のためにシャッキリ動きはじめます。現在募集中の第15回創元SF短編賞の締め切りは、来年(2024年)の1月9日。今回も力作をお待ちしております。
【2月】 3月発売の高山羽根子さんの『暗闇にレンズ』(創元文芸文庫)が責了を迎えた月でした。
はじめての本文作業を終えて一安心……と思いきや、解説やカバーまわりで思わぬ延長戦が。関係者の皆様には大変お世話になりました。
【3月】 『暗闇にレンズ』(創元文芸文庫)の刊行月。映像が兵器としても用いられる世界で、何世代にもわたってレンズを覗きつづけてきた女性たちの一族の数奇な運命を辿った長編の文庫化です。
さまざまな形で描き出される、メディアの恐るべき本性に震えつつも、一族の女性たちの間にある、不思議な風通しの良さに惹かれもする。独特の重層的な魅力を持った小説です。芥川賞受賞第一作として発表され、日本SF大賞の候補ともなった本作、ぜひご一読ください。
【4月】 はるこん、SFカーニバル、SFセミナー(5月上旬)と、SF関連のイベントが続くのがこの時期。社内でも久しぶりのリアル開催となった新刊ラインナップ説明会があったりと、非常に盛りだくさんの1ヶ月でした。
特に思い出深かったことといえば、はるこんで動くクリストファー・プリーストさんを拝めたことでしょうか……。感激の一言です。
【5月】 第14回創元SF短編賞を受賞された阿部登龍さんと、受賞作「竜と沈黙する銀河」の『紙魚の手帖』掲載に向けた改稿作業がはじまります。おかげさまでこれからしばらくの間、私の頭の中までもが竜でいっぱいになってしまったのでした。
【6月】 倉田タカシさんのはちゃめちゃに面白い現代SF短編集『あなたは月面に倒れている』(創元日本SF叢書)の刊行月です。当ウェブマガジンではあとがきを全文公開させていただいたほか、こんな体当たり系の(?)記事も書きました。
ある日給湯室でコーヒーを淹れていると、製作課のSさんから突発インタビューが。「実際に入社してみてどう?」「おおらかな社風だなと思います。こうやって急にインタビューがはじまるところとか……」と、困惑しつつも回答します。
インタビューの模様はこの月に開催された「創元 初夏のホンまつり」で頒布された「東京創元社 虎の巻」に収録されました。

力作です。
【7月】 『紙魚の手帖 vol.12』(夏のSF特集号)の編集作業が佳境を迎えました。
私は先述の「竜と沈黙する銀河」に加え、同誌初登場の柞刈湯葉さん「記憶人シィーの最後の記憶」を担当させていただきました。内容の充実ぶりは個別記事でも紹介させていただいた通りなのですが、それぞれ鈴木康士さんと吉田誠治さんにいただいた、すばらしい扉イラストにもぜひご注目いただければと思います。
【8月】 個人的には米魂以来、8年ぶり2回目の参加になった日本SF大会があり、『紙魚の手帖 vol.12』がめでたく発売を迎え、まさにSFの夏という趣の8月でした。
SF大会でこっそり参加したクイズ企画では、圧倒的に我々挑戦者に有利なルールのもと、ライターの鈴木力さんとのタッグで大森望さんを倒してしまい、この業界での立ち回りに一抹の不安を覚えつつも商品のおまんじゅうを持ち帰りました。
【9月】 ギョルゲ・ササルマン/住谷春也訳『方形の円』(創元SF文庫)の刊行月。万事順調に進行していたはずが、水面下では権利まわりで、あわや刊行延期かというところまで追い込まれる事態が進行していたのでした。
ハラハラさせられた案件でしたが、すんでのところでOKが出て一命をとりとめ、無事予定通りに刊行ができて本当に良かったです。「編集はスリル・ショック・サスペンスだからね」という、ボスの一言が身にしみたことでした。
***
改めて振り返ってみると、思いの外いろいろあったような、やっぱりあっという間だったような。ともあれこうしてSF班(弟)は、ニ年目に突入しております。
そして……最終回が総集編という不思議な構成になってしまいましたが、8回にわたってお送りしてきたこの日誌も、今回で卒業とさせていただきます。
それではまた、本マガジンの個別記事でお会いしましょう。









