あなたには、殺せません

『月の扉』『扉は閉ざされたまま』『Rのつく月には気をつけよう』等で知られる石持浅海先生の新作『あなたには、殺せません』が、発売から約一か月で重版することとなりました。

本作は罪を犯すか悩む人が相談にやってくるNPO法人が舞台の連作短編ミステリです。相談員は犯罪予備軍たる彼らの話を聞き出し、犯行を止めるべく計画の穴を次々と指摘していきます。不備を突かれた者たちの殺意は果たして――。

重版を記念して、第1話「五線紙上の殺意」を丸ごと無料公開いたします。
下記リンクからお読みいただけます(クリックすると電子書籍の画面になります)。

石持浅海「五線紙上の殺意」
https://www.yondemill.jp/contents/60138?view=1


■あらすじ
「犯人だって、好きで犯罪に走ろうとしているわけではありません。必ず迷いがあります。その段階でうちに来てもらえれば、犯罪の発生を未然に防ぐことができます」――そのNPO法人には、罪を犯すか悩む人が相談にやってくる。相談員はそんな犯罪者予備軍たる人々から聞き出した犯行計画の穴を次々と指摘していく。不備を突かれた者たちの殺意は、果たして本懐を遂げるのか。犯罪発生を未然に防ぐ!? 新しい形の倒叙ミステリ短編集!

■収録作品
「五線紙上の殺意」※無料公開中!※
高校時代の同級生とコンビで音楽活動をする有馬駿。その相方に裏切られた恨みを晴らすために相手を殺すと心に決めている。

「夫の罪と妻の罪」
夫が人を殺す瞬間を目撃した妻は、事件が発覚する前に夫を殺し「殺人犯の妻」となるのを避けようとする。

「ねじれの位置の殺人」
服部建斗は思いを寄せていた女性を水難事故で失った。彼女が増水した河川敷から逃げ遅れた原因が双子の姉にあると考えた彼は、復讐を誓う。

「かなり具体的な提案」
パートナーに暴力を振るわれていた英会話教室の講師を見捨てて死なせただけでなく、その責任を擦り付けてきた知人に、日下部渉は殺意を募らせる。

「完璧な計画」
同性の恋人が世間の目を気にしてお見合い結婚をすることになった目黒恵利。見ず知らずの男性に恋人を奪われる現実に耐えられず彼女の殺害を目論む。

■書誌情報
書名:『あなたには、殺せません』
著者:石持浅海
判型:四六判並製
定価:1,870円 (本体価格:1,700円)
ページ数:244ページ
装画:岡野賢介
装幀:大岡喜直(next door design)
刊行:2023年7月7日

■著者紹介
石持浅海(いしもち・あさみ)
1966年愛媛県生まれ。九州大学卒。2002年、カッパ・ノベルスの新人発掘プロジェクト〈KAPPA-ONE〉第一期生として、『アイルランドの薔薇』でデビュー。特殊な状況設定下での端正な謎解きに定評がある。『BG、あるいは死せるカイニス』『温かな手』『フライ・バイ・ワイヤ』『月の扉』『扉は閉ざされたまま』『Rのつく月には気をつけよう 賢者のグラス』『殺し屋、やってます。』『高島太一を殺したい五人』など著作多数。