営業部では2ヶ月に一度、その月の中旬頃に、これまでに刊行された文庫のオビとPOPのデザインを一新して書店さんにお送りする「激押し!」という企画を行っております。
2023年6月は、2021年12月以来2回目の登場となる、『龍の耳を君に』(丸山正樹)です。

龍の耳を君に_激押し202306

【内容紹介】
荒井尚人は、ろう者の親から生まれた聴こえる子――コーダであることに悩みつつも、ろう者の日常生活のためのコミュニティ通訳や、法廷・警察での手話通訳に携わっている。場面緘黙症で話せない少年の手話が殺人事件の目撃証言として認められるかなど、荒井が関わる三つの事件を優しい眼差しで描いた連作集。解説=頭木弘樹

本作は、日本でのドラマ化と韓国での映画化のW映像化が決定したことで話題の、『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』に連なる〈デフ・ヴォイス〉シリーズ第二弾です。ろう者と聴者の間で苦悩する、手話通訳士である荒井の優しさと葛藤を描く感動作であり、法廷ミステリとしても面白い一冊です。ちなみにシリーズ第3弾『慟哭は聴こえない』には、シリーズ随一の切なさを誇る「静かな男」が収録されています。こちらも併せてぜひ、お読みいただければと思います。

●前回までの「激押し!」記事はこちら

《2023年4月》一本木透『だから殺せなかった』


《2023年2月》辻真先『深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説』


《2022年12月》内山純『土曜はカフェ・チボリで』


《2022年10月》フェルディナント・フォン・シーラッハ/酒寄進一訳『犯罪』


《2022年8月》川澄浩平『探偵は教室にいない』


《2022年6月》浅ノ宮遼『臨床探偵と消えた脳病変』


《2022年4月》深緑野分『戦場のコックたち』


《2022年2月》浅倉秋成『九度目の十八歳を迎えた君と』


《2021年12月》丸山正樹『龍の耳を君に デフ・ヴォイス』