こんにちは。SF班(弟)です。

まだまだ5日も残っているゴールデンウィーク。
お出かけ先への移動時間や、さわやかな日差しの下での散策のお供に、東京創元社の短編SFはいかがでしょうか?

ページをめくったその先には、新しい作品世界や作家との出会いがあるはず……ということで、今回は連休におすすめのオリジナルアンソロジーをご紹介します。

◆東京創元社文庫創刊60周年記念刊行作品
『宙を数える 書き下ろし宇宙SFアンソロジー』
『時を歩く 書き下ろし時間SFアンソロジー』

それぞれ〈宇宙〉と〈時間〉をテーマに、創元SF短編賞出身の作家たちの書き下ろし作品を集めたアンソロジー。
総勢13人の書き手がそれぞれのアプローチで、SFの王道とも言える題材に取り組んだ、大変に読み応えのある作品集です。
刊行当時は私自身も読者として、注目していた新人作家の受賞後第一作に喜び、キャリアを重ねた作家の技巧に唸りました。
YouTubeとキクボンで配信中の刊行記念ラジオ「宙と時」では、高島雄哉さん、久永実木彦さん、アマサワトキオさん(※天沢時生に筆名を改めて活動中)と、東京創元社編集部の小浜徹也による作品紹介トークを聴くことができます。










Genesis この光が落ちないように
宮澤 伊織ほか
東京創元社
2022-09-30


漫画家・イラストレーターのカシワイさんが手がけられた、やわらかで少し不思議な雰囲気の装画が目印。
ハードなものからソフトなものまで、実にバラエティ豊かなSFの中短編に加え、各界の書き手によるエッセイや対談記事など、小説以外の読み物も収録されたシリーズです。
参加作家の顔ぶれから、「これぞ」という一冊を探し出して読むもよし、通算で5冊あるシリーズですから、一日一冊と決めてGW中の読破に挑むのもよし。
日本SFの「いま」を知るのに、いずれも最適な作品集です。

これまで単行本として刊行されてきたGenesisシリーズは、今年2023年夏からは東京創元社の総合文芸誌〈紙魚の手帖〉をまるまるジャックする形で、国内外のSF短編を中心としたSF特集号として生まれ変わります。
ベテラン・俊英・気鋭作家の作品から、つい先日に受賞が決まったばかりの、第14回創元SF短編賞の正賞受賞作まで。とびきりの小説たちを取り揃えてお届けします。どうぞお楽しみに!

それではまた、来月の日誌でお会いしましょう。