Web東京創元社マガジン

皆様ごきげんよう、校正課Ｈです。

ついに、ついについに！　あさって3月11日（土）から！！　弊社刊行の『007／カジノ・ロワイヤル』を原作とした、宝塚歌劇『カジノ・ロワイヤル ～我が名はボンド～』が宝塚大劇場にて公演スタートとなります！！！

楽しみすぎて呼吸が止まりそう……いやだめだ止まったら観劇できない……深呼吸……生きねば……あああ、今度は顔が勝手にニヨニヨニヤニヤニマニマしてしまう……むり……。

初日や観劇日が近付くと落ち着きがなくなるのはいつものことですが、今回はいつも以上に楽しみすぎて、観る前から椅子ごとひっくり返ってしまいそうです。



こちらの超幅広オビの作製の際には私も校正に携わりまして、ときめき浮かれる心を必死に押さえつけながらの作業となりました（校正には冷静さと平常心が必須）。

注目してくださった皆様のおかげで、公演タイトル発表→オビ付き出荷→そしてさらにもう一度と、版を重ねております。
ありがとうございます！



目の前にデコれるものがあると、頼まれてもいないのに手が動いてしまうのは仕方ない。

この機会に私も原作（原書の初刊が1953年なので、なんと今年で70周年！）を通して再読いたしまして、やはりボンドが礼装を纏うシーンの描写が特に好きです。

黒いサテンのダブルエンドの細いネクタイでボウを結びかけたところで、ボンドはふと手をとめ、鏡のなかの自分を冷静に見つめた。灰色がかったブルーの瞳が、かすかに皮肉っぽくたずねかけるように落ち着いて見返してきた。決して一カ所にとどまってくれない短い黒髪のひと房が、右の眉毛の上でゆっくりと読点（カンマ）の形をつくった。

こういった描写もエンターテインメント作品ならではの「現実には存在しない理想の男性像」だと思いますし、宝塚の「男役」との親和性は抜群なのではないでしょうか……！

「歌劇」（2023年3月号）掲載の座談会を拝読しますと、『カジノ・ロワイヤル ～我が名はボンド～』は、宝塚ならではのゴージャスかつスケールの大きい、開放的な作品となるようです。
ジェームズ・ボンドの世界が宝塚の舞台でどのように表現されるのか……期待がふくらみ、オペラグラスを磨く手にも力が入ります（そしてイルカが気になりすぎる）。

トップコンビのお二人をはじめ、今作で退団される生徒さんのことを思うと、さみしさが押し寄せますが……今は全力で観劇を楽しみたいと思います！
My初日はまだ少し先ですが、なんとかチケットを入手できたので（友会さんに熱い抱擁）、久しぶりにムラ遠征いたしますよー！！