みなさまこんにちは。ホリー・ジャクソン『優等生は探偵に向かない』(服部京子訳)が発売されました!!
『優等生は探偵に向かない』は2021年に創元推理文庫から刊行した『自由研究には向かない殺人』の続編で、3部作の2作目にあたります。
『自由研究には向かない殺人』は刊行以来たいへんご好評をいただきまして、年末ミステリランキングでも高順位にランクインしました! ありがとうございました!
*第1位〈ハヤカワ・ミステリマガジン〉ミステリが読みたい! 海外篇
*第2位『このミステリーがすごい! 2022年版』海外編
*第2位〈週刊文春〉2021ミステリーベスト10 海外部門
*第2位『2022本格ミステリ・ベスト10』海外篇
ぜひ1作目からお手に取っていただき、主人公の高校生ピップの謎解きを追っていただければ幸いです。
さて、シリーズ2作目の『優等生は探偵に向かない』のあらすじは……。
高校生のピップは、友人から失踪した兄ジェイミーの行方を探してくれと依頼される。友人の頼みで、ポッドキャストで調査の進捗を配信し、リスナーから手がかりを集めることに。関係者へのインタビューやSNSも調べ、少しずつ明らかになっていく、失踪までのジェイミーの行動。やがてピップの類(たぐ)い稀(まれ)な推理が、恐るべき真相を暴きだす。この衝撃の結末を、どうか見逃さないでください!
1作目同様、2作目の本書でも多数の調査記録、インタビュー、イラストや写真などなど、家の間取り図まで掲載され、読んでいるみなさんもピップの調査の過程をリアルに感じられるような仕組みになっています。SNSを使った情報の集め方も1巻目以上に巧みで驚かれると思います!
なにより、読みはじめたときからはまったく予想もつかない展開になっていきます。あまり詳しく言えませんが、あるところでぐわっと「何これ!?」ということが起き、そしてピップの推理をたどっていって判明した真相に呆然……。
「とにかくすごい!!」のひと言です。担当編集者であるわたくし翻訳班Sは、翻訳原稿を読み終わって、あまりの衝撃に服部京子先生にお電話して感想を熱く語りまくりました。それからも、校正紙(ゲラ)などのやりとりの際に、ことあるごとにお電話で「いやはやほんとすごいですね……」「ホリー(著者)の頭のなかってどうなってるんでしょうね」と語り合うこと数回。
右肩上がりに面白さが加速していくのが本作の特徴だと思います!!
失踪事件調査の面白さだけでなく、主人公ピップの成長と苦悩が胸を打つ作品となっています。前作の事件を解決したことで深く傷ついたピップは、もう探偵稼業の日々を終わらせ、今後は探偵のまねごとはしない、と決意します。しかし友人の兄ジェイミーが失踪し、ピップが警察に強くかけあっても、彼らはジェイミーが成人していることなどから、捜索を始めてくれませんでした。
「ほかの誰も彼を探そうとしないなら、わたしが探すしかありません」そうしてピップの新たな調査が始まるのですが、彼女が直面する現実とは……。真実とジェイミーの無事を求めて奔走するピップの姿から、目が離せません。
そして、阿津川辰海先生による素晴らしい解説にもご注目くださいませ!! 本書の魅力をあますところなく語ってくださり、新しい視点でシリーズを読み直すこともできる、読み応えたっぷりの解説です。
カバーデザインは、next door designの大岡喜直さんが手がけてくださいました。空の色の変化が見事な、とてもエモーショナルなカバーとなっております! タイトルロゴも本当に格好いいです。
ぜひ書店で見かけた際にはお手にとってみてください!
本書は刊行前にいち早く読みたいという方に向けて、ゲラ版先読みキャンペーンをおこないました。先読みしてくださった方のご感想を抜粋してご紹介いたします。
弊社twitterですでにご紹介しておりましたが、今回も熱い気持ちのこもったコメントをたくさんお送りいただきました。全部ご紹介できなくて残念ですが、本当にありがとうございました!
【先読み読者のみなさんのご感想】
ひとことで本作を言えば、とにかく非常におもしろかった、に尽きます。それほど短い作品ではないのですが、久しぶりにイッキ読みでした。(50代男性)
『自由研究には向かない殺人』を読んだ方にはもちろん、今からでも前作と合わせて読んでほしいと自信を持って人にお薦めできる作品でした。(30代女性)
傑作『自由研究には向かない殺人』により上がったハードルを軽々超えるアイデアと筆力。三作目も非常に楽しみです。(30代男性)
面白いのは当たり前!完璧な続編。
前作を踏まえて、さらに洗練された話運びと、びっくり仰天の真相解明。(40代男性)
この物語に登場するすべての人がいろんな事を引きずって一生懸命生きている、そんな様子がとてもしっかりと書かれていて本当に素晴らしかったです。(30代女性)
ピップにまた会えて嬉しい‼︎まずは純粋にこの言葉が浮かびました。こんなにも私の心を掴んで離さない女子高校生探偵はいません。(20代女性)
今年一番楽しみにしていた作品!前作が面白かっただけに期待のハードルが高かったけれど、読み始めたらそんなことを気にする暇もなく没頭して一気に読み終えました。(30代女性)
「友人の兄の家出」という身近な事件が、小さな田舎町だからこその、あんな大きな秘密につながってしまうなんて…。(中略)とんでもない魅力を持った作品です。(40代女性)
『自由研究には向かない殺人』もとても面白く読んだので今回応募したのですが、前作を超える傑作でした。(50代女性)
痛みや悲しみ、ときに怒りを抱えながらも、ポッドキャストやSNSを駆使し、頼れる友人たちと立ち向かっていくピップの新たな物語を、ぜひ多くの人に読んでほしいです。(20代男性)
ホリー・ジャクソン『優等生は探偵に向かない』は7月20日刊行です。なお、シリーズ3作目のAs Good As Deadは2023年に刊行予定となっております。
本当に面白いミステリをお求めの方、ぜひぜひ3部作をお楽しみいただければ幸いです!
(東京創元社S)