「冷徹な殺人機械のはずなのに、弊機はひどい欠陥品です」

――全国の『マーダーボット・ダイアリー』ファンの皆様、ながらくお待たせいたしました。ついにあの“弊機”が帰ってきました!

遠未来の宇宙を舞台に、かつて大量殺人を犯したとされたが、その記憶を消されている暴走人型警備ユニット“弊機”の活躍を描く本シリーズ。重い過去を背負い、自らを縛りつける統制モジュールを取り外して自立しているという秘密を持ちながらも、人間が苦手で隙あらば連続ドラマの鑑賞に浸りたいと思っている“弊機”のキャラクターが、本シリーズのいちばんの魅力。

“弊機”の好きなドラマになぞらえて言えば、4つの中編からなる前作『マーダーボット・ダイアリー』が“テレビシリーズ版”だとすれば、シリーズ初長編の本作『ネットワーク・エフェクト』はいわば“劇場版”と言えるでしょう。

前作はヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞などのほか日本でも第7回日本翻訳大賞を受賞するなど、高く評価されましたが、本作もネビュラ賞・ローカス賞を受賞しています(ヒューゴー賞候補にもなっており、結果が出るのは12月)。本作の舞台となるのは前作終了後の世界。シリーズ読者にはおなじみの、あの人気キャラクターも再登場します。ぜひお楽しみに!