若き名探偵・蜜柑花子と、1980年代に一世を風靡した名探偵・屋敷啓次郎の二人の競演を描いた、第23回鮎川哲也賞受賞作『名探偵の証明』の続編が、満を持しての文庫版登場です。

今作の語り手は、大学生の日戸涼。とある事件に巻き込まれ、家族を失ったことから、名探偵という存在にかなり否定的な考えを持つようになった青年である。そんなある日、ミステリ作家の拝島登美恵からインタビューの依頼が、涼のもとに舞い込む。拝島の自宅に来るように連絡が来たのだが、ふと気づくと見知らぬ部屋の中にいた……。拝島の自宅は、かつて自身の作品舞台としても使った、「密室館」と呼ばれているもので、そこに涼を含む8名が監禁されることになったのだ。涼と同様に、作品の参考にインタビューをしたいと集められた8名。この「密室館」でこれから起こる殺人事件のトリックを論理的に解くことができれば解放すると、拝島は言うが、果たしてその目的は何なのか? そして、なぜこの8名が集められたのか? またその8名の中には、名探偵として名高い、あの蜜柑花子の姿もあった!

若き名探偵とミステリ作家の、知的な攻防戦にぜひご期待ください。

今回、文庫版『名探偵の証明 密室館殺人事件』の刊行にあわせて、『名探偵の証明』のカバーもリニューアルし展開しています。まだお読みではない方は、ぜひ合わせてお読みいただければと思います。また、シリーズ完結編『名探偵の証明 蜜柑花子の栄光』も今年10月に刊行が決定しました。蜜柑花子の高校時代を描いた『屋上の名探偵』『放課後の名探偵』と、すべてが文庫で揃いますので、ファンの皆様どうぞよろしくお願いいたします。