【あらすじ】
ついに隣国ハフンによる本格的侵攻が始まった。六連合政府が迎撃に差し向けた大艦隊スワンノット群を、反逆者ジェダオは乗っ取る。しかしジェダオは宿敵である六連合とではなく、ハフンと戦うことを宣言する。はたしてジェダオの狙いは六連合の分断なのか、それとも――? 一方、六連合上層部では総裁ニライ・クジェンが失踪し、ほかの総裁たちの間では新たな不死技術の開発が進められていた……。数学と暦法により物理法則を超越できる世界を舞台にした、ローカス賞受賞の魔術的宇宙SF『ナインフォックスの覚醒』続編登場! 2018年ヒューゴー賞候補作。
舞台は、数学と暦により物理法則を超越する科学体系〈暦法〉が実用化された宇宙。かつて天才指揮官として名声をほしいままにしながら、突如敵もろとも味方を殺戮して最悪の反逆者となった男ジェダオ。しかしその才能を惜しんだ専制国家・六連合の上層部は、彼の精神だけを封印し、異端との戦いにおいて必要なときだけ現世に呼び戻すことにした。爾来400年余、ジェダオは身体を奪われた精神だけの存在として、六連合への奉仕を強いられていた。
そして異端との戦いにおいて、ふたたび呼び出されたジェダオの錨体(依り代)に選ばれたのが、数学の天才である若きヒロイン・チェリス。ジェダオとチェリスは異端が立てこもる巨大宇宙要塞の攻略を命じられるが、その裏には……
というのが前作『ナインフォックスの覚醒』。本作『レイヴンの奸計』は、前作の直後から始まります。凝りに凝った世界設定の魅力はそのままに、さらに冴えわたるストーリーテリングで物語はますます加速。新鋭が放つ最新ミリタリー・スペースオペラ、ぜひお楽しみに!