ごみから財を築いたアイアマンガー一族を描くジャンルを超えた傑作〈アイアマンガー三部作〉、フランス革命という激動の時代を逞しく生きたマダム・タッソーの数奇な生涯を描いた『おちび』で、世界の読書家を虜にした鬼才エドワード・ケアリーの短篇集『飢渇の人』(古屋美登里訳)が7月に刊行されます。

 本国でもまだ本になっていない短篇を集めた日本オリジナル編集ですが、それだけではありません。なんと書き下ろしの短篇が6篇も収録されているのです! しかもケアリー氏による書き下ろしのイラスト満載。こんなに贅沢な作品集があるでしょうか!?

 そしてさらに今回初版に限り、見返しにケアリー氏のサインが(印刷ですが)入っています。ケアリー氏のファンならこれを見逃す手はありません。

 短篇のタイトルは以下の通り。

「吹溜り」
「おれらの怪物」
「バートン夫人」
「アーネスト・アルバート・ラザフォード・ドッド」
「かつて、ぼくたちの町で」
「家庭で用いられる大黒椋鳥擬(グラックル)の歌」
「コズグレーヴ諸島」
「私の仕事の邪魔をする隣人たちへ」
「エドワード七世時代の寄せ集めの人物」
「おが屑」
「毛物(けもの)」
「鳥の館 アーネスト・アルバート・ラザフォード・ドッド著」
「パトリックおじさん」
「名前のない男の肖像」
「グレート・グリート」
「飢渇(きかつ)の人」


 タイトルからでも読んでみたくなりませんか?

「私の仕事の邪魔をする隣人たちへ」『もっと厭な物語』(文春文庫)に収録された「私の仕事の邪魔をする隣人たちに関する報告書」に、修正を加えたもの。また本書のタイトルにもなっている「飢渇の人」は、『おちび』にも出てきた18世紀のフランス革命時のタンプル大通りを舞台にしています。
 奇妙な味の作品あり、幻想的な作品ありのエドワード・ケアリーのエッセンスがぎゅっと詰まった一冊です。
 三部作だったり、分厚かったりでなんとなくこれまでケアリー氏の作品を敬遠していた方は、是非この『飢渇の人』からお読みください。めくるめくケアリー・ワールドの虜になること請けあいです!