全国のマギー・ファンの皆様、今回もごめんなさい!
ロバート・クレイスの新作『危険な男』でもマギーとスコットの名コンビはお休みです。でも、『危険な男』の主人公は、犬にたとえるなら筋肉質で俊敏でクールなドーベルマン、ジョー・パイク。人間なので本当の犬であるマギーにはちょっと負けるのは仕方ないとしても(!?)、パイクは人間のくせにとても魅力的。犬が出なくて寂しい担当編集者は、とりえずパイクをドーベルマンに変換して読みました。前巻『指名手配』の主人公私立探偵のコールとの良きバディっぷりも健在です
●最新作『危険な男』
ジョー・パイク、海兵隊あがりの元警官で、現在はロスで私立探偵を営んでいる。
パイクは銀行に行った帰り、窓口で応対してくれた女性イザベル・ローランドが誘拐される現場を目撃、もちろん見過ごすことはできず、急ぎ追跡して彼女を救い出す。そして二人組の犯人を警察に引き渡し、一件落着……したはずだった。
だが、安心したのも束の間、なんと二人組の犯人が保釈されてしまったのだ。それを知ったイザベルは、犯人が再び自分を狙うのではと怯え、パイクの電話にメッセージを残す。それを聞いたパイクは折り返し電話をかけるが、イザベルは出ない。警察からの連絡で、パイクは保釈された二人組が処刑されたかのような方法で何者かに殺されたことを知る。警察はどうやらパイクを疑っているようだが、もちろんそんなことはしていない。しかも心配なことに、イザベルの消息が一向につかめないのだ……。
前作『約束』で、警察犬マギーと刑事スコットと共に爆弾事件の犯人を追ったロスの私立探偵エルヴィス・コールのもとに、一人の女性から依頼が入る。女性の名前はデヴォン・コナー、法律事務所の業務部長。オルタナティヴ・スクールに通う息子のタイソンが最近やたらと金回りがいいというのだ。高級なロレックスやブランドものの服、それに分厚い札束。学校である女の子と知り合ってから、それが始まったらしい。
息子に問いただしても、嘘をつかれるだけ、警察沙汰になる前に、なんとかしたいというのが、デヴォンの希望だった。
依頼をうけて、コールは早速ロレックスの線から調査を始めた。結果、その時計がとある資産家の家から盗まれたものであることが判明。しかもそれが金持ちの家ばかりを狙った連続窃盗事件の被害のひとつだというのだ。
間抜けなことに犯人は防犯カメラに写っており、おまけに指紋もたくさん残されていたという。ティーンエージャーの三人組。男が二人と、女が一人。
その一人、防犯カメラの映像に写った顔は……タイソンのものだった。
警察も全力で彼らの行方を追っているだろう。もう出来ることは警察より先にタイソンに接触し、自首をうながすことだけだ。
だが、タイソンの行方を追って調べ始めたコナーたちの前に、謎の男たちの影が……。警察以外にもタイソンたちを追っている者がいるのか? 彼らの目的は?