2015年、伊吹亜門さん「監獄舎の殺人」と競い、第12回ミステリーズ!新人賞佳作入選となった榊林銘さん「十五秒」。“被害者が死ぬ直前の十五秒”というワンシーンを用い、被害者と犯人の一風変わった攻防を描いた同作は高く評価され、日本推理作家協会の年刊アンソロジーに収録されました。
そして今月、榊林さんは、同作を含む短編集『あと十五秒で死ぬ』でデビューします!榊林さんの作品の魅力は、トリッキーなアイデアと巧みな構成。「こんなぶっ飛んだ設定で、面白いミステリが書けるのか!」と感嘆する、本書の内容を紹介いたしましょう。
死神から与えられた余命十五秒をどう使えば、「私」は自分を撃った犯人を告発し、かつ反撃できるのか? 被害者と犯人の一風変わった攻防を描く、第12回ミステリーズ!新人賞佳作「十五秒」。
犯人当てドラマの最終回、エンディング間際で登場人物が前触れもなく急死した。もう展開はわかりきっているとテレビの前を離れていた十五秒の間に、一体何が起こったのか? 過去のエピソードを手がかりに当ててみろと、姉から挑まれた弟の推理を描く「このあと衝撃の結末が」。
仲睦まじく暮らしている母と幼い娘。しかし、娘が毎日見るようになった、「車の助手席で目覚めるところから始まり、母が『何か』を伝えた後、正面から大型トラックが突っ込んでくる」十五秒間の悪夢が、穏やかな日々に影を落としていき……。ふたりの身に何が起こっているのかが明かされていく「不眠症」。
十五秒間だけ首の着脱をしても死なないという、特殊体質を持つ人々が暮らす赤兎島。毎年行われる大祭の翌日、首のない焼死体が見つかった! 被害者は誰か、犯人は? 事件の真相を追う少年たちの探偵行を描いた、「首が取れても死なない僕らの首無殺人事件」。
〈十五秒後に死ぬ〉というトリッキーな状況設定で起きる四つの事件の真相を、あなたは見破れるでしょうか? 期待の新鋭が贈る、デビュー作品集をどうぞお見逃しなく!