少し前の話になりますが、9月の最終日に埼玉県飯能市にあるメッツァに行ってきました。メッツァは、ムーミンバレーパークとそのお隣にある商業施設メッツァビレッジのふたつのゾーンから構成されるテーマパークです。
飯能にフィンランドがある? 沿線住民なのでかねがね興味はあったけれど、なかなか行けずにいたメッツァ、今日はお天気もいいし、思い立ったが吉日、さあ行くぞ!
ここのところずっと忙しくて、時間のテトリスをしているみたいな日々だったので、今日はの~んびりするのだ、きちきち計画を立てたりしないのだ、ねえ、くらちゃん。

と、心を決めて来たのですが、飯能駅からバスに乗ろうとしたら、がーん、さっき出たところ……たまたま一番本数の少ない時間帯に来てしまいました。でも、いいのだ。今日は成り行き任せなのだ、というわけで、しばしそこらを散策します。
昔からある町です、という風情の(地元は鉄道会社が駅とスーパーとマンションをセットで作った人工的な感じの町なので——越してきた当座、書き割りみたいと思った——町が先にあってあとから鉄道駅ができたところを見ると、目新しい感じがする)駅前からバスに乗り、所要時間は約13分とか。バスは単線の踏切を渡り、田んぼの中を走っていきます。都内より季節が少し早いですね、稲刈りをしていました。
だんだん山(丘?)のほうに向かっていって、いよいよ大きな駐車場に乗り入れました。メッツァ到着です。

案内に従って行くと、両側に森っぽく木の茂った下り坂に差しかかります。そこを抜けると宮沢湖畔。

西武線の中や、ネット上で見かけるメッツァの広告のすてきな写真はどうせプロが撮っているもんね……と思ったりしていたのですが、なかなかきれいじゃありませんか、宮沢湖、きらきらして。
まずはぷらぷらしながら、お昼を食べるところを探します。結局北欧ブランドの食器を使うカフェに落ち着きました。使用するブランドは時々変わるみたいです。私が行ったときはアラビアでした。
メニューも北欧風です。北欧風オープンサンドのスモーブローにも心惹かれつつ、ヤンソンさんの誘惑にしました。
名前は知っていましたが、食べるのは初めてです。本来はアンチョビ風味のポテトグラタンらしいのですが、こちらのはパンケーキにアンチョビ風味のクリームソースがかかっているというものでした。ポテトの薄切りも入っていたような(ちょっと記憶が……)。屋外席では黒っぽいテリアがはしゃいでいました。メッツァビレッジのあちこちで、飼い主連れのワンちゃんたちが楽しんでいました。

ごはんを食べた後、ムーミンバレーパークのほうに向かいます。湖のそばが一部芝生の広場になっていて、小さいお子さんを連れた家族と思われるグループが何組かくつろいでいました。平日なのでほとんど人がいないのではないかと思っていたのですが、学齢前のお子さん連れとシニアのグループが結構いらしていて、閑散としているということはなかったです。

パークの入り口まで行ってみましたが、ムーミンの世界に入るのはまた今度にして、引き返しました。のんびりと15分ほど歩くとメッツァの敷地の端に来たようです。道は湖に沿ってその先まで続いています。両側に黄色いコスモスが咲き乱れ、左側で蝶がひらひら舞っているかと思えば、右側では蜂がぶぶぶ……と蜜を集めるのに余念がない、というまことにのどかなところでした。
マーケット棟でお店を見て、帰途につくことに。また森っぽい中の道を歩いていきます。ムーミンバレーパークには入場しなかったのでわかりませんが、メッツァビレッジに関しては、広場など一部が芝生になっている以外はもともとの植生を生かしているようです。
再びバスに乗り込み、飯能駅へ。途中左手になにやら由緒ありげなお店が現われ、「飯能銘菓 四里餅」という文字が見えました。スマホで検索して画像を見るとなかなかおいしそうです。読みは「しりもち」とか。飯能の駅ビルで売っているという情報があったので、いそいそ行ってみましたが、売り切れでした。残念!
テーマパークというので、大々的に山を切り開いて観光用の施設を作っているのかなあと思っていたのですが、実際に見てみると、うまく自然を生かしていて、私にとってはリラックスできる感じでした。近場でのんびりできてよかったです。今度来るときには、ムーミンの予習をしてパークのほうにも行ってみようかと思います。その時には、先に駅で四里餅を仕入れ、メッツァビレッジのカフェでコーヒーを買って芝生の広場で食べたいです、ねえくらちゃん!
(校正課K)
「秋の夜長、おいしいおやつをお供に飯能市が出てくるミステリを読むのもいいニャ」