10月に入り、朝晩がやや肌寒くなる一方で、昼間は爽やかな秋晴れを見ることが多くなりました。1年のうち穏やかな気候で過ごせるこの時期こそ、「読書の秋」にふさわしいのではないでしょうか? そんな「読書の秋」にぴったりの、『ミステリーズ!vol.103』をご紹介いたします!


まず、毎年恒例の鮎川哲也賞、ミステリーズ!新人賞の選評を巻頭掲載。今年の鮎川哲也賞とミステリーズ!新人賞は、優秀賞も含めて、なんと4作も受賞作が出ました! 記念すべき第30回鮎川哲也賞受賞作、千田理緒さん『五色の殺人者』は「目撃証言が五通り」という謎を描いた本格ミステリ。本誌と同日発売ですので、併せてご堪能ください。ちなみに、優秀賞の弥生小夜子さん『風よ僕らの前髪を』も、刊行に向けて絶賛準備中です。

一方の、第17回ミステリーズ!新人賞受賞作は、対照的な2編。衝撃のホラーミステリ、大島清昭さん「影踏亭の怪談」と、高齢者介護をめぐる事件を描く大和浩則さん「噛む老人」を掲載しています。どちらも忘れがたい余韻が残る逸品です。

読み切りでは、俊英による3編を掲載。市川憂人さんの〈マリア&漣〉シリーズ最新作「ボーンヤードは語らない」、 榊林銘さんの一風変わったホワットダニット「このあと衝撃の結末が」、本誌初登場・深沢仁さんのステイホーム前夜を描く「なにも傷つけないように、おやすみ」。どの作品もバラエティに富んでおり、見逃せません。
更に、人気シリーズの感動の最終回を迎えた、大崎梢さん「未来に向かって 本バスめぐりん。」と、古内一絵さん「二十一時の渋谷で キネマトグラフィカⅡ」もぜひお楽しみ下さい。

秋の夜長、じっくりと読みふける読書のお供として、本書をどうぞよろしくお願いいたします!


五色の殺人者
千田 理緒
東京創元社
2020-10-10