ニュージーランド発ミステリ『死んだレモン』が、2020年7月30日に刊行となります!
この本はニュージーランド屈指のミステリ賞であるナイオ・マーシュ賞新人賞を受賞した鮮烈なデビュー作です。翻訳者の安達眞弓先生が原書のDead Lemonsを読んで、「日本の読者に紹介したい!」と思って持ち込みをしてくださり、刊行へつながりました。

『死んだレモン』あらすじ

1ページ目から主人公が絶体絶命!
圧倒的サスペンスは怒涛の結末へ──。

酒に溺れた末に事故で車いす生活となったフィンは、今まさにニュージーランドの南の果てで崖に宙吊りになっていた。隣家の不気味な三兄弟の長男に殺されかけたのだ。フィンは自分が引っ越してきたコテージに住んでいた少女が失踪した、26年前の未解決事件を調べており、三兄弟の関与を疑っていたのだが……。最後の最後まで読者を翻弄する、ナイオ・マーシュ賞新人賞受賞作登場。


編集作業をしていて、とにかく早く読者の方にお届けしたい! 読んでもらいたい! と強く思い、刊行前にいち早く読みたいという方に向けてゲラ版での先読みキャンペーンをおこないました。この記事では、キャンペーンにご参加くださった皆様のご感想のごく一部をご紹します。さまざまな魅力を語っていただきました。

皆様、とても熱い気持ちのこもったすてきなご感想をありがとうございました! 

(東京創元社S)


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巧みに仕込まれた伏線が回収されていく結末はまさに圧巻!(中略)まだ発売前の本なのに、早くほかの人に読んでほしい、感想を読みたい、語り合いたいと思ってしまいました。
(杉さん)


第1章からいきなりクライマックスかと思う滑り出しが、一気読みのブースターとなりました。(中略)最後は驚かされる展開も待っていて、自信を持ってオススメできる小説と言えます!!
(50代男性の方)


兎に角読み出したら先が気になりページが止まらない。恐ろしい程にサスペンスフルで、どうなる?どうなる?の連続でした。(中略)是非、翻訳作品にあまり触れられた事がない小説好きの方に、強く、強く、オススメしたいです。
(えるろいさん)


何度も、何度でも読み返したい!今、私はこういうミステリーが読みたかった!
1ページ目読み始めたら、もう読む手が止まりません……っ(中略)これはずっと本棚にいれて、大切にしたい本。
(あさうみさん)


読み始めからクライマックスを迎えていたと思いきや、その先があるなんて。(中略)普段耳馴れないニュージーランド氏名にも違和感なく読めました。それだけキャラクターの個性があり1人1人がしっかりと作中で生きていました。
(かなさん)

本書はミステリーであると同時に、主人公フィンの再生と成長の物語でもある。
序盤いきなりクライマックスシーンから始まり、時系列を前後しながらフィンが過去に起きた事件の真相に辿り着く過程が描かれる。ぐっと心を捕まれ、読み始めると先が気になりページを捲る手が止まらない。
(中村 有加さん)

読了後、しばし呆然とした。いったい何を読んだのだろう。まるで、優れた3つの作品を同時に読んだような気分だ。ひとつは傷ついた精神の再生の物語。これだけでも十分面白い。二つ目は車いすの男のマンハント。いきなり佳境に入っており、驚愕の展開。三つ目が前の二つを合わせて語る謎解き。この謎解きはまさに秀逸、それ以外に言いようがない。どれもそれだけを独立させても十二分に面白い物語であるが、三つが重なり合ったときに生じる相乗効果たるや、想像を絶する。とても面白かった。
(50代男性の方)


単なる謎とかミステリーだけではなく、ドラマ性重視のミステリ読みの方におすすめしたい作品だと思いました。
夜明け前のような静けさと力強さを併せ持った物語。
一度でドカンと楽しむというよりも、ニュージーランドの情景描写や心に残ったセリフなどと共に何度も味わいたくなる物語でした。
(あべしぃさん)


今までの伏線が回収され、論理的に事件が再構成されて解き明かされる様は、まさしく職人技である。
非常によくできた、大満足の一冊だった。
(井戸本さん) 


ひたすら不穏な雰囲気を漂わせて物語は進む。
終盤、ついにその淀んだ空気が晴れる、と思いきや、全くの死角から銃で撃たれました。
こんな玉、絶対避けられるわけないですよ!
やられました。徹底的にやられました。
(安部ロシオさん)


ニュージーランドという個性的な社会構造を持つ国を舞台にした特長を十分に生かし、その特異性を礎にして周到に張り巡らされた伏線、次々にフィンを襲う危機の連続、読む者の胸を躍らせる謎解きの妙、冒頭から最後のページに至るまでまるで著者の掌の上で転がされ続けているような息つく暇も無い怒涛の展開が楽しめる傑作ミステリーです。
(百織 偲さん)


冒頭から「何が起こっているの?」と正直読者置き去り状態でなぜか絶体絶命に陥っている主人公の登場シーンで度肝を抜かれ、何が起こっているのか気になって続きを読む手が止まりませんでした。1章進むごとにハラハラすることが起きて最後まで息つく暇がないほど。
(nishigusaさん)


単なるミステリーではなく現代ニュージーランドの文化や郷土を肌で感じられる瑞々しい描写にも感動しました。読んでいてその舞台となった地域を旅したような気分になれるのは、このご時世に大変ありがたい読書体験でした。
(小松田さん)


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■著者紹介

フィン・ベル
1978年南アフリカ生まれ。法心理学の専門家として、南アフリカの裁判所や刑務所で被告人や受刑者の心のケアにあたっていた。その後ニュージーランドへ移住し、ウェリントンの刑務所で精神鑑定や受刑者のカウンセリングなどに従事する。2016年にパートナーとともに生活拠点を南島のダニーデンへと移し、専業作家としてのスタートを切る。2016年に『死んだレモン』(Dead Lemons(2019年にThe Killing Groundに改題))をAmazon Kindle ダイレクト・パブリッシングで発表し、ナイオ・マーシュ賞新人賞を受賞した。その他の著作にOne Last Kill(旧題Pancake Money)、Good Hot Hate(旧題The Easter Make Believers)などがある。

■訳者紹介

安達眞弓
Mayumi Adachi

外資系企業での社内翻訳者を経てフリーの翻訳者となる。主な訳書にタイラー・ディルツ『悪い夢さえ見なければ』『ペインスケール 』、エリザベス・デイリー『閉ざされた庭で』、マックス・アフォード『闇と静謐』、タン・フランス『僕は僕のままで』などがある。