北町奉行所の同心・戸田惣左衛門、清之介親子が繰り広げる人情味溢れる推理短編集。デビュー作『恋牡丹』に連なる姉妹編に仕上がりました。


 二冊目である『雪旅籠』『恋牡丹』収録作の四編を繋ぐエピソードを描いていただきました。特に、「八丁堀の鷹」と呼ばれてきた戸田惣左衛門の二つ名にふさわしい切れ味鋭い活躍、息子である清之介が不器用ながらも同心の仕事に邁進している姿がより伝わるようにと、考えております。
 今作『雪旅籠』のあとがきにご紹介いただいたように、『恋牡丹』『雪旅籠』収録作の時系列は下記のようになります。ですので、できれば『恋牡丹』と併せて読むことをオススメします。
※太字が『雪旅籠』収録作。ちなみに、表題作の「雪旅籠」「天狗松」が清之介メインのお話し、それ以外は惣左衛門が遭遇した事件を扱っています。
  • 「花狂い」
  • 「埋み火」
  • 「逃げ水」
  • 「神隠し」
  • 「願い笹」
  • 「島抜け」
  • 「出養生」
  • 「恋牡丹」
  • 「雪旅籠」
  • 「天狗松」
  • 「雨上り」
  • 「夕間暮」
そして、事前に『雪旅籠』のゲラ先読み、『恋牡丹』のプレンゼントのキャンペーンを実施しました。ご協力いただきました読者の皆様ご応募及び、コメントの方ありがとうございました。
『雪旅籠』のゲラ読みに当選いただいた方から、いくつかご紹介させていただきます。

(あさうみ様 30代女性)
時代小説を読み慣れていない私が心底惚れこんだ『恋牡丹』! その続編が出るなんてすごく嬉しい! 姉妹編『雪旅籠』両方あわせて楽しみました! 是非、あわせて読まれることをオススメします!! 


(綿木様 20代)
姉妹編の『恋牡丹』を読んでなかったので先に読むべきだったか、と思いましたが単体でも読んでいてとても楽しかったです。
・短編なので読みやすい
・現代を生きる私から読んでも描写が理解しやすい
・主人公(探偵役)が魅力的


(占魚亭様 40代男性)
不可能状況のダブり(雪の密室、人間消失)が気になるものの、滋味あふれる8編収録した本書はハイクオリティな短編集です。そして、本シリーズはここ数年間に書かれた捕物帳及び時代本格ミステリーの最高峰のひとつと言っていいでしょう。
個人的に戸田先生は偉大な時代本格ミステリーの書き手――泡坂妻夫・岡本綺堂・笹沢左保・島田一男・高木彬光・多岐川恭・都筑道夫・横溝正史――の系譜に連なる作家と思っています。
 

(紙幸様 40代女性)
前作『恋牡丹』未読ですが、どの話もまとまっていて、面白く読めました。
おっとりとした江戸の空気感の中で起こる、コンパクトなミニ不可能犯罪。アイデアもバラエティがあります。