奇抜な着想、軽妙なプロットで、短編を書かせては随一の名手。1963年には『未来世界から来た男』で創元SF文庫の記念すべき第一弾を飾ったフレドリック・ブラウン。
その多岐にわたる活躍の中から、111編のSF短編すべてを完全新訳で、年代順に収めた決定版全集・全4巻。

その第3巻『最後の火星人』が、7月13日に単行本で刊行されます! 「スポンサーからひとこと」など代表作をはじめ、本邦初訳5編を含む16編を収録。


と、全4巻の折り返し地点を過ぎたところで、これまでの収録作をリストにしてみました。「旧題」とあるのは、以前に創元SF文庫などに収録されたときのタイトルです。
すでにブラウンに馴染みのある方でも、けっこう未読の作品や、忘れている作品があるのではないでしょうか? 完全新訳の全集刊行を機会に、ぜひもう一度フレッシュな新訳でお楽しみいただければと思います。
もちろん、これが初めてのブラウンという方にも、今回のアップデートされた新訳はおすすめですよ!


●第1巻『星ねずみ』(1941~44年)
原題新訳邦題旧題
Armageddon最後の決戦(ハルマゲドン)悪魔と坊や
Not Yet the Endいまだ終末(おわり)にあらず身代わり
Etaoin Shrdluエタオイン・シュルドゥル諸行無常の物語
Star Mouse星ねずみ星ねずみ
Runaround最後の恐竜最後の恐竜
The New One新入り新しい神
The Angelic Angleworm天使ミミズミミズ天使
The Hat Trick帽子の手品帽子の手品
The Geezenstacksギーゼンスタック一家人形
Daymare白昼の悪夢白昼の悪夢
Paradox Lostパラドックスと恐竜恐竜パラドックス
And the Gods Laughedイヤリングの神かくて神々は笑いき

●第2巻『すべての善きベムが』(1944~50年)
原題新訳邦題旧題
Nothing Sirius不まじめな星シリウス・ゼロは真面目にあらず
The Yehudi Principleユーディの原理ユーディの原理
Arena闘技場闘技場
The Waveriesウェイヴァリーウァヴェリ地球を征服す
Murder in Ten Easy Lessonsやさしい殺人講座全十回殺人十課
Pi in the sky夜空は大混乱狂った星座
Placet Is a Crazy Place狂った惑星プラセット気違い星プラセット
Knockノックの音がノックの音が
All Good BEMsすべての善きベムがすべて善きベムたち
Mouseねずみ
Come and Go Madさあ、気ちがいになりなさいさあ、気ちがいに
Crisis, 1999一九九九年の危機一九九九年
Letter to a Phoenix不死鳥への手紙不死鳥への手紙
Vengeance Fleet報復の艦隊報復宇宙船隊
The Last Train最終列車終列車

●第3巻『最後の火星人』(1950~51年)
原題新訳邦題旧題
Entity Trap存在の檻不死身の独裁者
Obedience服従不滅の巨像
The Frownzly Florgelsフラウンズリー・フロルゲルズ(本邦初訳)
The Last Martian最後の火星人最後の火星人
Honeymoon in Hell地獄のハネムーン地獄の蜜月旅行
Mitkey Rides Again星ねずみ再び星ねずみの冒険
Six-Legged Svengali六本足の催眠術師(本邦初訳)
Dark Interlude未来世界から来た男未来世界から来た男
Man of Distinction選ばれた男選ばれた男
The Switcheroo入れ替わり(本邦初訳)
The Weapon武器武器
Cartoonist漫画家漫画家とスヌーク皇帝
The Domeドームドーム
A Word from Our Sponsorスポンサーからひとことスポンサーから一言
The Gamblers賭事師(本邦初訳)
The Hatchetman処刑人(本邦初訳)