6月上旬刊行の創元SF文庫『第五の季節』は、なんと2016年・2017年・2018年と史上初の3年連続で三部作すべてがヒューゴー賞長編部門を受賞した(3作目はネビュラ賞長編部門も受賞)、破滅SF《破壊された地球》三部作の開幕編です。

カバー&オビ色校正紙

 数百年ごとに〈第五の季節〉と呼ばれる天変地異が勃発し、そのつど文明を滅ぼす歴史がくりかえされてきた超大陸スティルネス。この世界には、地球と通じる特別な能力を持つがゆえに激しく差別され、苛酷な人生を運命づけられた“オロジェン”と呼ばれる人々がいた。そしてまた、“石喰い”と呼ばれる、人間の姿をした謎の存在も……
 あらたな〈季節〉が到来しようとする中、息子を殺し娘を連れ去った夫を追うオロジェンのナッスン。
 オロジェンであると知られたがゆえに家族から引き離され、特異な教育機関フルクラムに連れていかれた少女ダマヤ。
 フルクラムで磨いたオロジェンとしての能力を用い、他者に奉仕することを義務づけられた女性サイアナイト。
 3人の女性の物語は、ジェミシンの見事な語りのなかで縦横に絡みあい、やがては予想もつかない全体像をあらわします。

 もちろん、三部作の続刊も創元SF文庫より発刊予定。まずは、第一作『第五の季節』の衝撃を皆さんも味わってください!


■著者紹介 N・K・ジェミシン
1972年米国アイオワ州生まれ、ブルックリン在住。メリーランド大学カレッジパーク校で教育学の修士号を取得。2002年に小説を発表し始める。2010年のデビュー長編『空の都の神々は』で翌年のローカス賞第一長編部門を受賞。2015年の本作に始まる三部作で、前人未踏の3年連続ヒューゴー賞長編部門受賞を達成(第3部The Stone Skyではネビュラ賞長編部門も受賞した)。

■訳者紹介 小野田和子
1951年生まれ。青山学院大学文学部英米文学科卒業。訳書に、アイザック・アシモフ『夜来たる[長編版]』、アーサー・C・クラーク『イルカの島』、アンディ・ウィアー『火星の人』他多数。