「おまえ一昨日、旧校舎に行ったりしてないよな?」
 ある日、美弥はクラスメイトからそう聞かれたが、彼女は旧校舎に足を踏み入れたこともなかった。
 すると、クラスメイトは呪われた鏡の話を始めた。なんでも旧校舎にある呪われた鏡に姿を映すと、鏡の中の自分が抜け出して襲いにくるのだという……。
 そんなことはあるはずがないと笑い飛ばした美弥だったが、その後身に覚えのない場所で美弥を見たという目撃者が次々と現れ、笑っていられなくなってきた。
 そしてついに美弥自身が自分そっくりな人影に会ってしまったのだ。
  急いで追い掛けた美弥は足を踏み外して階段から落下、あわやというところを助けたのが一匹のとても大きな犬だった。

 なぜか美弥に話しかけることが出来る大きな犬と、その犬を兄と呼ぶ謎の少年は、呪われた品物を集めて各地を巡っているのだという。半信半疑のまま美弥は自分に起きている奇妙な出来事を彼らに打ち明けるが……。

少女の鏡@jinbutsu


 マッグガーデンの配信サイトマグコミでコミック版も好評配信中『魔導の系譜』(単行本1巻も発売 中)の著者が贈る、絆と成長の新たな物語、〈千蔵呪物目録〉シリーズ。

  第2巻『願いの桜』は、町外れに一本だけぽつんと立つ桜をめぐる物語。その桜に願いごとをすると叶うらしい、だが、その代償は……。
2020年秋刊行予定