普段の生活は質素で、日本ほどファッションや外食にお金を使わない。欧米の夫婦は子供をベビーシッターに預けて夫婦2人で外食するというイメージがあるかもしれないが、少なくともわたしの住んでいる街ではそういう話は聞かない。以前、雑誌の取材で30歳と33歳のエンジニアの夫と保育士の妻の夫婦に話をうかがったことがあるが、「外食するのは年に1、2度。親の誕生日など特別なときだけ」と言っていたのが印象的だった。
ブランドもののバッグを持っている人も地元ではあまり見かけない。高校生からおばあちゃんまで、H&Mなどのプチプラブランドで服を買っている。
スウェーデン人が大金を使うのは、年に1度の家族海外旅行や、住まいの購入のときだろうか。貯金をはたいて高い家を買い、インテリアにもこだわる。といっても、新築の一軒家やマンションを買ったり、高級家具やブランド食器を買い集めたりする人は少ない。古い家を買って自分らしくリノベーションするほうがおしゃれだとされているし、祖父母から受け継いだり蚤の市で手に入れた古い家具を自分らしく使うのが流行している。
スウェーデンの住宅価格の上昇が終わる日は近々来るのだろうが、家をいい状態で維持していくのは将来への投資ともいえる。