5月上旬刊行の創元海外SF叢書『空のあらゆる鳥を』は、著者チャーリー・ジェーン・アンダーズのデビュー長編にして、ネビュラ賞・ローカス賞・クロフォード賞の三冠に輝いたSFファンタジイです。

カバーぐるっと

【あらすじ】
 魔法使いの少女パトリシアと天才科学少年ローレンス。特別な才能を持つがゆえに周囲に疎まれるもの同士として友情を育んだ二人は、やがて地球と人類の行く末を左右する運命にあった。しかし未来を予知した暗殺者に狙われた二人は引き裂かれ、別々の道を歩むことに。そして成長した二人は、人類滅亡の危機を前にして、魔術師と科学者という対立するふたつの秘密組織の一員として再会を果たす……。ネビュラ賞・ローカス賞・クロフォード賞受賞の傑作SFファンタジイ。

 破滅SFの色彩を帯びたこの物語は、少年時代から始まり、大人になった二人が再会するところから加速してゆきます。人類が抱えることになる大きな危機と、そこに絡まるさまざまな個人の小さな、しかし大切な思い。いくつもの糸がより合わさったかのような精緻にして感動的な物語。丸紅茜さんの美麗な装画は、今回ぐるりと本を包みます。ぜひお楽しみに。

空のあらゆる鳥を

■著者紹介
チャーリー・ジェーン・アンダーズ
Charlie Jane Anders
米国コネチカット州生まれ。ケンブリッジ大学で英文学とアジア文学を学ぶ。2012年に"Six Months, Three Days"でヒューゴー賞中編部門を受賞。『空のあらゆる鳥を』でネビュラ賞長編部門・ローカス賞ファンタジイ長編部門・クロフォード賞の三冠に輝いた。2008年にサイエンス・カルチャー・ウェブサイトio9を共同創設した人物でもある。トランスジェンダー女性で同性愛者。

■訳者紹介
市田泉
Izumi Ichida
1966年生まれ。お茶の水女子大学文教育学部卒。英米文学翻訳家。訳書に、シャーリイ・ジャクスン『ずっとお城で暮らしてる』、ジョナサン・キャロル『薪の結婚』、ソフィア・サマター『図書館島』『翼ある歴史』、レイ・ヴクサヴィッチ『月の部屋で会いましょう』(岸本佐知子と共訳)など多数。