【2017年ネビュラ賞・ローカス賞・クロフォード賞受賞作】天才科学少年と魔法少女。二人の出会いは必然だったのかもしれない。だが、苛酷な運命は二人を引き裂いた。成長した二人が所属するそれぞれの組織は、破滅に瀕した地球の未来について、真っ向から対立する究極の決断を下したのだ。果たして二人の、そして人類の運命は……
■ユーン・ハ・リー『ナインフォックスの覚醒』(創元SF文庫)
Ninefox Gambit (2016) by Yoon Ha Lee/赤尾秀子 訳
数学と暦に基づき物理法則を超越する科学体系〈暦法〉を駆使し、専制支配を布く星間大国〈六連合〉。この国の若き女性軍人にして数学の天才チェリスは、史上最悪の反逆者にして伝説の戦術家ジェダオの精神をその身に憑依させ、艦隊を率いて巨大宇宙要塞都市の攻略に向かう。だがその裏には専制国家の秘密があった。2017年ローカス賞第一長編部門受賞、ヒューゴー賞・ネビュラ賞長編部門候補作の、新鋭が放つ本格宇宙SF!
■N・K・ジェミシン『第五の季節』(創元SF文庫)
The Fifth Season (2015) by N. K. Jemisin/小野田和子 訳
数百年ごとに〈季節〉と呼ばれる破局的な天変地異が勃発し、文明を滅ぼす歴史を繰り返してきた超大陸スティルネス。この世界には、地殻変動を操る特殊能力を持つゆえに虐げられる「ロガ」と呼ばれる人々がいた。そして今、新たな〈季節〉の到来を巡り、ロガたちの苛烈な旅が始まる――。前人未踏、三年連続で三部作すべてがヒューゴー賞長編部門受賞。ル=グィンの衣鉢を継ぐ新鋭の傑作、ついに邦訳!
■ガレス・L・パウエル Embers of War(創元SF文庫)
Gareth L. Powell (2018)/三角和代 訳
【2019年英国SF協会賞受賞作】星間紛争中のある重大事件で心に深い傷を負った重巡洋艦AI〈トラブル・ドッグ〉。彼女は休戦後、軍を辞めて武装を降ろし、人命救助組織の船としてレスキュー活動に従事するようになっていた。あるとき、すべての惑星がまるごとオブジェに加工されている謎の星系で、何者かに撃墜された民間船の救助に向かった彼女は、ふたたび戦いに巻き込まれる……
■ケイト・マスカレナス『時間旅行者の心理学』(創元SF文庫)
The Psychology of Time Travel (2019) by Kate Mascarenhas/茂木健 訳
1967年のイギリスで、4人の女性科学者がタイムマシンの開発に成功。時間移動を厳格に管理すべく、国家からも独立した〈コンクレーヴ〉と呼ばれる巨大なタイムトラベル運用組織が誕生した。そして2018年、ロンドン郊外において身元不明の射殺体が密室状態で発見される。タイムトラベル絡みの殺人だと判明した事件の真相を突きとめるべく、遺体の第一発見者オデットはタイムトラベラーとしてコンクレーヴに潜入を図る。時間線のもつれを解いた先に現れる真実とは?
■J・P・ホーガン Echoes of an Alien Sky(創元SF文庫)
J. P. Hogan (2007)/内田昌之 訳
失われた地球文明を調査している金星文明は、月の裏側で発見された謎の建造物を調べるため、科学調査団を地球に派遣した。はたしてこの建造物は何のために作られたのか? 金星に生命が発生するはるか以前に滅びた地球文明の謎とは? ハードSFの巨匠が2007年に著した傑作、待望の邦訳!
単行本・創元推理文庫(F)のファンタジイ注目作
■雪乃紗衣『Mystic――ミスティック――』(四六判仮フランス装)
田舎町に住む小学6年生の拓人は、幼い時に神隠しに遭い、行方不明だった2ヶ月間の記憶を欠落している。そんな拓人の元に夏休み初日、バイオリンをもった弓月小夜子と名乗る、年上の見知らぬ少女が現われる。昔、時々拓人の家を訪れ、拓人の母と共に三人で過ごしたことがあるという。母の入院のため夏休みをひとりで過ごすことになった拓人と、小夜子(サヤ)の、夏休みが始まる。自分について語りたがらない謎めいたサヤと、どうしてもサヤを思い出せない拓人。なぜサヤを忘れている…? 《彩雲国物語》の著者が描く、渾身の書き下ろし長編。
■乾石智子『イスランの白琥珀』(四六判仮フランス装)
長年コンスル帝国のライバルとして君臨している謎めいた帝国イスリル。黒衣の魔道士軍団を擁し、コンスル帝国と領地をめぐる小競り合いが絶えない。皇帝が魔道士をつくりだし、黒衣の魔道士軍団が戦いに赴く、そんな魔導帝国の礎を築いたイスランとリルルの魔道士姉妹。姉のイスラン亡き後国の行方を任され、闇に身を潜めてイスリル帝国を作り上げた闇の魔道士の物語。光と陰を併せ持つ魔道士の運命を描く著者渾身のファンタジー。
■白鷺あおい『シトロン坂を登ったら 〈大正浪漫 横濱魔女学校1〉』(創元推理文庫、2月刊)
わたしは花見堂小春、横濱女子仏語塾の三年生。うちの学校はちょっと変わっていて、実は魔女学校なの。創立者のマダム・デルジュモンが魔女で、おかげでわたしたち学生はマダムの母国語フランス語だけでなく、薬草学や占い、ダンス(箒で空を飛ぶことを、そう呼ぶの)も学んでいる。本当はもうひとつ大きな秘密があるんだけど、それはおいおい話すとして。そんなわたしのもとに、新聞記者の甥っ子が奇妙な噂話を持ち込んできた。横濱に巨大な化け猫が出没しているんですって。しかも学校の近くに……。大正末期を舞台にした魔女学校3部作開幕!
■庵野ゆき『水蜘蛛族の秘文』(創元推理文庫、3月刊)
水使い、それはこの世の全ての力を統べる者。水荒れ狂う森深くに棲む伝説の水蜘蛛族の女タータは、砂漠で一人の愛らしい少女を拾う。彼女は〈砂ノ領〉の統治者イシヌ王家の双子の片割れ、ミイア王女だった。跡継ぎである妹を差し置き水の力を示したミイアは、自分が国の乱れの元になることを怖れ、独り城を出たのだ。そんな彼女に水の覇権を争う者たちが迫る。第4回
創元ファンタジイ新人賞優秀賞受賞、驚異の異世界ファンタジイ。
■佐藤さくら『呪は血に眠る』(創元推理文庫、3月刊)
「おまえ一昨日、旧校舎に入ったりしてないよな?」クラスメイトに言われて驚いた。美弥は旧校舎には足を踏み入れたこともない。その後も覚えのない場所で美弥を見たという目撃者が続出、ついに美弥自身も出会ってしまった。そのとき美弥を助けたのは大きな犬と、それを兄と呼ぶ少年朱鷺だった。朱鷺は各地を旅して呪物を集めていた。美弥は自分に起きている奇妙な出来事を打ち明けるが……。
『魔導の系譜』の著者の新シリーズ開幕。
■鈴森琴『忘却城 炎龍の願い』(創元推理文庫)
死者を蘇らせる術で発展した亀珈王国。儒艮が王都首狼街で塾を開いた建物は札付きの幽霊屋敷、初日から怪奇現象が多発し、子どもたちをおびえさせていた。そんな折、瀕死の炎龍が王宮に飛来。龍の言葉を解すのは死人と生きた人間の間に生まれた界人だけのため、急遽儒艮が通訳に指名される。儒艮はある目的を胸に役目を引き受けるが……。緻密で独特の世界感が読む人を引きつけて放さないファンタジイ
〈忘却城〉シリーズ待望の第三巻。
■廣嶋玲子『妖怪の子預かります 10』(創元推理文庫)
弥助は悩んでいた。最近養い親である千弥の様子がおかしいのだ。もともと弥助に大甘で、過保護な千弥であるが、最近はどうもそれだけではなさそうなのだ。おまけに過去のことを忘れているふしがある。千弥は必死で隠しているようだったが、ついには弥助我慢できず千弥を問い詰め、大げんかをしてしまう。そして千弥が姿を消した……。大人気
〈妖怪の子預かります〉シリーズ第1シーズンついにクライマックス!!
■鴇澤亜妃子『嘆きの花の都の物語』(創元推理文庫)
「これは誰? この絵はわたしじゃない」かつてアイリノスの画壇を席巻した画家、ショーン・セーヴ・バートン。自分をモデルに彼が描いた絵をひと目見たショーンの妻ディアーナはつぶやいた。夫は彼女を美神のように崇め、彼女を描き続けたが、ディアーナは次第に生気を失い心を病むようになってゆく「これはわたしではない、幽霊よ」。そして彼女は死んだ。自殺か事故かの疑惑を残して。だが、ディアーナに続いてショーンのモデルを務めた娘もまた、同じような運命を……。ショーンの絵には何かが憑いているのか? 第2回
創元ファンタジイ新人賞受賞の著者が描く狂気に満ちた美の世界。
■ジョーン・エイキン『月のケーキ』(四六判上製)
Moon Cake (1998) by Joan Aiken/三辺律子 訳
幼い娘が想像した「バームキン」を宣伝に使ったスーパーマーケットの社長、だが実体のない「バームキン」がひとり歩きしてしまい、世間を大騒ぎさせることに……『バームキンがいちばん』。ヴァイキングの侵略者が攻めてきた。これまでは魔女である祖母が城を守っていたが、祖母亡き今、城の守りは孫のコラムに託された。果たしてコラムはどんな手段を使って城を守るのか?『にぐるま城』など、奇妙な味わいの14編を収めた短編集。
■フランシス・ハーディング『幽霊熊憑きの少女』(四六判上製)
A Skinful of Shadows (2017) by Frances Hardinge/児玉敦子 訳
英国、17世紀半ば。幽霊が憑依する体質の少女メイクピースは、暴動で命を落とした母の霊を取り込もうとして、旅の一座に虐待されて死んだクマの霊を取り込んでしまう。クマをもてあましていたメイクピースのもとへ、会ったこともない亡き父親の一族から迎えが来る。父は死者の霊を取り込む能力をもつ旧家の長男だったのだ。屋敷の人々の不気味な雰囲気に嫌気が差したメイクピースは逃げだそうとするが……。ハーディングの最新作。
Enchanted Ever After (2019) by Shanna Swendson/今泉敦子 訳
この二年間、マジカルバトルを闘い、陰謀の黒幕と対決し、魔法界のマフィアに潜入し、さまざまな任務を全うしてきた。だが、このミッションほど緊張したことはない。愛するオーウェンとの結婚式のために、ウェディングドレスのセールで、お気に入りの一着を手に入れるのだ。友人たちと協力して作戦開始。ところが、会場で魔法を使ったいざこざが発生。大勢の人々が魔法を目撃してしまう。誰かがわざと魔法を人目にさらそうとしている? ケイティはオーウェンの反対を押し切り、調査を始める……。
大人気シリーズ、ついにグランドフィナーレ!
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東京創元社からのお年玉として、公式キャラクター「くらり」のオリジナルグッズをご用意しました。以下のものをまとめたセットを、抽選で5名様にプレゼントします!
・くらりステッカー
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応募方法は東京創元社の公式Twitterアカウント(@tokyosogensha)をフォローし、下記のツイート(以下をクリック)をリツイートするだけ!
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