〈指輪物語〉『ホビットの冒険』はファンタジイの礎を築いた作品としてあまりにも有名ですし、ピーター・ジャクソン監督の映画もアカデミー賞史上最多タイ11部門を受賞するなど世界的なヒットとなりましたが、著者トールキン本人の生涯についてはあまり知られていないのではないでしょうか。以下に本当に簡単にご紹介します。
1892年銀行家の息子として、南アフリカで生まれたトールキンは、母に連れられ移り住んだ母の故郷イギリスのバーミンガムで育つが、幼い頃に父が、そして12歳のときには母も病死、弟とふたり母の友人である神父の後見を受けることになる。
キング・エドワード校を経てオックスフォード大学に進学したトールキンだったが、第一次世界大戦に従軍、第一次大戦最大の会戦といわれるソンムの戦いから奇跡的に生還、やがてオックスフォード大学で教鞭をとりつつ、『ホビットの冒険』を発表、その後発表した〈指輪物語〉も大評判となる。
1973年81歳で死去。
(『J・R・R・トールキン 或る伝記』評論社、『J・R・R・トールキン 世紀の作家』評論社など伝記も出ています!)
映画『トールキン 旅のはじまり』は、そのなかでも、彼の前半生に焦点をあてています。キング・エドワード校の仲間たちとの友情、下宿先で出会ったエディスとの恋、そしてソンムの戦いでの体験など、トールキンの作品に大きな影響を与えた出来事がドラマティックに描かれています。
そんな〈指輪物語〉『ホビットの冒険』の背景を探りながら観るもよし、英国の若手イケメン俳優満載の愛と友情の感動作として観るもよし。一粒で二度おいしい映画です。

ちなみに登場するのは、初恋の人エディス以外はほぼ男、そういえば〈指輪物語〉もアルウェンやガラドリエルやエオウィン以外はほぼ男、『ホビットの冒険』に至っては女性は登場しなかったような……。
あの、女性が極端に少ない作品は、トールキン自身の置かれた環境から生まれたんですね。
トールキンを演じるニコラス・ホルトは、ベネディクト・カンバーバッチ似の正統派の英国美青年、友人を演じる俳優たちもみんななかなか素敵でした。


キング・エドワード校やオックスフォード大学の、いかにも英国らしい建物や風景も素晴らしく、それだけでも一見の価値あり。
一粒で二度どころか、三度でも四度でもおいしい、原作ファンも、映画ファンも必見の作品です。
8月30日からTOHOシネマズ日比谷他でロードショー。










