2019年1月から、創元推理文庫創刊60周年を記念して始動した〈名作ミステリ新訳プロジェクト〉。これまで7冊の、いずれ劣らぬ名作たちを新たな姿で送り出してきました。そしてもうじき、8冊目となるイアン・フレミング『007/カジノ・ロワイヤル』(白石朗訳)、来月には9冊目となるヒラリー・ウォー『生まれながらの犠牲者』(法村里絵訳)を皆さまにお届けします。

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さて、その次は……? と気になるかたも多いはず。ここで、第10弾の詳細をお知らせします。
〈名作ミステリ新訳プロジェクト〉第10弾は……

小森収編『短編ミステリの二百年1(仮)』

プロジェクト初となるアンソロジーの登場です!
本書は、書評家の小森収先生が当〈Webミステリーズ!〉で現在も連載中の評論「短編ミステリ読みかえ史」をベースに、19世紀から21世紀にわたり発表された厖大な海外ミステリ短編の中から、厳選した名作傑作を収録する全6巻のアンソロジーです。

このアンソロジーは以下のような編集方針となっています。

・短編は可能なかぎりすべて新訳で収録
・江戸川乱歩編『世界推理短編傑作集』と収録作品の重複なし
・「短編ミステリ読みかえ史」を改稿した、作品解説としても読める評論を各巻に収録


第1巻には11人の著者による12短編を収録しました(1作家1短編とはかぎらないのも特徴です)。12編すべて、本書のための新訳です。
ここで、その目次をどこよりも早く公開いたします! どんっ!


「霧の中」
リチャード・ハーディング・デイヴィス/猪俣美江子訳
「クリームタルトを持った若者の話」ロバート・ルイス・スティーヴンスン/直良和美訳
「セルノグラツの狼」サキ/藤村裕美訳
「四角い卵」サキ/藤村裕美訳
「スウィドラー氏のとんぼ返り」アンブローズ・ビアス/猪俣美江子訳
「創作衝動」サマセット・モーム/白須清美訳
「アザニア島事件」イーヴリン・ウォー/門野集訳
「エミリーへの薔薇」ウィリアム・フォークナー/深町眞理子訳
「さらばニューヨーク」コーネル・ウールリッチ/門野集訳
「笑顔がいっぱい」リング・ラードナー/直良和美訳
「ブッチの子守歌」デイモン・ラニアン/直良和美訳
「ナツメグの味」ジョン・コリア/藤村裕美訳
  *
「短編ミステリの二百年」小森収


第1巻は1901年に発表された雰囲気抜群の綺譚「霧の中」(かつて東京創元社〈世界大ロマン全集〉4巻『緑のダイヤ』「霧の夜」の題名で収録)を巻頭に、『新アラビア夜話』集中随一の傑作「クリームタルトを持った若者の話」、深町眞理子先生の翻訳によるフォークナーの名作「エミリーへの薔薇」や、編者がウールリッチの最高傑作短編と断じる「さらばニューヨーク」、サリンジャーが作品中で絶賛した珠玉の短編「笑顔がいっぱい」などなど、マスターピースぞろい! 第2巻以降の準備も着々と進んでおりますので(そんな著者のあんな短編が新訳に!)、どうぞお楽しみに。

まだまだ続く〈名作ミステリ新訳プロジェクト〉を、このあともどうぞよろしくお願いいたします!!


■〈名作ミステリ新訳プロジェクト〉ラインナップ

1月 『ミス・マープルと13の謎』(アガサ・クリスティ著 深町眞理子訳)
2月 『クロイドン発12時30分』(F・W・クロフツ著 霜島義明訳)
3月 『赤い館の秘密』(A・A・ミルン著 山田順子訳)
4月 『Xの悲劇』(エラリー・クイーン著 中村有希訳)  
5月 『血の収穫』(ダシール・ハメット著 田口俊樹訳)
6月 『白い僧院の殺人』(カーター・ディクスン著 高沢治訳)
7月 『わらの女』(カトリーヌ・アルレー著 橘明美訳)
8月 『007/カジノ・ロワイヤル』(イアン・フレミング著 白石朗訳)
9月 『生まれながらの犠牲者』(ヒラリー・ウォー著 法村里絵訳)
10月 『短編ミステリの二百年1(仮)』(小森収編 深町眞理子他訳)← NEW!

(東京創元社M)

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