ホラー・ジャパネスクと怪談実話の興隆で幕を開けた平成の怪奇小説シーンは、やがて多くの人気作家や異色作家を巻きこみながら、幻想と怪奇と恐怖の絢爛たる坩堝(るつぼ)を形成してゆく……平成の三十余年間に生み出された名作佳品を、編年体で全三巻に精選収録する最新のアンソロジーが実現。最高の作家たちによる、至高の怪奇小説傑作選!
第一巻は、平成元年に発表された吉本ばなな「ある体験」を皮切りに、平成十年に発表された宮部みゆき「布団部屋」までの15作を収録。
猛暑の夏を、涼しく過ごすための、一番の妙薬です。
収録作品
ある体験 吉本ばなな
墓碑銘〈新宿〉 菊地秀行
光 堂 赤江瀑
角の家 日影丈吉
お供え 吉田知子
命 日 小池真理子
正月女 坂東眞砂子
百物語 北村薫
文月の使者 皆川博子
千日手 松浦寿輝
家ーー魔象 霜島ケイ
静かな黄昏の国 篠田節子
抱き合い心中 夢枕獏
すみだ川 加門七海
布団部屋 宮部みゆき
編者解説 東雅夫