今年5月に『少女の時間』を文庫刊行した〈柚木草平シリーズ〉。はやくも、続編が登場です。今作は、これまでのシリーズとは異なり、柚木は神奈川県内での事件に挑みます。しかも、観光客も多い鎌倉が舞台となっています。
そりゃそうですよね、柚木草平は警視庁OBであり、愛人でもある吉島冴子からの情報や直接の調査依頼もあったわけですから。都内の事件の方が、各地の警察署にも知り合いも多く、土地勘もありますからね、初の都外での事件にはたして……。
『少女の時間』の事件で知り合った、NPO法人などを運営する、美人母娘から急な呼び出しを受けた柚木は、一人の女性を紹介される。鎌倉の薬膳研究家とのことだが、彼女の失踪した同級生の目撃情報が多出しているので、調べて欲しいという。さっそく、翌日に鎌倉に向かった柚木だが、さらに殺人事件に巻き込まれて……。
というわけで、新作『うしろから歩いてくる微笑』の発売日でもある先週末に、鎌倉に行って参りました。個人的には7年ぶりの鎌倉です。
柚木が情報集めにあるお店を訪ねる「小町通り」は、国内外の観光客がとても多く賑わっていました。鶴岡八幡宮にも浴衣姿の観光客が散策しており、夏らしい風景に癒やされます。また鶴岡八幡宮に向かう若宮大路には、レトロな鎌倉彫のお店から、最新のカフェまで並び、食べ歩きをする若者や、家族連れなども数多く見られました。
ちなみに今回のもう一つの目的が、知人の飲食店が鎌倉にできたので、そちらにお邪魔することでした。銀座で、カレーやシチュー、洋食好きに愛されていた『銀座古川』が、鎌倉に移転オープン(鎌倉市小町2-12-35 大路ビル2階)。こちらでカレーを食べなければ夏が始まらない。同行した「くらり」も大満足でした。