落下世界 上
落下世界 下


 気がつくと、世界は虚空に浮かぶ小島になっていた……
 数キロメートル四方の地面がすっぱりと断ち切られてしまった高層ビル街で目覚めた主人公は、その事実に驚愕する。しかも、自分も含めて周囲の人々みなが記憶を失い、なぜそうなったのかは誰にもわからない。
 主人公である“彼”が持つ手がかりは、目覚めたときにポケットの中に入っていた写真とパラシュートつきの人形、そして自分の血で描いた地図らしき図のみ。彼こと“フォーラー”は、そのわずかな手がかりをたよりに、一か八かこの世界の縁から飛び降りて、別の島――別の世界を目指す!
 はたして、“下”には何が待ち受けているのか? そして世界はなぜこんなにも奇妙な姿になってしまったのか? 真実を求めるフォーラーが出遭うものとは……

 著者ウィル・マッキントッシュは2010年に"Bridesicle"でヒューゴー賞短編部門を受賞した新進作家。その日本初紹介となるのが、8月刊行の長編冒険SF『落下世界』(茂木健訳)。奇抜な設定にはじまって、次々と予想もしない事態が連続する、息をつかせぬジェットコースター・エンターテインメントSFです。
 また、緒賀岳志氏のカバーイラストは上下に並べるとつながるデザインになっていて、こちらもぜひお手にとって見ていただきたい出来映えです。どうぞお楽しみに!