BD(バンドデシネ)ブーム、到来?!
話題作が続々とリリース!


 〈バンドデシネ〉とは、フランス、ベルギー、スイスなど、フランス語圏のマンガを指す言葉。BD(ベーデー)と略されることもあります。
 複雑で技巧に満ちたアートワークが特徴で、日本のマンガとも英語圏のコミックとも違った独自の展開を遂げており、フランスでは"第9の芸術"とも称されています。
 日本でも古くは『タンタンの冒険』のエルジェ、SFだと、メビウス、エンキ・ビラルあたりが有名だと思います。知っている人は知っているといったところでしょうか。
 BDはこれまでも何作か日本に紹介されてきましたが、2010年11月からは各社より話題作が続々と刊行され、今後もリリースが予定されています。

 きたるBDブームの到来を前に、今回、国書刊行会、小学館集英社プロダクション、飛鳥新社の3社から、このたび刊行された話題のBD3作品を2冊ずつ、〈Webミステリーズ!〉の読者の方々にプレゼントさせていただくこととなりました。

 ご希望の方は、下記の3作品のうちから御希望の作品をひとつお選びください。

  『イビクス』(国書刊行会)
  パスカル・ラバテ 著/古永真一 訳
  定価:2,625円 ISBN 978-4-336-05280-3
  
イビクス

 【詳細、担当編集者からのメッセージはこちらをご覧ください】

 『氷河期』(小学館集英社プロダクション)
  ニコラ・ド・クレシー 著/大西愛子 訳
  定価:3,150円 ISBN 978-4-796-87080-1
  
氷河期
氷河期

 【詳細、担当編集者からのメッセージはこちらをご覧ください】

 『天空のビバンドム』(飛鳥新社)
  ニコラ・ド・クレシー 著/原 正人 訳
  定価2,835円 ISBN 978-4-86410-044-1
氷河期
氷河期

 【詳細、担当編集者からのメッセージはこちらをご覧ください】



プレゼント応募要項


ご希望のかたは、下の応募フォームよりお申し込みください。プレゼント選択ラジオボタンご希望の作品を一つチェックしてくださいをチェックしてください。ご応募多数の場合は抽選となります。当選発表は、作品の発送をもって代えさせていただきます。

 

お申し込み締切 2010年12月31日(土)





お申込み登録には株式会社パイプドビッツのシステム「スパイラル」を利用しており、送信されたデータは暗号化された通信(SSL)で保護されます。


・『イビクス』(国書刊行会) 【プレゼント品紹介に戻る

 こんにちは。国書刊行会の《BDコレクション》担当編集です。
 皆さんは「バンドデシネ」という言葉をご存知ですか?
 フランス、ベルギー、スイスなど、フランス語圏のマンガを指す言葉で、BD(ベーデー)と略されたりすることもあります。日本でも古くは『タンタンの冒険』のエルジェ、SFだと、メビウス、エンキ・ビラルあたりが有名だと思いますので、知っている人は知っている、といったところでしょうか。

 このあたりのバンドデシネは、たいてい大判でフルカラー、ページ数も少ない形式で出版されていて、ビジュアルブックとしても楽しめる内容になっていますが、実は、1990年代以降、ちょっと判型が小さくなって、よりページ数も多くなり、モノクロで「読ませる」内容のものが増えてきているのです。

 弊社では、このような「読ませる」内容のモノクロBDを紹介するべく、《BDコレクション》叢書を立ち上げました。
 第1弾となる『イビクス』は、なんと500ページを超える大作!
 アレクセイ・ニコラエヴィッチ・トルストイなるロシア人作家の原作を(『戦争と平和』のレフ・トルストイではありませんよ!)大胆に脚色したバンドデシネ作品です。ロシア革命の時代を背景に、いろんな人、事件に巻き込まれつつも(集団リンチにあってぼこぼこにされたりもするのです)、しぶとく生き残る男の半生が描かれています。伯爵と名乗ってはへぼい金儲けを企んだり、泥棒に近いようなことをしたり、女にひっぱりまわされたりする、いわゆるダメ人間文学とも読める内容になっていて、海外文学読みの方々にもぜひ読んでもらいたいところであります。ロシア革命をよく知っていても知らなくてもコミカルな主人公のキャラクターのおかげで実に読ませるんです、これが。え?
 これで終わりなの? というラストにも驚愕していただきたい!

 《BDコレクション》は今後、第2回配本の『ひとりぼっち』、第3回配本の『アランの戦争』と続いていきますが、現在のバンドデシネの奥深さを感じさせる、まったくカラーの違う作家・作品を紹介していきます。

 《BDコレクション》特設ホームページも開設中。《BDコレクション》の詳細な内容紹介はもちろん、他社のBD作品紹介、イベント情報なども掲載しています。

http://www.bdcollection.jp/

 ぜひともこの機会に、バンドデシネの新潮流を味わってみてはいかがでしょうか。

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・『氷河期』(小学館集英社プロダクション) 【プレゼント品紹介に戻る

 こんにちは。小学館集英社プロダクションの『氷河期―ルーヴル美術館BDプロジェクト―』の担当編集です。

 11月9日刊行の『氷河期』は、なんと、あのパリのルーヴル美術館が公式に手掛けたBD(ベー・デー)です。BDというのは「バンド・デシネ」の略で、フランス語圏の漫画のこと。日本のマンガや、英米圏のアメコミとは異なる独自の文化を発展させており、特にその「絵」の素晴らしさから、フランスでは「第9の芸術」とも呼ばれています。その第9の芸術BDに「美の殿堂」ルーヴル美術館が本気で取り組んだ! それがこのルーヴル美術館BDプロジェクトです。

 本書『氷河期』の舞台となるのは、近未来のパリ。地表は氷河に覆われており、ひと握りの人間を残して、歴史も、文明も、すべて死に絶えています。そんななか、「失われた文明」を求めて豪雪地帯を進む考古学調査団の一行は、雪と氷に覆われた世界で、巨大な建造物を発見します。そこは、膨大な数の絵画や彫刻が納められた、まさに美の殿堂。ところが、過去の歴史や文明をまったく知らない彼らには、それが何なのかがさっぱり分かりません。にもかかわらず、彼らは訳知り顔でめちゃくちゃなストーリーをでっちあげていきます。

 一方、物語のなかで唯一真実にたどり着くのが、ハルクという名の犬です。このハルク、遺伝子操作をほどこされていて、しゃべることもできますし、なんと嗅覚を使って年代を測定することもできます(なぜかブタの遺伝子もちょっとまざっていて、見た目はブタにしか見えないのですが)。一行とはぐれたハルクが迷い込んだのは、ルーヴル美術館の古代展示室。そこには、おしゃべりな美術品たちが待っていて、自分たちを理解する能力を持ったハルクに口ぐちに話しかけます。やがて美術品たちは、ハルクにある大きなミッションを託すことになるのですが……。

 と、ここから先はぜひ本編でお楽しみいただければと思いますが、本書の魅力はなんといっても登場するたくさんの美術品です。第二次世界大戦中の秘められた美術品の逃亡劇から、エトルリア彫刻「ネミ湖の女神像」の前でスケッチをしている痩せた男は実は……? といったトリビアまで、さまざまなルーヴルの秘密が本書のなかに隠されています。巻末には、美術専門家による解説も収録していますので、かつてない美術案内書としてもお楽しみいただけます。

 ぜひこの機会に、ハルクたちと一緒にルーヴル美術館の迷宮に迷い込んでみませんか?
 ? Futuropolis / Mus?e du Louvre ?ditions, 2005

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・『天空のビバンドム』(飛鳥新社) 【プレゼント品紹介に戻る

 1994年に第1巻が発表された『天空のビバンドム』(Le Bibendum C?leste)は、ニコラ・ド・クレシーの代表作で、まずはそのビジュアルが大きな話題となりました。家にあった画材をすべて投入した本作は、水彩、カラーインク、アクリル、ガッシュ、クレパス(オイル・パステル)、コラージュとあらゆる技法が詰め込まれています。ド・クレシー自身、絵に関するテーマが「実験」だったと語るように、1ページごとにタッチを変えて、漫画作品としては他に例を見ない自由な描写となっています。

 本作は欧米のみならず、日本の漫画家・アニメーション作家にも多大な影響を与えました。

 本書は、その翻訳版です。物語は、ピュアなアザラシのディエゴを操って、自分たちに都合の良い「物語」を作ろうと、市の権力者や悪魔、犬や鶏たちもが争うファンタジー・ストーリー。
 首だけになったロンバックス教授や乱暴者の悪魔が物語のナレーションを奪い合ったり、無数の人間の集合体で出来た市長が「愛のノーベル賞」をディエゴに獲らせようと企てます。はたまた、犬たちが語る摩訶不思議な人間の歴史まで飛び出して……。「物語」を手中に入れたい者たちの面白おかしいドタバタを、自由奔放なタッチで綴る漫画作品。味わい深い線画の表情と、驚異のカラーリングは、フランス漫画の最高峰に位置するビジュアルだと言われた、記念碑的傑作です。

 公式サイト:http://www.asukashinsha.jp/s/crecy/

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(2010年12月6日)


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