EQMMコンテストの全貌を知るには、その受賞作を見る必要があります。ただし、それは、いまとなっては、たいへん厄介なことです。まず、不完全なリストをご覧いただくことにしましょう。とにかく、コンテストの受賞作です。
◎第1回コンテスト(1945年)
第1席 マンリイ・ウェイド・ウェルマン「戦士の星」
第2席 ウィリアム・フォークナー「配合の問題」/マニング・コールズ「幽霊に手錠はかけられぬ」/T・S・ストリブリング「ジャラッキ伯爵釣りに行く」/フィリップ・マクドナルド「殺意の家」(殺意)/ヘレン・マクロイ「燕京綺譚」/アントニー・ギルバート「死刑台には二度のぼれない」
第3席 ナイオ・マーシュ「出口はわかっている」(出口はわかる)/Q・パトリック「十一才の証言」/マイケル・イネス「解剖学教室」/クレイグ・ライス「さよなら、グッドバイ!」(グッドバイ・グッドバイ!)
第4席 ケネス・ミラー「女を探せ」/ジェローム&ハロルド・プリンスThe Watchers And The Watched/フランシス・クレイン「青い帽子」/クリフォード・ナイトThe Affair at The Circle T
名誉拾遺(探偵小説コンテスト最終解決探偵小説) ブリス・オースティンThe Final Problem

◎第2回コンテスト(1946年)
第1席 H・F・ハード「名探偵、合衆国大統領」
最高特賞 カーター・ディクスン「魔の森の家」
第2席 Q・パトリック「ルーシイの初恋」/ロイ・ヴィカーズ「手のうちにある殺人」/ヒュー・ペンティコースト「読者への挑戦」/マイケル・イネス「ハンカチーフの悲劇」/レスリー・チャータリス「クォーター・デッキ・クラブ」/フィリップ・マクドナルド「木を見て森を見ず」/ヴァイオラ・ブラザーズ・ショアRopes End/T・S・ストリブリング「八十一番目の標石」
第3席 ヘレン・マクロイ「カーテンの向こう側」/エドマンド・クリスピン「デッドロック」/A・E・マーチン「天から降って来た死体」/エリザベス・ホールディングPeople Do Fall Downstairs/スチュアート・パーマー「指紋は偽らず」
特別処女作賞 R・E・ケンダル「駆け込み訴え」/ジャック・フィニイ「未亡人ポーチ」/ハリイ・ケメルマン「九マイルは遠すぎる」

◎第3回コンテスト(1947年)
第1席 アルフレッド・セグレ「裁きに数字なし」
第2席 クレイトン・ロースン「この世の外から」/フィリップ・マクドナルド「銀色と金色の紐」/ヒュー・ペンティコースト「心理的拷問」/Q・パトリック「母親っ子」/ヘレン・マクロイ「鏡もて見るごとく」/ブレット・ハリデイ「逃亡犯罪人引渡し法」 最優秀処女作特別賞 スタンリイ・エリン「特別料理」
最優秀シャーロッキアーナ特別賞 ロバート・アーサー「謎の足跡」
最優秀大学生作品特別賞 リンク・クルーセン(プリンストン大学)The Silver Dollar
最優秀はなれわざ特別賞 ジャック・モフェット「女と虎と」
最優秀国外作品特別賞 A・E・マーティンThe Power of the Leaf(オーストラリア)/ホルヘ・ルイス・ボルヘスThe Garden of Forking Paths(アルゼンチン)/ヴィクター・パーラThe Maul,the Sword,and the Sharp Arrow(ポルトガル)/H・T・アルフォンFourth Rule for Murderers(フィリピン)/アーサー・ウィリアムズ「この手で人を殺してから」(南アフリカ)

◎第4回コンテスト(1948年)
第1席 ジョルジュ・シムノン「幸福なるかな、柔和なる者」
第2席 ウィルバー・ダニエル・スティール「土に還る」
第3席 ニコラス・ブレイク「白の研究」/スタンリイ・エリン「お先棒かつぎ」/ジョゼフ・シアリング「翡翠のリンゴ」/ベン・ヘクト「二重露出」/エドマンド・クリスピン「〈悲愴〉殺人事件」
第4席 バリイ・ペロウン「絞首刑綺譚」/ミリアム・アレン・ディフォードBeyond the Sea of Death/ジョン・ディ・シルヴェストロThe Big Shots/フレドリック・ブラウン「1999年」/ヴィンセント・コーニアThe Monster/ケリイ・ルース「打ちそこなったゴルフ・ボール」
特別賞 Q・パトリック「汝は見たまう神なり」/ヘレン・マクロイ「歌うダイアモンド」/クレイトン・ロースン「天外消失」/レスリー・チャータリス「神の矢」/ロイ・ヴィカーズ「つぎはぎ細工の殺人」/リリアン・デ・ラ・トーレ「名提琴のゆくえ」/トーマ・ナルスジャック「吸血鬼」
特別処女作賞 トマス・フラナガン「北イタリア物語」(玉を懐いて罪あり)/フロイド・マハンナ「マリアはなんでも知っている」/ミルドレッド・アーサーThe Queen Is Dead/ハール・クックRiding the Ghost/ヴィニー・ウィリアムズA Murder of the Tax Payers' Murder/T・M・マクデイドLet Me Help You With Your Murders/メアリー・アダムズ・サレットSubject to Review/I・J・ジェイThe Gewgaw Murder/ジョン・グレンジャーSmall Murder/スティーヴン・バー「ある囚人の回想」/フランシスコ・A・ブランコThe Dwarfs’Club

◎第5回コンテスト(1949年)
第1席 ジョン・ディスクン・カー「パリから来た紳士」
第2席 ウィルバー・ダニエル・スティール「レディ・キラー」/A・H・Z・カー「誰でもない男の裁判」/クレイグ・ライス&スチュアート・パーマー「汽笛一声」/スタンリイ・エリン「アプルビー氏の乱れなき世界」/マージェリイ・アリンガム「ある朝絞首台に」/Q・パトリック「少年の意志」/フィリップ・マクドナルド「おそろしい愛」
第3席 ヴァイオラ・ブラザーズ・ショアThe Case of Karen Smith/ジョン・D・マクドナルド「懐郷病のビュイック」/ジェローム&ハロルド・プリンス"Can You Solve This Crime?"/T・S・ストリブリング「個人広告の秘密」/ミリアム・アレン・ディフォード"I Murdered a Man"/アンソニイ・バウチャーCrime Must Have a Stop/クレイア&マイケル・リプマンThe Walking Corpse/ロイ・ヴィカーズ「絹糸編みのスカーフ」/バリイ・ペロウン「頭紋」
シャーロッキアーナ特別賞 オーガスト・ダーレスThe Six Silver Spiders 物故作家発掘特別賞(Special Posthumous Award) フレデリック・アーヴィング・アンダーソンThe Man from the Death House
リドル・ストーリイ特別賞 ピーター・ゴドフリー「女と龍と」/ジョージ・エヴェレストAbracadabra, the King of the Dolls
特別賞佳作(Special Added Prizes) フランシス・ボナミー「装填された家」/ウィル・アワズラーThe Shadow and the Shadowed/シャーロット・アームストロング「オール・ザ・ウェイ・ホーム」(帰り道)/ハリイ・ケメルマン「わらの男」
処女作特別賞 J・キャメロン・スミスThe Rustling Tree/ギルバート・トーマスNatural Selection/スチュアート・C・ベイリーBecause of Soney/ダン・ソンタップ「ダニイ・ボーイ」/ルース・アリックス・アシェンThe Woman Who Was Afraid/ヘンリイ・E・ジャイルズThe Sheriff Went to Cincinnati/E・G・アシュトンCameron's Cave/H・C・キンケイドMurder on a Bed

◎第6回コンテスト(1950年)
第1席 シャーロット・アームストロング「敵」
第2席 A・H・Z・カー「市庁の殺人」/スタンリイ・エリン「好敵手」/ヴァイオラ・ブラザーズ・ショア'Bye Bye',Bluebeard/ロイ・ヴィカーズ「ヘア・シャツ」/クレイグ・ライス&スチュアート・パーマー 「罠を探せ」
第3席 Q・パトリック「はるか彼方へ」/ヒュー・ペンティコースト「矛盾だらけの事件」/オリヴァー・ラ・ファージWoman Hunt No Good/ナイジェル・モーランドFlowers for an Angel/T・S・ストリブリングAdventure of Andorus Enterprises
佳作(added prizes) ピーター・ゴドフリー「ニュートンの卵」/ケム・ベネット「自由の鐘を鳴らせ」/メアリー・アダムズ・サレットBuck Fever
最優秀「ミステリ」特別賞 C・S・フォレスター「希望を実現した男」
最優秀スパイ小説特別賞特別賞 ロード・ダンセイニMost Dangerous Man in the World
最優秀ユーモア小説特別賞 パーシヴァル・ワイルドP.Moran,Personal Observer
最優秀歴史小説特別賞 リリアン・デ・ラ・トーレ「三重の密室」
最優秀パスティーシュ特別賞 バリイ・ペロウン「瓜二つの御者」
最優秀怪談特別賞ローレンス・カーク「幽霊は年をとらない」
最優秀シャーロッキアーナ特別賞 エドワード・G・アシュトンInternational Investigators,Inc.
最優秀ショートショート特別賞 ヴィンセント・コーニア0Time, in Your Flight
探偵小説作家のための探偵小説賞 ロバート・アーサー「五十一番目の密室」
処女作特別賞 リサ・ロビニューPerchance to Dream/J・W・ウェルズHis First Bow/ハリー・マイナーCorpus Delicti/ウォルター・E・チョークLike an Apple/サム・ヤングGifts for His Highness/ガイ・ド・ヴェリイVertigo/ロバート・パッサーノ「道化役者のパンチネーロ」

◎第7回コンテスト(1951年)
第1席 トマス・フラナガン「アデスタを吹く冷たい風」
最高特賞 エドガー・パングボーン「歌う杖」
第2席 ドロシー・ソールズベリイ・デイヴィス「春のあらし」/A・H・Z・カー「虎よ虎よ」/スタンリイ・エリン「君にそっくり」/ヴェロニカ・パーカー・ジョーンズ「帰郷」/ジョン・W・ヴァンダーコックThe Challenge
第3席 ジェイムズ・ヤッフェ「ママは何でも知っている」/メイベル・シーリイ「ネラが住んでいた家」/オクティヴァス・ロイ・コーエン「警官は嘘を吐かない」/エリザベス・ホールディング「さらば大きな女よ」/E・C・ベントリーThe Feeble Folk/バリイ・ペロウン「行きずりの女」(いまにして思えば)/マーガレット・ペイジ・フード「緑の雑草」/ベイナード・ケンドリック「5-4=殺人犯人」
特別賞 ガートルード・ダイアマント「バルドンネッキアの雪」/ジェイン・マクルーアDark Interlude/ハワード・ショーンフェルドThe Tea Pusher/マーク・ヴァン・ドーレン「おふくろ」/Q・パトリック「鳩の好きな女」/フレッチャー・フローラ「焦熱地帯」/ロバート・パッサーノ「親友」/W・ハイデンフェルド「〈引立て役倶楽部〉の不快な事件」(“わき役クラブ”の不快な事件)
処女作特別賞 キティ・ハーウッドPapa's Going Bye-Bye/ジョン・ユージイン・ヘイスティ「犯罪ア・ラ・カルト」/ハワード・F・オルドリッジThe Horns Were Wet/エルバ・O・キャリアHonest Abe/S・R・ロスYou Got to Have Luck/バーバラ・ヴェタレインDear Departed Harold/マクシー・ブルックMorte d'Alain

◎第8回コンテスト(1952年)
第1席 スティーヴ・フレイジー「追うものと追われるもの」
第2席 ロイ・ヴィカーズ「猫と老婆」/スタンリイ・エリン「壁をへだてた目撃者」/A・H・Z・カー「誰かと、誰かが…」/リリアン・デ・ラ・トーレThe Stroke of Thirteen
第3席 ドロシー・ソールズベリ・デイヴィス「生まれながらの殺人者」/エリザー・リプスキイ「慈悲の心」/ジェイムズ・ヤッフェ「間一髪」/シャーロット・アームストロング「笑っている場合ではない」(女が嘲笑うとき・笑いとばせ!)/トーマス・キッド「空の法廷」/リチャード・デミング「未解決事件簿」/ブローニング・ノートンThe Panther/ゼルダ・ポプキンJunie‐No‐Name/アントニー・バウチャー「怪物に嫁いだ女」/ヘンリー・マイヤーズNothing so Hard as a Diamond/マーガレット・ペイジ・フード「早く起こすよ」
特別賞 フィリス・ベントリー「山荘」/フランク・スウィナトンMs.in a Safe/ウィリアム・マーチ「巣箱」/ヤングマン・カーターLondon Nights Entertainment/C・B・ギルフォード「探偵作家は天国へ行ける」/ウィル・スタントンThe Town Without a Straight Man/ヒュー・A・マリガンFather Was Always Right/ジョン・F・スーター「フィルムの切れ目」/L・A・G・ストロングThe Clue That Wasn't There/ミリアム・アレン・ディフォードThe Crasy House
佳作(added awards)短編 ハワード・ショーンフェルド「神の子らはみな靴を持つ」/フレッチャー・フローラ「追われて」/キャリー・ルーカスUnknown Quantity/デニス・ウィーガンドThe Street of the Buzzards/ウィリアム・エイブラハムズThe Poison Typewriter/ジョン・L・ヘイワード‘Bye,’Bye,Darling/レスリー・ビッグロウGlimpses of the Moon/ヘイドン・ハワードPass the Bottle
佳作(added awards)ショートショート エドガー・パングボーン「にやおうん」/ウィル・C・ブラウンOne for the Road/ベン・レイ・レドマンAll Day Sunday/イーヴリン・E・スミス「本当に単純なこと」/ラルフ・ノーマン・ウェーバーThe Survivor/グローヴァー・ブリンクマンCaribbean Blow/デイヴィッド・ヴィンセント・シーハンA G Is a G
物故作家発掘特別賞 M・P・シール「プリンス・ザレスキー再び」(ザレスキー公爵の復活)
処女作特別賞年間最優秀作 E・C・ウィットハムThe Silver Supurs
処女作特別賞入選作 ラルフ・ジョーンズMurder at Chanticlear Hall/ドナルド・マクナット・ダグラス「グリニッジ・ヴィレッジの幽霊」/ラファエル・ヘイズThe Man Who Could Not Die/E・H・レイニアCinder City Blues/アルジーン・メルサーDoublecross/シドニー・ローランドThe McGregor Affair/エリナー・セント=ジャーメインRoll Call/リチャード・ウェストHard Bargain/リリアン・キング「記憶の中の男」/C・G・ランバートHelpless Victim/グラディス・クラフ「門は開く」/ジェイムズ・C・ブラフPresident Sam Houston;Detective

◎第9回コンテスト(1953年)
第1席 ロイ・ヴィカーズ「二重像」
第2席 スタンリイ・エリン「パーティーの夜」/ゼナ・ヘンダースンYou Know What,Teacher/ドロシー・ソールズベリ・デイヴィス「子供ごころ」/フィリップ・マクドナルド「ずぶ濡れの男」/ジャニータ・シェリダン「ハワイに蛇はいない」/マーガレット・ミラー「隣りの夫婦」
第3席 ジョン・ロス・マクドナルド「骨折り損のくたびれもうけ」/ヘイドン・ハワードThe Dipping of the Candlemaker/ジェイムズ・ヤッフェ「ママの春」/ハリー・マイナーDue Process/フィリス・ベントリー「証言の環」/クレイグ・ライス&スチュアート・パーマー「三人目の男」
オナーロール(短編) A・H・Z・カー「猫探し」/ヘンリイ・マイヤーズThe Pale Sergeant/ジェイムズ・M・アルマンAnything New on the Stranger?/ジョン・D・マクドナルド「悪者は俺に任せろ」/レイ・ブラッドベリAt Midnight, In the Month of June/ディオン・ヘンダースン「全額支払い」/ジョン・F・スーターWhen Are People Going to Learn?/エリザベス・サンクセイ・ホールディングGlitter of Diamonds/ドロシイ・ダンFollow the Leader/ロバート・ルイスThe Ninth Circle/ルーファス・キング「淵の死体」「水中の死体」)/バリイ・ペロウン「ノエル・ノエル」/ベン・レイ・レドマンThe Tougher They Come/ミリアム・アレン・ディフォードThe Judgment of En-Lil
オナーロール(ショートショート) マージェリイ・アリンガム「背は身を助く」/リー・ヘイズBanquet and a Half/ジョン・L・ヘイワードHeat Spell/マーク・ヴァン・ドーレンApril Fool/バベット・ロスモンドBest of Friends/マシュウ・ガント「第一前哨」/アントニイ・バウチャー「学問の問題」/ホディング・カーターBad Check/ウィリアム・オファレル「証拠物件A」/ピーター・ゴドフリーHail and Farewell/スティーヴン・バーDuello
物故者特別賞 リング・ラードナーClaude Diphihong, Student of Crime
最優秀処女作特別賞 ジョゼフ・ホワイトヒル「石合戦」
処女作特別賞 エミリイ・ジャクスン「誤算」/ブレニ・ジェイムズSocrates Solves a Murder/サラ・ヘンダースン・ヘイMrs. Jellison/ジャン・トンプスンThe Mirror of the Man/ラットレル・タッカーNothing Will Hurt You, Lucy/トマス・ミルステッド「感傷的な殺人」/マイケル・サンズWake Up and Live/マリアン・ロイド・ディックスProbation/フレッド・チャラップOn the Very Street You Live/ウィリアム・D・ゲントThe Black Ruby/クリスティン・フィールドThe Detective/スタンリイ・アントンTo Bury a Friend/ウィリアム・リンク&リチャード・レヴィンソンWhistling While You Work

◎第10回コンテスト(1954年)
第1席 スタンリイ・エリン「決断の時」
最高特賞 ジョゼフ・ホワイトヒルStay Away from My Mother
第2席 シャーロット・アームストロング「あなたならどうしますか?」/シャーリイ・バーカーThe Frog on Pemble Green/ドナルド・マクナット・ダグラス「完全主義者」/ヴェロニカ・パーカー・ジョーンズThe Gentleman Caller/エリザー・リプスキイ「夜の虎」/ウェイド・ミラー「事故への招待」/メアリー・ロバート・ラインハートThe Splinter/ヴィニー・ウィリアムズDodie and the Boogerman/ジェイムズ・ヤッフェ「ママは祈る」
オナーロール デイヴィッド・アリグザンダー「優しい修道士」/ローレンス・G・ブロックマンIf You Want to Get Killed/フレドリック・ブラウンKillers Three/ヒュー・B・ケイヴAlike Under the Skin/ロード・ダンセイニ「世界の涯にて」/ポール・W・フェアマン「海亀レース」/トマス・フラナガン「うまくいったようだわね」/アントニー・ギルバート「一度でたくさん」/アーサー・ゴードンThe Deadly Cycle/トーマス・キッド「遺書」(隠された遺書)/ソウル・レヴィンソンStay on the Sidewalks, Kid/D・マクルーアThe Stone on Abdul's Head/フィリップ・マクドナルド「夢見るなかれ」/ウィラード・マーシュLife Begins at 2:15/アラン・E・ナース「白いマスクの男」/ヴィン・パッカーOnly the Guilty Run/スチュアート・パーマー&クレイグ・ライス「貰いそこねた分け前」/メーベル・シーリイ「お気に召すまま」/ヴィンセント・スターレットCrazy Like Fox/ジョン・F・スーター「反対答弁」/ネドラ・タイア「ポウ廟の殺人」/マーク・ヴァン・ドーレンThe Man Who Made People a Mad/ロイ・ヴィカーズ「信念に生きる女」(主義の女)
処女作特別賞年間最優秀作 シルヴィア・ファーンハム・バカラックThe Walk-Away Kid
処女作特別賞 リチャード・F・バレット「トラブルをよぶ金髪」/ヴァージニア・バーンハイムFridaythe 13th/リー・シェリダン・コックスA Simple Incident/クレイトン・フォックスThe Heel of Achilles O'shay/ヴァージニア・ジョーンズThe Compleat Murderess/W・C・キング「弱点」/J・トレロア・マーティンThe Road to Tyburn/シャーロット・モリスIt Might Be George/ブライアン・オサリヴァン「お父ちゃん似」/アーマンド・ペレッタThe Man Who Got Away with Murder/R・J・ティリーThe Devil and Mr. Wooller/レベッカ・ワイナー"Well?"

◎第11回コンテスト(1955年)
第1席 A・H・Z・カー「黒い小猫」
最高特賞 スタンリイ・エリン「ブレッシントン計画」
第2席 デイヴィッド・アレグザンダー「タルタヴァルに行った男」/トマス・フラナガン「国のしきたり」/マイケル・ギルバートOne-Tenth Man/ディオン・ヘンダースンFrom the Mouse to the Hawk/ヴェロニカ・パーカー・ジョーンズMr.Hyle-de-Ho/ルーファス・キング「マイアミ各紙乞転載」/ウェイド・ミラー「厄日のドライヴ」/フレデリック・ネベルTry It My Way/ジェイムズ・ヤッフェ「家族の一人」
オナーロール フィリス・ベントリーA Telegram for Miss Phipps/ミリアム・アレン・ディフォードDanger--Woman at Work/ドナルド・マクナット・ダグラス「船長には絶対服従」/ポール・W・フェアマンThe Hills Cried Murder/C・B・ギルフォード「新車で飛ばそう」/アーサー・ゴードン「ブラグデン教授の憂鬱」/チャールズ・グリーン「バーニイ王のごあいさつ」/ウィリアム・リンゼイ・グレシャムDon't Believe a Word She Says/アーサー・ポージス「ステイトリー・ホームズの冒険」 /ウォルト・シェルドン「愛のきずな」/アーロン・マーク・スタインThis Was Willi's Day/J・M・スターン「ベッドタイム・ストーリイ」/シオドア・スタージョン&ダン・ウォードThe Waiting Things Inside/ジョン・S・スーター「千マイルかなたの銃声」/フランク・スウィナトン「ソホ街の夜」/ジム・トンプスン「システムの欠陥」/ネドラ・タイアTour de Couleur/ジェームズ・M・アルマンDeputy Sheriff/マーク・ヴァン・ドーレン「雨の夜だけ」/ロイ・ヴィカーズ「おきあがりこぼし」/ジョーゼフ・ホワイトヒルSouare-o-Rooney/ヴィニー・ウィリアムズ「赤犬の冒険」/ジョゼフ・スタラッド「誰が駒鳥二世を殺したか?」
処女作特別賞年間最優秀作 マイケル・フォレスティアーGifts to My People
処女作特別賞 エリザベス・アンソニーThe Seventh Murder of Henry's Father/エミリー・バーガーThe Watcher/ライル・G・ボイドThe Tools of Magic/マーティン・ブルックThe Fog Closing/In レイ・チェソンLast Swap/マーティン・ダーディス「手紙の効用」/トム・カーセルYoung Man in a Hurry/ハリー・ケリイNothing Is Black and White/ローランド・F・リーLight in Darkness/ジャック&メアリー・マクドナルドThe Apartment Hunter/シオドア・マシスンThe Hollow Family/C・E・パーカーLike a Plum Ripening/セシル・E・パーソンThe Folding Knife/ポール・ピーチSucker's Game/マーヴィン・ロスマンMr.Diamond's Diamonds/ヘンリイ・スレッサー「人を呪わば」/ロン・スティーヴンス「名人気質」/マージー・スワンSunday in Our Town/ラルフ・M・サーロウBlue, Blue Lagoon/ラリー・ヴァン・ベンシューゼンThe Clementine Caper/ポール・E・ウォルシュ$100,000 a Pint

◎第12回コンテスト(1956年)
第1席 アヴラム・デイヴィッドスン「物は証言できない」
最高特賞 B・J・R・ストルパーLilith,Stay Away from the Door
第2席 シャーロット・アームストロング「すでに失われたり」(ミス・マーフィ)/ロバート・ブロック「あの豪勢な墓を掘れ!」/レイ・チェスンYou Can't Run Away/スタンリイ・エリン「神さまの思し召し」/ルーファス・キング「不思議の国の悪意」(不思議の国の犯罪)/トマス・キッドCottage for August/ヒュー・ペンティコーストAn End to Fear/F・L・ウォーレスDriving Lesson/マンリイ・ウェイド・ウェルマンThe Mayor Calls His Family
オナーロール ポール・アンダースン「火星のダイヤモンド」/シャーリイ・バーカーThe Darkened Stair/ケム・ベネット「実験室の悪魔」/フィリス・ベントレーMiss Phipps Goes to School/レスリー・ビグロウThe Silver Cones/ジョン・コリア「犬のお悔やみ」/セシル・カーティスThird Degree/ドロシー・ソールズベリ・デイヴィス「別居広告」/ミリアム・アレン・ディフォード「ひとり歩き」/リリアン・デ・ラ・トーレ「サン・ジェルマン不死伯爵」/G・C・エドモンソンStop Being a Sucker/マシュウ・ガント「餓えた眼つき」/ウィリアム・キャンベル・ゴールト「高望みは大怪我のもと」/マイケル・ギルバート「スナップ・ショット」/C・B・ギルフォード「刑事、女難!」/アーサー・ゴードン「月の魔力」/チャールズ・グリーン「セラフィナのいたずら」/エヴァンス・ハリントンOut of the Midst of the Fire/クリフォード・ナイトNever Kill a Cop/アラン・E・ナース「心の扉」/ウィリアム・オファレルThe High, Warm Place/ブレニ・ピーヴハウスSo Refreshing!/ヘンリイ・スレッサー「権威の象徴」/パット・スタッドリイ「雌鹿の処刑」/L・A・G・ストロングThe Birdwatcher/ジョゼフ・ホワイトヒルThe Town Is Waiting
処女作特別賞年間最優秀作 アルヴィン・ピーヴハウスThe Kachina Dolls
処女作特別賞 ジョン・バーデンThe Liquidation of Pickle Fat/ライアム・ベック「その手はくわない」/フレッド・バーケンホフThe Mind Reader/ジャクリーン・カットリップThe Man at the Latch/ドゥ・フォーブスSo I Can Forget/ルース・ドイルNow I Lay Me Down/ローズ・フィネガンPaid in Full/ローレン・グッド「かくて砂漠に花咲かん」/A・ハリスThe Last Week/アーネスト・ハリスンVoluntary Murder/ステラ・リプリーLast Laugh/スタンリイ・ローゼンWaiting for the Dawn/ジーン・サコールFive Letter Word/アンドリュー・サーモンドNever the Twain/J・バーン・サージェントCommand Performance/ギルバート・スケッチマンWhere There's a Will/ミリセント・シャーウッドA True Blue Friend/サイモン・スティルKelman's Eyes/チャールズ・M・スウォートMan of the Week/ロバート・トゥーイ「死を呼ぶトラブル」/ボブ・ヴァン・スコイクHome from Camp/ニコルスン・ウィリアムズA Way with Woman

◎第13回コンテスト(1961年)
第1席 コーネル・ウールリッチ「一滴の血」
第2席 スタンリイ・エリン「倅の質問」/ハロルド・R・ダニエルズ「大虎の死」/ヒュー・ペンティコースト「ある殺人」/ドロシー・ソールズベリ・デイヴィス「拐われた魂」/パット・マガー「高い買物」(正義は高くつく)/マーガレット・オースティン「エラリイのママをご紹介」(エラリイのママ登場)
選外作 ジョージ・サムナ・オールビーThe Talking Tree/シャーロット・アームストロング「もう片方の靴」/リチャード・バンクス「ロボット殺し」/ウィリアム・E・バレット「誰も信じてくれない」/フィリス・ベントリー「危険な休日」/マージョリイ・カールトンMonday Is a QuietPlace/ヤングマン・カーター「世界一のお尋ね者」/アヴラム・デイヴィッドスン「ある拳銃」(拳銃)/ジャイコブ・ヘイThe Reformation of Fogarty/パトリシア・ハイスミス「ミセス・アフトンの嘆き」/ハリイ・ケメルマン「アデルフィの壺」/ルーファス・キング「神の復讐」/ドン・ノールトン「キュリアス・クイント」/ハロルド・Q。マスア「密告者の報酬」(密告謝礼)/マーガレット・ミラー「谷の向こうの家」/H・C・ニールThe Pegasus Pilfer/フレデリック・ネベル「干し草のなかの針」/タルミジ・パウェル「誰かが悲しんでくれる」/ホーリイ・ロス「水晶の鏡」/マーク・ヴァン・ドーレンThis Other Honor
最優秀処女作 アリス・スキャンラン・リーチ「ざんげ室にて」
処女作特別賞 L・E・ビーニイ「路上の出来事」/ラーレイ・ボンド「男の階段」/K・T・エドワーズA Matter of Judgement/エドワード・フォーブスThe Man Who Heard Whispers/ハーブ・ゴールドスタインGo Play With Your Sister/ウィリアム・ノース・ジェイム「ご静粛に願います」/パット・ウォレス・ラトナーTrouble House/マグナス・ルーデンスThe Red Eggs/ロバート・ピカリングA Lesson in Logic/スーザン・シヤーズ「人の心は」/クライド・シェーファーThe Day the Sheriff's Dog Died/ジェーン・スピード「人を呪わば…」/トーマス・P・ストーンA Time for Tea/リトライス・ウィギントンVengeance Is Mine…


(最終更新:2014/11/05)

 一目お分かりのとおり、不明の箇所だらけのリストです。このリストに関しては、連載終了までに完成を目指すことにさせていただきますが、すでに、どこかでリストが公開されているのをご存じのかたがあれば、ご一報いただければ幸いです。
 ただし、第7回コンテストに関しては、リストは完成しています。ついでに書いておくと、コンテストの結果をもとに編まれたアンソロジーThe Queen's Awards:Seven Seriesは、第1席の「アデスタを吹く冷たい風」を巻頭に、巻末に最高特賞の「歌う杖」を配して、第2席作品をすべてと、第3席から3編、特別賞から5編、処女作特別賞から1編を選んで一冊にしていました。最高特賞というのは、Special Award of Meritが原語で、1席に次ぐ、ナンバー2という位置づけのようです。数えればわかるように、受賞総数30編に及びます。そして、この数は、第7回が特別なのではなくて、EQMMコンテストというものが、そもそも、そういうふうに設計されているのです。
 次回は、その巧妙なからくりを見ていこうと思います。


小森収(こもり・おさむ)
1958年福岡県生まれ。大阪大学人間科学部卒業。編集者、評論家、小説家。著書に 『はじめて話すけど…』 『終の棲家は海に臨んで』『小劇場が燃えていた』、編書に『ミステリよりおもしろいベスト・ミステリ論18』 『都筑道夫 ポケミス全解説』等がある。


ミステリ、SF、ファンタジー|東京創元社