夏を殺す少女
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最新刊『黒のクイーン』

 2013年『夏を殺す少女』で衝撃のデビューを飾り同年3月には来日も果たした、オーストリア・ミステリの名手アンドレアス・グルーバー『黒のクイーン』が登場!

 ウィーンに住むフリーランスの保険調査専門探偵ホガートは、顧客である大手国際保険会社支社長からある依頼を受けた。プラハの展覧会に貸し出した貴重な絵画が火災で焼失、調査に派遣した会社専属の絵画専門調査員は、焼失した絵画はすり替えられた偽物だったという報告を残し行方不明になってしまった。その調査員の安否と絵画保険詐欺の件を調べて欲しいというのだ。
 早速チェコのプラハに飛んだホガートは、目をつけた暗黒街のボスのところでひとりの女探偵イヴォナに出会う。彼女が調査していたのは、プラハで起きている連続殺人事件。なんの関係もなさそうな女と男が交互に殺され、首と手のない死体はそれぞれ黒と白のビロードにくるまれて発見されているというのだ。“ビロード殺人”と呼ばれるその事件の話をイヴォナから聞くうちに、ホガートはとんでもない事実に気づく。

 今回舞台となるプラハは黄金の街とも呼ばれる古都。その美しいたたずまいを、主人公ホガートと一緒に(といってもホガートにはそんな余裕はないようですが)お楽しみください。




夏を殺す少女
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『夏を殺す少女』

 酒に酔った元小児科医が工事現場の危険表示テープを越えて侵入、マンホールにはまって溺死した。訴えられたのは建設会社。ウィーンのクラーガー&ホロベック法律事務所に務める弁護士エヴェリーンはボスの警告を無視して、父の友人のものであるその建設会社を救おうとひとり調査をしていた。
 どうやら元小児科医は、ナイトクラブでひっかけた女とお楽しみの予定だったらしい。事件現場の写真に写ったひとりの娘。金髪でサマードレスを着た娘に、エヴァリーンは見覚えがあった。
 ボスのパートナーであるホロベックが担当した、市議会議員が山道を運転中にエアバッグが作動し運転をあやまり死亡した案件で、市議会議員が車に乗せて走り去るのを目撃された娘の人相にそっくりなのだ。
 どちらもつまらない案件のはずだった。事件の現場に、サマードレス娘の姿がなければ。エヴェリーンが事件のことを問い質そうとした矢先、なんとホロベック自身が謎の死をとげてしまう。一見無関係な事件の奥に潜むただならぬ気配。エヴェリーンは次第に事件に深入りしていく。
 一方、ライプツィヒ警察の刑事ヴァルターは、病院での少女の不審死を調べていた。一見自殺のようだ、遺書らしきものもある。だが、ヴァルターは納得できなかった。
 オーストリアの弁護士とドイツの刑事、ふたりの軌跡が出会うとき、事件がその恐るべき真の姿をあらわし始める。

ドイツアマゾンで人気沸騰。本国オーストリアだけでなく、ドイツにもセンセーションを巻き起こした、衝撃のミステリ登場!


(2014年1月8日/2013年2月5日)




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