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2015年9月17日から11月9日まで東京創元社ホームページ上で実施しました、ケヴィン・ウィルソンの第一作品集『地球の中心までトンネルを掘る』(海外文学セレクション/単行本)収録作品の人気投票の結果を発表いたします。なお、投票をいただいたかたから抽選で1名様に東京創元社公式キャラクター「くらり」のぬいぐるみを進呈いたします。

それでは、上位3作品を送られたコメントとともに紹介します。

第1位「替え玉」
【投票者のコメントから】
・ラストシーンで、私自身の人生と家族との関係も、いつかは失われてしまうけれど彼女同様幸せなものなのかも、と改めて気付かされました。彼女のように念入りに(?)家族と関わってみようかと思います。(40代女性)
・じわじわくる面白さがたまりません。(40代女性)

第2位「ゴー・ファイト・ウィン」
【投票者のコメントから】
・目立たないことを望む娘と、”イケてる”娘を望む母、ふたりの気持ちが悲しいほど伝わってきました。ラストに温かい気持ちになれたのもよかったです。(40代女性)
・誰もが十代のどこかで経験したことがある居心地の悪さを思い出させてくれる。学校で、家庭で周囲の期待と自分の感情のギャップを埋められずにもどかしさを感じていた時代。最後には救われたと思わせながら、どこかに不安な空気も漂わせる独特のラストシーンが用意されていた。彼らのこの先が気になる。(女性)
・10代にとって4つの年の差は永遠のように遠い。それなのに、なんだか引かれ合ってしまうチグハグな2人。気持ちは素直なのに真っ直ぐな恋愛にはならなくて、滑稽で可笑しいのにでも切なくて、とってもラブリーでした。リッパにラブストーリーだと思いました。(50代女性)
・数ある中で一番気にいった作品は、本書の中でも普通設定の「ゴー・ファイト・ウィン」だった。勝ち組のグループの中で自分を偽って生きてゆく苦しさと痛み。心の拠りどころとなる少年との交流。(40代男性)

第3位「ワースト・ケース・シナリオ株式会社」
【投票者のコメントから】
・無理矢理に信じてさえいないポジティブ予想図を作る主人公。その矛盾と、矛盾の隙間にも存在出来る人間というものの柔らかさを描いた後半に感動。(30代女性)
・悲観論者だって幸せになりたい、と思い、素直に共感出来ました。本当に綱渡りのようだけど、幸せになれると良いなあ。(40代男性)



 全11編の順位は以下のとおりです。

 第1位「替え玉」
 第2位「ゴー・ファイト・ウィン」
 第3位「ワースト・ケース・シナリオ株式会社」
 第4位「地球の中心までトンネルを掘る」
 第5位「発火点」
 第6位「あれやこれや博物館」
 第7位「ツルの舞う家」
 第8位「弾丸マクシミリアン」
 第9位「女子合唱部の指揮者を愛人にした男の物語(もしくは歯の生えた赤ん坊の)」
 第10位「モータルコンバット」
 第11位「今は亡き姉ハンドブック:繊細な少年のための手引き」

 いかがでしょうか? 先に実施した「タイトルだけ人気投票」とはだいぶ異なった結果になりました。気になったかたはぜひ、『地球の中心までトンネルを掘る』を読んで、あなたなりの順位をつけてみてください。

(2015年12月7日)




【2009年3月以前の「本の話題」はこちらからご覧ください】

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