海外ミステリ出張室

2017.07.04

ホームズ130周年でNHK特別企画「シャーロック・ホームズ130」(北原尚彦)


 東京創元社の創元推理文庫で、深町眞理子訳版〈シャーロック・ホームズ全集〉が完結した、2017年。シャーロック・ホームズが『緋色の研究』で初登場したのが、1887年ですから、ホームズ登場から130周年に当たります。

 そんな記念すべき年の夏、NHKでは「シャーロック・ホームズ130」と銘打って、ホームズのスペシャル企画番組が幾つも放送されます。
「乾杯シャーロック・ホームズ」は6月24日に放送され、青山剛昌・三谷幸喜・茂木健一郎が登場し、話題を呼びました(7月3日にBSプレミアム、7月8日に地上波で再放送)。

 7月5日には、BSプレミアムで「シリーズ深読み読書会 シャーロック・ホームズの最高傑作!? バスカヴィル家の犬」が放送予定。綾辻行人・有栖川有栖・島田雅彦・鈴木杏・橋本麻里が出演し、『バスカヴィル家の犬』を徹底的に分析します。是非、創元推理文庫の深町眞理子訳版を読んで、予習しておきましょう。

 そして7月8日は「シャーロック・ナイト」。シャーロック・ホームズ関連番組がBSプレミアムにて、4時間半ぶっ続けで放送されます。
 19時からは「謎解きLIVE『CATSと蘇ったモリアーティ』」(事件編)。2013年から2016年までに五回放送されている「謎解きLIVE」の最新作です。前作『CATSと聖夜の殺人者』から設定された推理倶楽部CATSが、AIとして蘇ったモリアーティ教授の突きつける謎に挑む、という趣向。モリアーティ教授は、もちろん「最後の事件」『回想のシャーロック・ホームズ』所収)に登場した、シャーロック・ホームズの宿敵たる犯罪王です。

cats.jpg  シリーズ過去作ではジョイ・スウィフト、麻耶雄嵩、我孫子武丸、綾辻行人、大山誠一郎が原作者を務めてきましたが、今回はゲームクリエイターのイシイジロウ。そしてAIモリアーティを敵に設定するだけでなく、シャーロック・ホームズの要素を盛り込むため「シャーロック・ホームズ作品監修」として、わたくし北原尚彦が起用された――という次第なのです。

 謎解き番組なのであまり多くを語るわけにはいきませんが、これまで公開された情報を総合すると、CATSのみそっかす(?)である弁護士・真東一成のところへ、『殺意のバスカヴィル館』なる謎解きイベントの特別リハーサル招待状が届きます。どうやら真東が、CATSメンバー――安芸朔太郎・朝永日向・有馬大和――とともにそこへ向かったところ、何かが起こる……のです。

 ロケは、福島県のブリティッシュヒルズで行なわれました。主に英語研修に使われるこの施設は、かつて日本シャーロック・ホームズ・クラブの大会が開かれたこともあります。研修に参加する中学生・高校生には「ハリー・ポッターの世界みたい」と人気のようです。
 わたくしも監修者としてこのロケに参加しました。そして――ほんのちょこっとだけ、出演もしました。ほとんど『キタハラをさがせ!』状態ですが、謎を解きながら、キタハラ探しもしてみて下さい。

 ストーリーに関わるため詳述できませんが、シャーロック・ホームズの正典ネタを、これでもかと導入しました。是非、あちらこちらでニヤリとして下さい。
(事件編)のあと、シンキングタイムも兼ねて、20時5分ごろからは「ホームズとワトソンのただならぬ夜」を放送。ホームズの推理力のすごさ、ワトソンの役割、ホームズの推理術などについて語られるトークバラエティー。芸能人たちに混じって、ホームズ翻訳家・日暮雅通の出演が予定されています。いったい何がどう「ただならぬ」のか、楽しみです。

 そして21時35分ごろからは「謎解きLIVE『CATSと蘇ったモリアーティ』」(解決編)。この番組は、視聴者参加の双方向性が売りですので、是非とも謎解きに挑戦し、締め切りまでに参加してみて下さい。
 またこの番組は「プレミアムメンバー試験」として、事前に別途謎解きが公開されています(http://www.nhk.or.jp/nazo/mori/examination/)。こちらもホームズ要素たっぷりですので、どうぞチャレンジを。

 22時からは締めくくり、BBCドラマ『SHERLOCK 4』。大人気シリーズの最新シーズン、いよいよ登場です。この日放送される第一話は「六つのサッチャー」。タイトルから容易に想像のつく通り、「六つのナポレオン像」『シャーロック・ホームズの復活』所収)がベースです。ナポレオン像ならぬサッチャー元首相の像が破壊される事件の真相とは……。『SHERLOCK 4』は7月15日に第二話「臥(ふ)せる探偵」、7月22日に「最後の問題」が放送されます。

 暑い夏の熱い夜、「シャーロック・ナイト」でピークを迎える「シャーロック・ホームズ130」。是非、深町眞理子訳版〈シャーロック・ホームズ全集〉で準備をしてからご視聴下さい。

holmes.jpg「シャーロック・ホームズ130」http://www.nhk.or.jp/sh130/

(2017年7月5日)



バックナンバー