海外ミステリ出張室

2016.01.06

【連載】翻訳ミステリについて思うところを語ってみた。その6・翻訳ミステリ読者アンケート結果発表![2016年1月]


みなさまあけましておめでとうございます。昨年はじめたこの連載、今年もできるかぎり続けていければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

今回は、昨年末に設置しておりました「翻訳ミステリについての読者アンケート」の結果を発表したいと思います! このアンケートは翻訳ミステリ班K(電車と落語とコアラ好き)の発案で、読者のみなさんのご意見をうかがおうということになりはじめたものなんですが、まさか! まさか903もの回答を得られようとは……! ご協力くださったみなさま、ほんとうに! ほんとーにありがとうございました!!

さて、それでは個々の項目の回答結果を公開したいと思います。ただし、すべての質問と選択肢、質問での細かい票数を記載するのは難しいので、全体の割合や一部の票数のみという感じになってしまいます。なにせ項目が多いので、ご理解ください。

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11月24 日(火)から 12月8 日(火)の 2週間で、903の回答を得ました。回答では男性が41%、女性が59%と、女性が若干多かったです。そして今回、回答された方の中から抽選でA・2015年刊行の創元推理文庫よりお好きな作品1冊、もしくはB・くらりのぬいぐるみを各3名様にプレゼント、だったのですが、こちらもAとBが接戦でしたね。結果は「B・くらりのぬいぐるみ」を選んだ人が51%でほんのちょっと多かったです。ゲンセイな抽選を行いまして、昨年中に6人の方にプレゼントをお送りさせていただきました。ちなみに当選された方が選ばれていた推理文庫は、D・M・ディヴァイン『そして医師も死す』、シャーロット・マクラウド『蹄鉄ころんだ』、アンネ・ホルト『ホテル1222』でした。未読の方はぜひぜひ読んでみてください。

回答された方の年齢で一番多かったのは40代で、全体の30%でした。次点が20代、30代、50代がそれぞれ21%なので、幅広い年代の方からご回答をいただけたのでうれしかったです。ただ、10代の方がとても少なかったので、やっぱり学生さんや若い方にも読んでもらえるような作品をきちんとご紹介していかねば、とあらためて実感しました。

次に「ひと月に翻訳ミステリを何冊読みますか?」という質問について。回答数では「5冊以下」が75%と圧倒的でした。ただし、例えば「月に1冊も読まないことがあるが、年に5冊以上は読んでいる」という場合はどうしたらいいのだという意見もあったので、回答欄をもっと工夫すればよかったかもしれません。初めてのアンケートなので、いろいろと反省があります……。そして「ひと月に翻訳ミステリを何冊買いますか?」という項目も、結果はほとんど変わらず「5冊以下」が77%でした。なお、「ひと月に読む翻訳ミステリは21冊から30冊以下」という猛者も、なんと4人いらっしゃいました。へ、編集者以上じゃないっすか!? いやー、ありがたいことです。

複数の選択肢から「本の情報を得ているものを選んでください(複数回答可)」という質問で一番多かったのは「Twitter」で、全体の17%でした。また、次の「翻訳ミステリを購入するきっかけになる要素はありますか?(複数回答可)」という質問では、「あらすじ」という選択肢を選ばれた方が26%でトップ、次点が「著者名」で25%でした。「帯のキャッチコピー」を選ばれた方が10%と案外少なくて(7の選択肢中5位)、ものすごーく頑張って考えているのになぁ、とちょっぴり残念でした。みなさん、本の帯のキャッチコピーは編集者がすさまじく頭をひねって考えているので、できればもうちょっとだけ注目していただけると嬉しいです……!!!

「『このミステリーがすごい!』など翻訳ミステリの各種ランキング結果は購入のきっかけになりますか?」は、半数以上の方が「なる」と回答されていました(「なる」54%、「ならない」46%)。具体的なランキング名は、やはり設問にもあった『このミステリーがすごい!』が圧倒的に多かったですね。次の「翻訳ミステリの賞で購入のきっかけになるものはありますか?」という質問では、「なし」が最多でしたが、「MWA賞」が23%、「CWA賞」が21%と健闘していました。選択肢にある賞以外と答えた方が挙げられていた具体的な賞名では、北欧ミステリの賞である「ガラスの鍵賞」が印象的でした。

驚きの結果となったのが「翻訳ミステリの文庫本は何ページ以上あると『長い』と感じますか?」。この連載でも第2回で取り上げましたが、翻訳ミステリって国内作家さんの本に較べると長い(ページ数が多い)です。結果では1位が「600ページ以上」と回答された方が35%! みなさん、慣れてらっしゃる……! 2位が「500ページ以上」で34%だったので、やはりこのあたりの分量が境みたいですね。

そしてもうひとつ驚いたのが、「翻訳ミステリの場合、同じ作品で500ページを超える1冊本と上下巻ではどちらが手に取りやすいですか?」という質問の結果。こちらは72%の方が「1冊本」と回答されていました! おお、圧倒的。しかし翻訳ミステリだと800ページを超える作品もまれにあるので、そうするとやはり1冊本だときついのです。ほかにもいろいろな理由で上下巻にせざるを得ないときがあります。

さらに意外な回答結果が出たー! 「創元推理文庫の文字の大きさについてどう思いますか?」こちらは「小さい/ちょうどいい/大きい」という選択肢を用意させていただきました。よく「文庫の文字が小さい」と言われるのでびくびくしていたのですが、結果はなんと「ちょうどいい」が84%、「小さい」が14%、「大きい」が3%でした! 正直びっくりしちゃいました!

さて、最近翻訳ミステリのシリーズもので、1作目はいい感じに売れて重版もできたのに、2作目でがくっと売り上げが落ちてしまった……などということがまれにあります。そういうこともあり、シリーズものについても質問してみました。「シリーズ作品とノン・シリーズ作品ではどちらが手に取りやすいですか?」では、「シリーズ作品」が51%、「ノン・シリーズ作品」が49%と接戦でした! 一方「翻訳ミステリのシリーズの場合、2作目以降を読もうと思いますか?」に関しては、「読もうと思う」が50%、「読もうと思わない」が2%、「作品による」が48%でした。やっぱり続きが読みたい! と思ってもらえる作品を発掘していくのが一番大事だってことですね。がんばります。

最後に、このところ売り上げが伸びてきている電子書籍について。「東京創元社の電子書籍を購入したことがありますか?」という質問では、残念ながら「購入したことがない」方が一番多かったのですが、「これから購入しようと考えている」方が9%だったのでうれしかったです。発売とほぼ同時に電子書籍も、という新刊も増えてきています。また過去の作品も、電子書籍の権利を取ってなるべく刊行していこうという流れになっています。ぜひ一度お試しください。電子書籍については、弊社ホームページのトップにあるオレンジの「東京創元社の電子書籍」というところをポチっとしていただけると、新刊情報などがわかります!

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翻訳ミステリのアンケートを作ったのは初めてだったので、いろいろ至らない点や「なんでこんな質問?」というものもあったかもしれません。翻訳ミステリ班でも、反省点がいっぱいあります……。でも、せっかくいただいた貴重なご意見ですので、今後の本作りに役立てていければと思っております。

第6回は、おすすめ本紹介はちょっとお休みで、告知をさせてくださいませ。元旦に〈Webミステリーズ!〉にて「【新年特別企画】2016年 東京創元社 翻訳ミステリラインナップのご案内」を公開いたしました!
  刊行を楽しみにお待ちいただければ幸いです。この記事に乗せられなかった刊行予定作品もまだまだございます。

 年末年始のお休み中は実家に帰って2匹のフェレットをもふもふし放題して、がっつり気力体力を充電いたしました。今年もおもしろい本の刊行&翻訳ミステリファンを増やすべく、邁進していきたいと思います。本年もどうぞよろしくお願いいたします!

(東京創元社S)


(2016年1月7日)




【2009年3月以前の「本の話題」はこちらからご覧ください】

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