今月の本の話題海外ミステリ出張室

2018.02.01

〈アイアマンガー三部作〉の著者エドワード・ケアリー氏から日本の読者へのスペシャルメッセージ


〈アイアマンガー三部作〉の著者ケアリー氏から
日本の読者へ向けての特別メッセージを全文公開!



2018年1月26日に東京・代官山蔦屋書店でおこなわれた「 〈アイアマンガー三部作〉最終巻『肺都』刊行記念トークショー」にて翻訳者の古屋美登里先生が読みあげられました、著者のエドワード・ケアリー氏から日本の読者へ向けてのスペシャルメッセージを全文公開いたします。当日参加できなかったかたも、どうぞご覧ください。



Dear Japanese readers,

I am so very thrilled to have the Iremonger trilogy completed in Japanese. I have been extremely blessed by my Japanese translator, Midori Furuya, who has translated all my books so sensitively and wisely and with such tender care. I am so delighted to see the books in Japanese bookstores, and to hold them. I have always been so influenced by the culture of Japan from its ancient ghost stories, to Hokusai, to the incredible carvings in netsuke that hold so much life, to the masterpieces of Hayao Miyazaki. One day I would dearly love to visit Japan, for now I must be content for my books to travel there for me. This trilogy is the story of young people fighting the cruelty of their elders, it is about the weight of history and how we treat the objects about us, it's also about growing up and love and rats and family, and for me - I live now in America but was born in England - it is about going home. I am so deeply grateful that it has found a home in Japan.

With all warmest wishes,
Edward


エドワード・ケアリーから日本の読者のみなさまへ

 日本語訳のアイアマンガー三部作が完結したことをとても嬉しく思っています。これはひとえに日本語の翻訳者古屋美登里さんのおかげです。彼女は私のすべての小説を、感受性豊かに、思慮深く、親身になって翻訳してきました。日本の書店にこの三部作が並ぶのを見るのは、とても大きな喜びです。私はこれまで日本の文化から、つまり古い幽霊の話や北斎の絵、長い命を吹き込まれた根付けの素晴らしい彫刻、宮崎駿の傑作などから、大きな影響を受けてきました。いつか日本に行かれたらどんなにいいかわかりませんが、いまは私の代わりに本たちが日本を旅することで満足しなければなりません。アイアマンガー三部作は、少年少女が年長者たちの残虐性と戦う話です。歴史の重さの話であり、身近にある物たちを私たちがどう扱っているかの話です。成長と愛と家族の物語であり、英国で生まれいまはアメリカに暮らしている私にとっては、故郷を偲ぶ物語なのです。この三部作が日本で居場所を見つけたことをなによりありがたく思っています。

エドワード

(古屋美登里・訳)



エドワード・ケアリー(Edward Carey)
1970年にイングランド東部のノーフォーク州で生まれる。これまでに長篇小説『望楼館追想』(2000)『アルヴァとイルヴァ』(2003)、『堆塵館』(2014)『穢れの町』(2014)『肺都』(2015)からなる〈アイアマンガー三部作〉を発表。イラストレーター、彫塑家としても国際的に活躍。現在はアメリカ合衆国テキサス州で妻と子供ふたりと暮らしている。妻はアメリカの作家エリザベス・マクラッケン。
http://edwardcareyauthor.com

古屋美登里(ふるや・みどり)
翻訳家。訳書にエドワード・ケアリー『望楼館追想』『アルヴァとイルヴァ』(以上、文藝春秋)『堆塵館』『穢れの町』『肺都』(以上、東京創元社)、M・L・ステッドマン『海を照らす光』(ハヤカワepi文庫)、B・J・ホラーズ編『モンスターズ 現代アメリカ傑作短篇集』(白水社)、ダニエル・タメット『ぼくには数字が風景に見える』(講談社文庫)、デイヴィッド・フィンケル『帰還兵はなぜ自殺するのか』(亜紀書房)ほか。著書に『雑な読書』(シンコーミュージック)。

(2018年2月1日)




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