今月の本の話題

2018.07.30

ウィーン発、元刑事で元探偵のレミングの活躍を描くシュテファン・スルペツキ『天国通り殺人事件』!

天国通り殺人事件
ウィーンを舞台に元刑事の探偵レミングの活躍を描いた『探偵レミングの災難』。続編となる本書『天国通り殺人事件』がいよいよ発売となります! 『探偵レミングの災難』につきましては、ぜひこちらの記事をご参照ください。

さて、この記事のタイトルにあるとおり、1巻目では元刑事で、興信所で探偵をしていた〈レミング〉ことレオポルト・ヴァリシュ。しかし続編では、興信所をクビになり、動物園の夜警をしています。おまけに水道管の破裂によってアパートを追い出され、ガールフレンドとも喧嘩別れし、という踏んだり蹴ったりな状況。しかもなんと、またしても死体に遭遇してしまいます。それも、今回は目の前で殺人事件が起きたのです!

元刑事の〈レミング〉はある日カフェで見知らぬ男に絡まれる。店を出て路地に逃げ込むと、そこには白い手袋をつけピストルを握った男が。白手袋の男は、〈レミング〉を追ってきた男の頭を撃ち、なぜかピストルを〈レミング〉に持たせて立ち去った。このままでは殺人犯にされてしまう! 〈レミング〉は真相を突き止めるため、被害者が働いていた療養所に患者として潜入するが……。

相変わらず災難に巻き込まれてしまう、不憫すぎる〈レミング〉。果たして彼は真相を突き止め、殺人者という濡れ衣を晴らせるのでしょうか? 

本書『天国通り殺人事件』の原題は、Lemmings Himmelfahrtです。ヒンメル(天国)、ファート(行く)は昇天という意味で、〈レミング〉が潜入する療養所がある実在の通りの名前から取られています。直訳すると「レミングが天国に行く」ですが、ヒンメルファートにはもう一つ意味があるそうです。ずばり、「命を危険にさらす無謀な企て、自殺行為」。昔から集団自殺する習性を持つと信じられてきたネズミ〈レミング〉と呼ばれている猪突猛進なヴァリシュ氏が、危険な潜入調査におもむく様子そのままですね。

シリーズ作品ですが、事件自体は独立していますので、この作品から読んでいただいても全く問題ありません。オーストリアでは映画化もされている人気シリーズ最新作をどうぞお楽しみください!

『天国通り殺人事件』は7月30日ごろ発売です!


(2018年7月30日)



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