晴れ時々、食品サンプル ほしがり探偵ユリオ
ショッピングサイト《ほしがり堂》を経営する深町ユリオは、古い家電や顔ハメ看板など、ガラクタにしか見えないモノをほしがるマニアックなコレクター。しかしそれらに価値を見出しお宝として売り捌く彼は、名探偵でもあったのです!

前作『ウサギの天使が呼んでいる』に続く、“ほしがり探偵”の新たな活躍を描いたのが本作です(こちらから読んでも問題はありません)。お宝絡みの事件に出くわすたびにほしいモノをゲットするため、警察を飄々とかわしつつ謎解きするユリオ。そんな彼に振り回される常識人の妹・さくらと共に、5つの謎に挑みます。

本作に登場する謎を、ご紹介しますと…。
カウボーイグッズをつけた被害者の死に方は、落馬そっくり? ――「馬のない落馬」
判じ絵ネタをやる芸人宅で発見された死体の傍に、謎のモノが? ――「判じてモナムール」
呪われた古墳を調査した大学関係者が、次々と不審死を遂げた? ――「神の手、再び」
ミニマリストの部屋に、捨てたはずの●●が戻ってきた?――「ほしがりvs.捨てたがり」
食品サンプルコレクターの告別式で起きた珍事の真相は?――「告別式に、食品サンプルの雨が降る」

B級グッズなどの“お宝”×奇妙な事件によって描かれる物語は、唯一無二。また、執筆の裏話を語るあとがきや、ミキワカコさんによるポップなカバーイラストも見逃せません。 そして何より、青崎有吾先生による素敵な推薦文が、作品の魅力をズバリ表わしています。読み終えたら語らずにはいられない本書を、ぜひご堪能ください!

(2018年7月4日)



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