今月の本の話題

2018.06.07

『ぼくと、ぼくらの夏』から30年。大幅改稿の『海泡』刊行

海泡
 竹芝からフェリーで26時間(現在は24時間に短縮されているようです)、小笠原の父島が舞台の今作。本格ミステリですと、きっと孤島を舞台にした連続殺人へと展開していくのでしょうが……、そこは著者らしい青春みあふれる作品に仕上がっていますのでご安心を。
 大学の夏休みに、二年ぶりに帰省した木村洋介を待ち受ける不可解な同級生の死。「夏休み」「同級生」「初恋の女性」と、三つの要素が揃い傑作に仕上がらないはずがありません。1988年のデビュー作『ぼくと、ぼくらの夏』からちょうど30年。記念の年に、著者自身が“マイベスト”と話す今作を、ぜひお楽しみ下さい。もちろん、中公文庫版から大幅に改稿しておりますので、一度お読みの方もぜひ!

 さて、ふたつほど著者関連でニュースを。
 現在〈ミステリーズ!〉『うしろから歩いてくる微笑』を連載中の柚木草平シリーズが、かつてCX系でドラマ化されていたのをご存知でしょうか? 鹿賀丈史が柚木を演じる「せつない探偵 柚木草平の殺人レポート」がそちらになります。6月12、13日にAXNミステリーにて再放送が決定しています。放送時間等は下記をご覧下さい。

せつない探偵 柚木草平の殺人レポート|AXNミステリー

 また、一風変わった女子高生と作家の交流を描いた『亀と観覧車』(中央公論新社)の舞台も間近にせまってきました。6月22日が初日となっております。詳細は下記のサイトをご覧下さい。

小宮孝泰プロデュースvol.8「亀と観覧車」

 最新長編の『平凡な革命家の食卓』(祥伝社)が好調な著者。6月は樋口月間として楽しみましょう!

(2018年6月7日)



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